No.43 平成19年3月 発行
学校教育の教育内容改善の方向が明らかになろうとしている。示される内容の実現は、各学校における全校的な取組み、そのための指導体制活性化にかかっていることを改めて認識することが大切である。
各学校の指導が当面する課題は多岐にわたっている。個々の教師の取組み、毎時の授業における工夫といったレベルではとても対応しきれない。そこで求められるのが、カリキュラム開発と指導体制改善を重ねてとらえる組織マネジメントの発想である。
指導改善を目指しての組織マネジメントというとき、そこで何よりも重要になるのは、目標の明確化、実効をあげ得る協働の組織確立である。全校体制の中で、いま求められる学校力、目指すべき方向を的確にとらえる。各教科等を中心とする、目標実現のための指導計画を立て、どう指導展開を工夫するかを明らかにする。そして、目標実現のための指導組織を整備し、個々の教師の取組みを目標実現に向けて統合するのである。
取組みに際しては、目指す目標について年間の展開を見通し、その実現のために段階化し、短期・中期・長期の達成を意識して具体化することが望まれる。
各学校に求められるのは、すべての教師の創意を生かした取組みに着目する、計画→実践→評価→改善を根底に置く次のような取組みである。
【全校及び各学年の課題と指導目標の明確化】
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【目標実現を目指す指導計画策定と指導組織の整備】
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【指導組織を生かした実践】
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【評価の実施(全体/個別)――成果と課題の把握】
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【評価のまとめ/改善点の明確化】
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【評価結果のフィードバック/保護者等に対する説明
での学習環境改善】
指導改善に際しては、主体的に学ぶ子どもの育成と、確かな力を育成できる授業改善に重点をおきたい。
学習指導の中心に位置するのは子どもである。効果的な指導によって子どもが主体的に学習し、学ぶ楽しさを実感しつつ習得型・探求型両面に関する学力を獲得する、そのための組織マネジメントなのである。
学習主体を重視する授業改善を考える際に見落としてはならないのは、最近の多くの子どもに認められる学びそのものに対する新鮮な意欲の衰退と、そのことに密接にかかわる学力の問題である。教科等の授業改善によって、学ぶことの面白さに気づかせる。ねらいとする力を身につけることと重ね、成就感の持てる学習活動の成立を目指す。主体的に活動し学び方を身につける。そのための授業実践の積み重ねが大切である。
また、子どもの主体的な活動を大事にし、多様な言語活動の組織を通して目標実現を目指すという点では、学習評価に際して、目標に準拠する評価を基本としつつ、学習者の要求充足に着目し、目標にとらわれない、いわゆるゴールフリーの評価について配慮することなども留意される必要がある。
各学校に求められるのは、次のような活動を可能にする授業の開発であり、これを支える指導体制の確立である。
取組みに際しては、特に次のようなことに配慮することが望まれる。