ブックタイトル社会科NAVI Vol.21
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社会科NAVI Vol.21
この単元の目標は,交通や公共施設,土地利用や人口,生活の道具などの時期による違いに着目して,市や人々の生活の様子を捉え,それらの変化を考え,表現することを通して,市や人々の生活の様子は,時間の経過に伴い,移り変わってきたことを理解できるようにすることである。実際の指導に当たっては,市の様子が大きく変わったいくつかの時期に着目して,その頃の様子を調べる活動や,現在と比較して年表などにまとめる活動などが考えられる。 さいたま市は,平成13年に浦和市,大宮市,与野市が合併し,その後平成17年に岩槻市が加わって現在に至る。そこで,旧市に偏ることなく,オールさいたまとしての移り変わりを学習するように配慮しなければならない。また,交通や公共施設,土地利用などの視点に沿って毎時間調べていく学習ではなく,問題解決的な学習の中でそれらの視点を踏まえて追究・解決できるように,交通の変遷をもとに四つの時期に分けるようにした。明治初期の荒川や見沼通船を利用した舟運の時期,明治から大正にかけて現在の高崎線や東北本線の鉄道が敷かれた時期,昭和の高度成長期に国道や東北自動車道などが整備され自動車が利用されるようになった時期,さらに,さいたま新都心駅が開業し,さいたま市が誕生した現在である。 まず,導入では市の移り変わりを交通に着目して四つの時期に分けるとともに,それぞれの時期の人々の生活や道具についても着目させる。そのために,さいたま市立博物館では聞き取りや展示物の見学だけでなく,昔の道具や遊びの体験を行い,学習問題をつくるようにした。また,それぞれの時期を調べる際には,地図や写真を前の時期と見比べたり,絵グラフなどで示したりしながら,情報を的確に読み取るようにした。 これからの市の発展について考えることができるように,新たな学習問題をもとに学習する時間を2時間設定した。まず,市の現在の様子を学習する際には,市役所などが作成している大人向けの資料を分かりやすく整理して提示したり,市役所で働いている人から直接説明してもらったり,人口減少や少子高齢化,外国人居住者の増加などに触れたりしながら調べていく。そこで,自分たちが住むまちの今や未来には課題があることや,すでに様々な取組をしていることを知る。その際,市役所の働きには租税が重要な役割を果たしていることにも触れていく。 本単元で学習してきた,さいたま市の過去,現在を踏まえて,市の将来がどのようになってほしいか,そのためには市民としてどのような行動をしていけばよいか,多様な意見が交換されるように考えたり討論したりする活動を設定する。(河野)よりよい市の未来を考えるさいたま市のようすと くらしのうつりかわり 年表にまとめる際には,模造紙大の用紙に時期の区分を昭和や平成などの元号だけでなく,西暦や「今から◯年前」「お父さんやお母さんが子どもの頃」などと示し,これまで学習してきたことを年代順に整理していく。また,出来事や道具を書く短冊カードの色を変えたり,絵や写真を入れたり,表の上下を「市の出来事」と「くらしや道具」に分けたりして,出来上がった年表を見ながら学習問題について考え,グループや学級全体で話し合うようにした。初めて年表を学ぶ問題解決的な学習を展開する大単元事例社会科NAVI 2019 v ol.21 7