ブックタイトル社会科NAVI Vol.21
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社会科NAVI Vol.21
●中学校社会科で育てる力とは 社会科の目標は,新学習指導要領においても引き続き「公民的資質の基礎を培う」ことです。「公民」とは政治的観点から見た国民のことです(現行『高等学校学習指導要領解説 公民科編』)。 では「国民」と「市民」はどう違うのでしょうか。日本国憲法では日本国民の権利と義務を規定していますが,外国人の人権はどう考えたらいいでしょうか。21 世紀の今日においては,国内法の制約はありますが「『グローバルな倫理』を理解する『グローバルな意識を持った市民』を育てる」ことが求められています(岩波講座『教育改革への展望7』2016)。この「グローバル・シティズンシップの育成」こそ,今,社会科に求められている課題です。●「卒業レポート」の取り組み 写真は,大阪市立咲くやこの花中学校の「卒業レポート」のクラスでの発表場面です。同校の学習の流れは「課題設定→調査活動→分析・まとめ→発表」です。日々のNIE(教育に新聞を!)の活動も相まって,探究的な深い学びを実現しています。● 3 年間の見通しを持とう社会科の本質に根ざした3年間の見通しを持とう●大阪教育大学・大阪成蹊大学・武庫川女子大学非常勤講師 丹松 美代志中学校編 指導者の川村教諭は,3 年間を見通して探究活動に取り組ませています。1 年は「お国調べ」,2 年は「観光大使になって都道府県の魅力を伝えよう!」,3 年は1 年かけて持続可能な社会をめざした「卒業レポート」の作成です。3 年間の積み重ねにより,ここに「グローバル・シティズンシップ」が築かれつつあります。 中学校の公民的分野の教科書の最後の章は,「よりよい社会を目指して」となっており,3 年間の総まとめとして,生徒が持続可能な社会を求めて,自ら課題を設定し,追究する学習になっています。 現状の各学校の取り組みはどうなっているでしょうか。卒業を間近に控えて,とりあえず,やらせたつもり,やったはず,で終わっていることはありませんか。「公民的資質の基礎の育成」や,ひいては「グローバル・シティズンシップの育成」には,川村実践のような3年間の見通しを持った取り組みが必要です。この取り組みが,高等学校の新教科「公共」につながります。 中学校での学びが高校で生かされるよう,咲くやこの花中学校の3 年間の探究活動をおおいに参考にし,3 年間を見通した学習計画を立ててほしいと思います。新聞活用と個別指導社会科NAVI 2019 v ol.21 11