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概要

社会科NAVI Vol.24

レベルⅡレベルⅠ教 材支援支援内容 方法目標学校全体学年各単元各授業内容 方法目標内容 方法目標内容 方法目標池野 範男(いけの のりお)専門分野/教育学(社会科教育),シティズンシップ教育主要著書/『社会科の新しい使命』『地域からの社会科の探究』日本文教出版「小学社会」監修者●い,その評価を進め,授業(指導)の評価と学習の評価をなし,教師の指導と子どもたちの学びの両方の改善を図る。( 1)教科としての学習評価 まずは,下記の教科の構造,目標―内容―方法の三角構造を常に働かせ,目標準拠の計画,目標達成の実現を果たす。 学校全体,学年,各単元,各授業どれも上記の目標達成構造である,教科の三角構造でもって計画し,その構造をもって評価する。 その目標を達成できたかどうか,また目標そのものが誤っていたのかどうか,あるいは内容が不十分であったのか,さらには,必要な方法を準備すべきであったのかを検討する。これらの検討こそが,教科としての学習評価を進めることである。 この評価は,目標に準拠したものとして,また,一人ひとりの子どもの学習の達成を評価する。( 2)子どもの学びとしての学習評価 子どもの学びもまた,目標準拠で評価するとともに,一人ひとりの子どもたちの学びの評価も進める。それは,次の3つの原則で行われる。●観点別評価で進める。●クラス全体の評価とともに,一人ひとりの子ど もに即して進める。●各部分で,どのような学びで,どのような段階 で学ぶのかを見取る。 例えば,4年の廃棄物,ごみの単元における,知識・技能,思考力・判断力・表現力は次のようなものであろう。評価規準の例●処理の仕組みや再利用,県内外の人々の協力 などについて, 見学・調査したり, 地図な どの資料で調べたりして,必要な情報を集め, 読み取り,廃棄物の処理のための事業の様子を 理解している。●処理の仕組みや再利用,県内外の人々の協力 などに着目して,問いを見いだし,廃棄物の処 理のための事業の様子について考え,表現して いる。 この単元で,中心発問を作り出す,第一時間目では,発言やノート記述から,「処理の仕組みや再利用などに着目して,問いを見いだすことができているかどうか」を評価する。 この評価はできたかどうかだけではなく,どの程度できたのかも行う。そこには,Aさん,Bさん,一人ひとりが学びの状況を判断し,何ができ,何が不足しているのかを教師は評価する。 これが,学びの学習評価であり,一人ひとりの子どもたちの学びが一歩でも進み,高みに昇ることができているのかを評価する。 Aさんは,教材の理解が不十分だったのか,発問への活動が十分でなかったのか,あるいは,発問そのものが理解できなかったのか,何が足らなかったのかをノート,あるいは,発言,行動などを通して確認する。 そして,どうすれば,AさんがレベルⅠからⅡへ到達することができるのか。例えば,隣りの友達に,発問を確認し,お互いの答えを話し合わせる。また,何も答えを見つけることができないときには,隣りの子の答えを見て考える,あるいは,答えを写す。このように,学びのそれぞれの一歩と,少し高いところへ至るように教師が子どもを見取り,支援するのである。社会科NAVI 2020 v ol.24 5