「ふたつめは、『卒業というのは、次の新しい人生のスタートだ』ということです。
『夢を持って、羽ばたいて欲しい』
去年の夏のアテネオリンピックでは、日本の選手たちが大活躍をしました。
目標を持って努力した若い人たちの笑顔や涙は、私たちに感動を与えてくれました。
今も、サッカーや野球、ゴルフや卓球など若い選手が頑張っています。
スポーツだけでなく、音楽や演劇、文学界、政治や経済の世界でも若い人たちが活躍する時代になりました。
夢を持つことです。目標を持ってそのために一歩一歩、着実に努力を積み重ねることです。
目標を持たない人は、努力しません。
卒業という、新しい人生の出発点に立った皆さんは、もう一度、自分のこれからの人生の夢を、目標をしっかりと持ってください。
皆さんの輝かしい、幸せな未来を祈ります」
昨年も、一昨年も、「教育委員会・式辞」の巻紙は、広げられることもなく演台に置かれたままだった。
今年もきっと、ここに書いたようなことを、卒業生たちの顔を見ながら語りかけることになるのだろう。
「挨拶」というのは、相手の表情を見て行わないと、どうも、心がこもった気がしないからである。
それにしても、国旗や国歌をめぐってギクシャクしていた昔のことが嘘のように思われる。
竹にも節があるように、子どもたちの人生にとって卒業式が大きな節となり、強く生きる節目を築く意義ある行事となって欲しい。
著者経歴
元大阪府堺市教育長
元大阪府教育委員会理事 兼教育センター所長
元文部省教育課程審議会委員