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概要

社会科navi Vol.8

3本目の柱は(A)(B)の柱を踏まえて,筆者の「探究型」授業「江戸時代の初期と中期」を紹介している。その際大事にしたことは,あくまでも実践を想定して論じている点。もう一つは「子供が書き残した」多くの生の資料で,思考力の向上を実証している点である。2.学級レベルと子供を活かす学級経営実践にあたって最も大事なことは「わかることは,できることを意味しない」と,いうことである。「わかる」というレベルは,登山に例えると“一合目”でしかない。学級は集団ゆえに,プラスの影響力とマイナスの影響力を受ける。崩壊する学級は,マイナス要因を強く受けた結果である。以下,そのレベルを5段階に分類し,第1段階の「崩壊学級」から第5段階「学習集団学級」まで述べる。第1段階「崩壊学級」無責任,無関心,無気力,無駄口,暴言,立ち歩き,いじめ等,好き嫌いのみの行動や振る舞いがある。自分に対し甘く,他人に冷たく人間関係を巡ってトラブルが絶えない。教師の指導が入らず,欠席者も多く大きな事故も多発する学級。第2段階「無言学級」挨拶は少数で声も小さい。小さなふざけ,小さなイタズラがちょこちょこ発生し,大きな事故を起こしている。教師の話は聞けるが,ノートに書いてあることも言えない。陰口が多く,発表に対する恐怖,羞恥心が混在している学級。第3段階「発表会学級」仲良しグループ同士の挨拶はできるが,他の人との挨拶はできない。小さなふざけ,小さなイタズラがちょこちょこ発生し,大きな事故を発生させやすい。書いてあることは言えるが,他人の発表にお互い関わろうとしない。気の強い生徒のみの発表が多い学級。第4段階「応援学級」クラス全員で元気な挨拶ができ,小さなふざけ,小さなイタズラも少ない。他人の意見に対し根拠を持って賛成,付け足し等の応援ができる。しかし,反対の意見は言えない学級。第5段階「学習集団学級」クラス全員がお互いに励ます元気な挨拶ができる。小さなふざけ,小さなイタズラもほとんどない。自分の感じたこと思ったことが自由に発表でき,その意見について賛成,反対,付け足し,修正等の意見が出,より正しい意見に収斂されていく討論ができる。仲間の意見を聞く中で自らの思考を深化させ,互いの学び合いに喜びと感謝の念がある。学級のために涙と笑いと支えがあり,思いやりのある厳しさが,共に伸びようとする風土を形成している学級。学級は,このように第1段階から第5段階まで進化する。進化させるのは,教師である。ここではどうしたら「子供同士がお互いに自由な発言」をできるのか,その基本3点にしぼって述べる。1:自分の意見を伝える大切さを教える。ポイント:「自分の言葉で,みんなにわかるように説明すること」。したがって,単語や小声は『みんなに,失礼だよ』などと指導。2:聞く方は,“目で聴く”・“うなずいてやる”ことを教える。ポイント:これができるようになったら付け足しをし,拍手をする。つまり,発言者をみんなで応援しカバーし,褒め支えることである。これを繰り返す。すると,発言者に“安心・安全,自信,意欲”がわくようになる。3:1と2ができるようになったら次に,質問や違う意見の大切さを教える。すると,より良い意見が生まれ,活発な意見が交流するようになる。このような好循環から「いじめ」等が排除されるようになっていくのである。本著は,明日の子供に夢を託し泥まみれ,汗まみれになれる先生方の一助になれば幸いです。15