ブックタイトル社会科navi Vol.8
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社会科navi Vol.8
ようこそ!歴史史料の世界へ【第10回】井伊直弼と日米修好通商条約の調印京都女子大学教授母利美和図1井伊直弼画像(豪徳寺蔵)図2『公用方秘録』(改竄稿本,彦根城博物館蔵)安政5年6月19日条。左頁は用紙を替え,改竄されていることがわかる。図3「別段存寄書」(部分,彦根城博物館蔵)右から7行目に「交易之儀ハ国禁なれと,時世に古今の差あり,有あいつうそしゅうのかみいらいこなた無相通するハ天地の道也,祖宗之神ニ告て已来ハ此方よおらんだかいしょかるぱのしょうかんり商船を和蘭会所咬?? ?之商館え遣して交易すへし・・・・」と,交易は国禁であるが時世に古今の変化があり,「有無」しんくんを補い交易することは天地の道理である。神君(徳川家康)に告げ,以来は日本から進んで咬?? ?(ジャカルタ)のオランダ商館に商船を派遣して交易すべきだと記す。また後あいろから6行目では,「武備厳重ニ内を十分ニ相ととのへ勇あいなりそうらはば威を海外ニ振ふ様ニ相成候ハヽ末々居すくみニ相ならず,かえっこうこくあんたいさき内外充実,却て皇国安躰ニこれ有るべきや」「此方より先しかけおきそうらはばじぎなりんじて仕掛置候ハヽ,時宜により何時にても御制禁ニ成そうらかんえいど候はん事寛永度之如く」として,国内の武備を厳重にして,勇威を海外に示すようになれば,いつでも寛永の時のように交易を制禁することができると主張する。1.幕末の政局と井伊直弼19世紀半ば,幕府に突きつけられた開国という課題はたんに外交上の問題ではなく,当時の幕政,ひいては国家のありようを大きく揺さぶる大問題であった。井伊直弼はこの政局において大老に就任,その権限により反対意見を押さえアメリカとの条約調印に踏み切った人物として知られる。直弼は天皇の勅許を得ないまま幕府独断で条約調印を行ったため反対派の人々を安政の大獄で弾圧し,専制的政治家であるとの評価もある。しかし,条約調印は正規の評議をへて,幕府の総意として実20