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概要

社会科NAVI Vol.24

● 21世紀に求められる学び 前号では「達人の授業から学ぶ」という視点から,有田和正を取り上げ,そこから,授業の本質とは何かを追究しました。今回は,有田実践を土台にして,それを21 世紀型の協同的学びに発展させることにチャレンジしたいと思います。 欧米諸国では,教育学の中で「学習科学」という概念が広がっています。 同書第2巻の原著前書きには,次のように記されています。 学習科学は,学び手が経験や活動を通して学ぶ,学び手中心の学びを提起しています。● 子どもを追究の鬼にする有田実践 有田は,右上のような18 の学習技能を子どもに身につけさせることで,子どもを「追究の鬼」に育てました。●協同的学びで創る「戦後67年」●大阪教育大学・大阪成蹊大学・武庫川女子大学非常勤講師 丹松 美代志中学校編 前号で紹介した有田実践を協同的学びで再構成すると次のようになります。1.導入 : コの字隊型で,戦後67年の「戦後」とは 何かを明らかにする。2.共有の課題 : 4 人グループで,なぜ世界大戦と呼ぶ かを明らかにする。当時の中立5か国を示したワー クシートの1に取り組ませる。地図は黒板にも貼る。3.ジャンプ課題① : 4 人グループで「戦後67年」と は何かを追求させる。第2 次大戦後の非戦闘国を示 したワークシートの2に取り組ませ,黒板にも貼る。 4.全体で共有 : コの字隊型でジャンプ課題①につい ての個人の意見を発表する。5.ジャンプ課題② : 4 人グループで我が国が,戦後 67年間,平和であった理由を探求させる。領土問 題にも着目させる。6.全体で共有 : コの字隊型でジャンプ課題②につい ての個人の意見を発表する。7.個人の振り返り : 各自で,何を学んだか記述する。 有田実践の優れた点を生かしながら,子どもたちを今日求められている主体的・対話的で深い学びに誘いたいと考えます。▲「 学習科学ハンドブック」(北大路書房)▲ 有田の子どもに身につけさせたい18 の学習技能(有田和正 2007)達人の授業を発展させて協同的学びの授業を創るこの本は,人がいかに学ぶかについて科学者が何を発見したかを知りたいと思う全ての人のためにある。このハンドブックは教育や学校を再生させるための強力なアプローチについて読者に紹介するためのものである。そのアプローチは,人々がより深くそして効果的に学ぶことを支援するという学習科学に基づいている。-話す・発言技能 (口頭表現)-文章表現-視覚化表現  イラスト  写真・絵画  マンガ・TP  など 身体表現「もの」を使って調べる技能(8)2辞典  3事典  4教科書5地図帳 6資料集 7参考書8コンピュータ  9新聞・雑誌10 おたずね  11 聞き方12 見学    13 観察14 実験直接体験しながら調べる技能(5)「はてな?」発見の技能17話し合う技能(広める・深める)16考える技能(自分の考えを持つ)15書く(記録・メモ)技能↑興味・関心・意欲↑知的好奇心調べる技能表 現 技 能↑興味・関心・意欲↑知的好奇心1(13)18社会科NAVI 2020 v ol.24 11