ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

社会科NAVI Vol.24

環境教育最前線(プラスチック汚染)学びに向かう力・人間性の涵養思考力・判断力・表現力の育成知識・技能の習得何ができるようになるのかどのように何を学ぶか 学ぶか学びに向かう力・人間性の涵養思考力・判断力・表現力の育成知識・技能の習得何ができるようになるのかどのように何を学ぶか 学ぶか( 1)資質・能力の育成と三観点 2017(平成29)年,新しい学習指導要領が示された。そこでは,知識基盤社会やグローバル社会という21世紀の新しい社会で生きる力となる資質・能力を育成することが求められた。 そのために,教育全体を通じて,学びに向かう力・人間性を涵養し,それに必要な,知識・技能を習得し,思考力・判断力・表現力等を育成することという資質・能力が示され,上の目標達成構造が提示された。これで,これまでの関心・意欲・態度,思考力・判断力・表現力,技能,知識・理解の4観点から,これら3つが新たな評価の観点になった。( 2)三観点が目指すものとは何か 3つの観点は知識・技能,思考・判断・表現,学びに向かう力と略されることもあるが,それらの内容は,次のような問いとしても示されている。それぞれの観点が目指すものが問いとして提示されたのである。 特に学びに向かう力は,何ができるようになるかとして,主体的に学習に取り組む態度,感性や思いやりという複合したものである。これらはどの単元,どの授業時間でもすべて評価できるものではない。特に,感性やおもいやりなどは,学期や学年の長期の見取りが必要であり,また主体的に学習に取り組む態度は子どもたちの性格や行動よりも,意思の側面を評価する。そ1新学習指導要領とその学習評価2学習評価の役割とそのポイント小学校社会科における学習評価改善のポイント●日本体育大学教授 池野 範男 カリキュラム・マネジメントにおける計画に従れも観点別評価として評価で      きる部分と,個人内評価として進めるところがある。一人ひとりの良い点,進歩を記録しその成長を評価する。 今回の改訂で,社会科は社会との関わり方が目標に示されるようになった。 例えば,4年の飲料水や廃棄物などの単元でも,どのように水が作り出されているのか,あるいはごみが集められ処理されているのかとともに,私たちはどうすればよいか,どうすれば協力できるのかを学習では取り上げられる。前者の問いは仕組みや役割を取り上げるが,後者の問いは人々,特に私や私たちのその水やごみとの関わり方,それも安全で安心な協力関係の在り方を探求する。さらに,この協力関係の作り出しを思考・判断・表現では考え,判断し表現していることを,主体的に学習に取り組む態度では計画や行動などの主体性,協力性などを評価する。 思考・判断・表現は,内容を基盤にしてその内容に考えたり,判断したり,表現したりすることを,主体的に学習に取り組む態度は,その志向性を評価する。このように二分するけれども,実際には,内容と方法,思考や判断の過程とその結果のように,表裏一体のものである。形式的には分けられるが,実際には分けることができないものなのである。 それは,教育自体を,学ぶ側の学びにしたがい,各教育活動で,目標―内容―方法の3つの関連を構成し,目標を実現する構造こそが教育のねらいとするものであることを明確にした。 これらの3つの原則に基づき,教育課程を計画し組織することがカリキュラム・マネジメントの役割である。4 社会科NAVI 2020 v ol.24