ブックタイトル社会科NAVI Vol.21
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社会科NAVI Vol.21
泉 拓良(いずみ たくら)専門分野/考古学主要著書/『講座 日本の考古学3・4 縄文時代上・下』(編書, 青木書店,2013,14 年)など● 妹尾 裕介(せのお ゆうすけ)専門分野/考古学主要著書/『挑戦する大学博物館』(編著,京都大学総合博物館,2015年)など●▲ 一人ずつ模様の付け方を指導する。▲ どのように火焔型土器ができたの か皆で考える。▲ 縄文土器の模様の付け方の説明を聞き,自ら模様を付けてみる。布地域)の土器を配った。(2)まず,担当する地域の土器を観察し特徴をまとめる。(3)次に,他の5グループに一人ずつ派遣して,他地域の土器情報を集める。(4)戻って土器情報を整理し,地域ごとの類似点,相違点を語り合う。観察と対話を組み合わせることがポイントだ。そのあと展示室に向かった子どもたちは,キャプションを見ずに,どこの地域の縄文土器かを当てられるようになっていた。実物を観察し情報の特性をまとめる,比較し分類する。子どもたちは自然と考古学的方法論の基本ができるようになっていた。 「かんがえてみる」では,まず,手元にある火焔型土器の破片が,完形土器のどの部分にあたるかを探す。このことから,火焔型土器がどのような属性(形や模様)からできているかを理解し,火焔型土器という装飾豊かな土器がどのようにして成立してきたかを考える「研究」に挑戦した。これは考古学者の普段の研究視点である。単なる思いつきで答えるのではない思考は,科学的な考え方の基礎となる。 歴史を捉えるには,時間の長さ,過去という概念を理解する必要がある。これは自分が生きてきた年数によって体感的に身につくものなので,本当のところ,子どもには難しいかもしれない。しかし,①体験,②観察と比較,③思考という順序を踏むことで歴史的事象を自分化することが可能となる。これが一見つながりにくいと考えてしまう学問分野と子どもをつなぐ基盤となる。我々の挑戦的なワークショップはこれからも続く。社会科NAVI 2019 v ol.21 13