ブックタイトル社会科NAVI Vol.23
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社会科NAVI Vol.23
▲ タロッコ輪切り▲ モロ輪切り ブラッドオレンジの品種を導入するにあたり,当初はタロッコがよいのか,モロがよいのか,当時検討する中でとても悩みました。一長一短があったからです。その結果,大玉でそのままでも食べやすいタロッコを栽培していこうと決まりました。そのような中,木々によっては系統があまりよくない将来に向けて 一つは栽培体系の確立です。課題は減ってきていますが,2月にモロという品種が出て,3月末に果樹試験場の先生( 研究員) らが中心となって,研究に次ぐ研究を重ねた結果,栽培および出荷に適したものであると判断がなされました。各産地でつくってはどうかという提案から,試験的に栽培をしてみたところ,出荷に適した状態にまで育ちました。加えてイタリア料理を食べるときにはブラッドオレンジが最もよく合い,ジュースにして飲むとオシャレ感が演出されると先生らは太鼓判を押しました。そういった意味でも消費が伸びるのではないかという期待が高まり,かつ,オレンジ色とはまた違う色の果物が増えてくるのはよいことであり栽培量も増えていきました。もの( 果汁が無かったり,果実がカチカチに硬かったりする系統)が出てきたため,それらを伐採し,植え直しをしたことがあり,苦労の記憶が蘇ります。 栽培が広がるにつれて,販売量も増えてきました。しかし,日本人はあの赤身がなかなか馴染めないようです。切って輪切りにしただけでは真っ赤なので,消費者に浸透していくまでには年月が必要でした。宣伝して試食をしてもらうと,「おいしいね」と言ってくれるのですが,切ったまま店に陳列していてもまったく見向きもされないのです。そんな販売の苦労は今でも続いています。それを解消していくには消費者にブラッドオレンジのおいしさをアピールするしかないので,店頭の試食宣伝を積極的に行っています。現在の主な市場は,首都圏が中心となっています。一部大阪にも販路を広げています。3月から5月に店の店頭に並ぶので,是非,味わってみてください。陽光な南イタリアの景色が想像できるかもしれません。新しいものを栽培するには,苦労がつきもの!●問い合わせ先JAえひめ南 みかん指導販売部 〒798-0031 愛媛県宇和島市栄町港3丁目 303番地 TEL:0895-22-8118 FAX:0895-22-8228 E-mail:m-shidou@ja-eminami.or.jp*かいよう病…菌により病班が果実,葉,枝など に発生し,気温が28度前後に最も繁殖し,強 い風雨により被害が広がり,枝枯れなどを招 く恐れがある柑橘類の病気。タロッコが出ます。次年度の果実となる,みかんの花が咲くのが5月10 日ぐらいです。特にタロッコは収穫が終わってから花が咲くまでの期間がとても短くて,虫の防除や剪定などの準備に追われます。労力を集中しなければならず,そこをどうスムーズにしていくのかが今後の課題です。 他の例を見ると,ポンカンであれば1月下旬に収穫が終わり,虫の防除をして1か月後にかいよう病*の防除をやったり剪定をしたりするという期間が描けるのですが,タロッコなどはポンカンで3か月かかる作業をわずか1か月でしなければならないということです。 二つ目は,柑橘類は一般的に年内に収穫を迎える品種が多いので,年明けにできる品種を増やすことによって栽培体系,収穫労力の分散ができて,収入もコンスタントに得られることになります。それが結果的に,最終的な目標である農家の所得向上や栽培上のリスク分散につながっていくと考えています。 いずれにしましても,是非一度,ブラッドオレンジをご賞味あれ!※品種更新には「苗木更新(改植)」と「接ぎ木更新」がある。 一般的には苗木更新が主体であるが,モロはH23年前に接ぎ木更新している 園地があるため,平成23年産にも生産量がある。H31 年産モロ苗木扱い開始271栽培者数面積(a)荷受数量(t)1950H27 年産264 1977H23 年産239 1635H17 年産13 150タロッコJA えひめ南管内ブラッドオレンジ栽培状況の推移モ ロ218.9215.883.7138栽培者数面積(a)荷受数量(t)1286109 61453 237114.435.84.1タロッコ苗木扱い開始社会科NAVI 2019 v ol.23 21