ブックタイトル社会科NAVI Vol.21
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社会科NAVI Vol.21
具体的取り組み 近松門左衛門の命日を偲んで,今年も10 月28日(日)に下坂部小学校の校区にある近松記念館で大近松祭が行われた。下坂部小学校浄瑠璃クラブは例年「寿ことぶき式しき三さん番ば叟そう」の演目で出演している。児童たちはこの日の発表に向けて毎日休み時間に練習し,リハーサルを重ねてきた。三味線・踊り・太鼓・語りとそれぞれの役割で舞台に立つことになっている。入部したての4年生はあまり出番は多くはないが,いつか5・6年生のように三味線や踊りとして舞台に立てるように練習を続ける。それぞれの社会科での取り組みおわりに 社会科の学習と関連させた学習として,3年生では校区の特色や,先人の努力を知り,郷土の文化と伝統を大切にする心を育てる。4年生では「わがまちの発展につくした人々」でコンピュータを使って近松門左衛門の功績について調べる。5・6年生では「身近な歴史を探る」で身近な歴史に対する興味,関心を深める。今後も学校全体での近松に親しむ学習を進めていく必要がある。 1年間を通して『浄瑠璃クラブ』や『和文化クラブ』の児童が活躍できる基盤を学校だけでなく地域の協力も得て支えていくことが,郷土学習をさらに発展させていくために大切である。これからも近松に親しむ下坂部小学校の伝統を,子どもたち自身が受け継ぎ伝えることで,近松の里尼崎を誇りに思い,ふるさとを大切にする▲ 大近松祭 児童の育成に努める。▲ 近松デー また,教職員はこの活動を支えるために近松推進委員会を設定し,指導者の役割分担をすることで,次年度への引き継ぎがスムーズに行われる仕組みを確立した。さらにカリキュラムマネジメントにより伝統文化を軸にして教育課程を作成することにより,無理なく継続的な学習が可能になった。役割を次の学年に伝えていくという仕組みができているため,大きな出番のない4年生も必死に練習に取り組んでいる。 三味線では,初めて楽器に触る児童も多い中,お師匠さんから教えていただいたことを一生懸命練習して舞台に立つことができた。地域全体で子どもたちの学びや成長を支える,地域学校協働活動の体制が整いつつある。」 さらに浄瑠璃クラブでは毎年近松デーの発表が行われる。近松デーは,学校で受け継がれている浄瑠璃を鑑賞し,地域の伝統文化に親しみ,理解を深めることをねらい,本物の伝統文化を体験する学校行事として毎年開催される。大近松祭の演目の「寿式三番叟」に加えて,浴衣を着て「下坂部音頭」を披露する。この日は,オープンスクールとして全校児童だけでなく保護者や地域の人たちにも練習の成果を披露する。 この舞台を鑑賞して,3年生以下の学年は自分たちも4年生になったら浄瑠璃クラブに入りたいという気持ちが強くなり,次年度への入部部員の確保にもつながっている。また,本物に出会う体験活動として,本年度は三味線のお師匠さんたちの演奏を鑑賞するという伝統を意識した取り組みを行っている。社会科NAVI 2019 v ol.21 19