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概要

社会科NAVI Vol.24

 本単元では先人の業績がもつ社会的な意味を考え,理解できるようにすることが究極のねらいです。 栗原実践では玉川兄弟の上水開発が『当時の人々(社会)』にとっては「水不足に苦しむ人々の命を救った」, 『現在の私たち(社会)』にとっては「今の水道のもとになっている」という,二つの意味を考えさせていきます。ここに本実践の特色(よさ)があります。このねらいを実現するために,導入時の学区域調べなど「今と昔を比べて,つなげて追究する」手立てを工夫しています。 ここでの学びを6年の歴史学習へと発展させ,現在のくらしが先人の働きの上に成り立っているという見方を育てていくことがポイントです。児童の活動と内容指導上の留意点①本時のめあてをつかむ。教これまで調べてきた玉川上水にタイトルをつけるとすると,どんな 言葉が合うでしょう。児 これまで調べてきた玉川上水にタイトルをつけるとすると「命を救った玉川上水」という言葉が合うと思う。児 協力とか努力という言葉も入れた方がいいと思う。・玉川上水の開発について前時で学習したことを再構成する活動をイメージできるよう,思考ツールを示して活動の見通しをもたせておく。②玉川上水に付けたタイトルや 根拠となる事実を説明し合って交流する。教玉川上水に付けたタイトルとその根拠となる事実も説明して,交流し ましょう。児「人々のくらしを救った玉川上水」というタイトルがいいと思う。 わけは,水不足に悩む江戸の人々の生活を救ったから。児 私は,玉川上水の工事が今の水道のヒントにもなっていると思ったから「水道のもと玉川上水」というタイトルを考えた。・タイトルを交流する活動を通して,根拠を明らかにしながら,玉川上水の果たした役割について説明するよう促す。・交流を通して説得力のある意見を認め合う場を設ける。③玉川上水が果たした役割や先人の業績について, 現在の水道事業と比べる。教 人々が水を得るためにしてきたことについて,昔と今を比べてみましょう。児水道の作り方や使った道具は全然違う。児今も昔も,水道のおかげで健康な生活を送ることができる。・1学期に学んだ上水道事業を想起させ,私たちの生活に水は欠かせないことを確認する。④本時で分かったことと次時への見通しについて書く。教今日の学習で分かったことと次に調べることは何ですか。児昔も今も飲料水を手に入れるために,人々が工夫して水道を作り, くらしを支えている。児浄水場が整った後の玉川上水の働きを知りたい。・ 書き出しに戸惑う姿が見られたときは,「今も昔も人々は,水を手に入れるために~し,くらしを~にした。」といった文例を示す。教…教師の発問・指示・説明例児…予測される児童の発言本時の展開例本時の目標本時の評価5分5分15分20分國學院大學教授 安野 功先生からの…配分時間 昔においても,くらしに必要な水を確保するという人々の生活の向上を図るための事業は,人々の願いに応え,技術的・社会的な困難を克服しながら取り組む先人の働きによって進められたことを理解することができる。<思考力・判断力・表現力等>・玉川上水にタイトルを付け,根拠となる事実を再構 成して表現することができる。<知識・技能>・水道事業は,昔も,先人の苦心や苦労により,当時 の人々の生活を支えていたことを理解することがで きる。学習問題  水を確保する人々の働きについて,今と昔を比べて,つなげて考えよう。社会科NAVI 2020 v ol.24 7