ブックタイトル社会科NAVI Vol.23
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社会科NAVI Vol.23
● 授業づくりの基礎・基本 授業づくりの基礎・基本は,授業の本質を学び,深めることです。 写真は,大阪府池田市立池田小学校の公開授業の1コマです。この日は自主公開にもかかわらず,全国から1000 名を越す参加者が詰めかけました。有田和正(1935 ~ 2014 年)は,池田小学校を何度か訪れています。 この日,午前中に授業を参観した有田は,午後,体育館で6 年内村学級の児童を対象に飛び込み授業をしました。テーマは「戦後67 年」です。この授業から,授業の本質に触れてみましょう。● 授業の本質を学ぶ まず,有田は「戦後67 年」と板書し,児童に音読させます。いきなり「戦後67 年」を問うのではなく,まず「戦後」とは何という戦争の後かを問います。児童が「第二次世界大戦」と答えると「その戦争はいつ終わりましたか」と問います。児童の相談を促しながら「67 年」とは何かとたたみかけます。「第二次世界大戦が終わってから67 年」という意見が続く中で,「日本が戦争をしていない期間」「日本が兵器を使ってい●「教えたい」を「教えない」●大阪教育大学・大阪成蹊大学・武庫川女子大学非常勤講師 丹松 美代志中学校編ない期間」「日本が67 年間平和だった」という考えを引き出します。 有田が用意した1 つ目の資料は,模造紙に描いた「第二次世界大戦の中立国を示す地図」です。児童とのやり取りの中で,中立国5 か国の国名と位置を確認し,当時の60か国中55か国が参加した世界大戦の意味を明らかにします。児童は,国語辞典・地図帳・教科書・資料集をフル活用します。 続いて2 つ目の資料「戦後67年間1 度も戦争をしていない国を示した地図」を出します。「なぜ戦争をするのか」,そこから尖閣諸島・竹島・北方領土の問題に気づかせます。そして,日本国憲法第9 条の「戦争放棄」の条項と,日米安全保障条約によって戦争をしないで済んだことを導き出します。最後に,誰が憲法を守るのかと児童に問いかけ,板書を利用した振り返りで授業を閉じます。 有田実践は,何を教えたいかを明確にし,教師の用意した課題を児童・生徒がいつのまにか夢中になって追究し,教師の教えたいことを自分の言葉で表現する授業です。▲ 2012.11.3 池田小学校▲「授業」とは何か(『有田和正の授業力アップ入門 ー 授業がうまくなる 12 章』明治図書 24 ページ)達人の授業から学ぶ~有田和正の「教えたい」を「教えない」~(ねらい) これだけは何としても教えたい1. 発問・指示2. 板書3. 資料活用4. 話し合い5. 話術,表情,パフォーマンスetc6. 人間性 人間力鮮明にもつ ← 教材研究しかし,教えてはならない子どもの反応を集約・焦点化する授 業 転化技術対応の技術子ども→学びたい,追求したい,調べたい社会科NAVI 2019 v ol.23 11