ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

社会科NAVI Vol.23

ようこそ!歴史史料の世界へvol.23 本史料?は,2018 年6月世界遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の関係文書で,キリスト教禁教下の1805(文化2)年,天草(熊本県)の潜伏キリシタンが摘発された天草崩れの際に,信仰の内容を記録したものである。近年,世界遺産の登録基準は厳しくなり真実性を重視する。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は,暫定一覧表に入ってから登録されるまで11年の歳月を費やした。この世界遺産は,幕末キリスト教の禁制と潜伏キリシタンの信仰●京都府立大学歴史学科准教授 東 昇潜伏キリシタンと世界遺産 家頭平作伯父 異名ミギリス     七兵衛事大三郎| 母より伝是は?津村七郎左衛門妹にて御座候につき,私幼稚の時,同所にて十文字判を受申さず候や,十九年以前に母相果候ゆえ,伝来相分り申さず候唱 ミギリスガ丸ヤ様ニ拝ミ上ケマスル,アンメンゼンス/\(現代語訳)私大三郎は,異名(洗礼名)をミギリスといい,母より信仰を伝えられました。母は?津村の七郎左衛門の妹で,小さい時に?津にて十文字判(洗礼)を受けたのかどうか,19 年前に母が亡くなったので詳しくは分かりません。唱え言は,ミギリスの丸ヤ(マリヤ)様に拝み上げます,アーメン・ゼウス。▲? ?文化二年六月「宗しゅう門もん心こころ得え違ちがい調しらべ方かた口こう上じょう書がき帳ちょう」 ( 個人所蔵,天草ロザリオ館寄託・著者撮影)16 社会科NAVI 2019 v ol.23