ブックタイトル令和3年度版「美術」内容解説資料

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概要

令和3年度版「美術」内容解説資料

12 13本教科書は,生徒が学習内容を理解して,育成すべき資質・能力を身に付けることができるように,主体的・対話的で深い学びのための手立てを紙面に取り入れました。また,学習の基盤となる言語能力などの資質・能力の育成にも配慮しました。主体的・対話的で深い学びの実現に向けて問題発見・解決能力の育成に配慮しましたデザインや工芸などの分野では,美術の学びの中でも特に他者意識が起点となる題材を多く設定しています。制作過程で問題を発見し,試行錯誤しながら解決する力を付けることは,プログラミング的思考にもつながります。言語能力の育成に配慮しました発想や構想の際に,感じたことや考えたことを言語化するためにアイデアスケッチなどを活用する事例を紹介しています。また,作品などを鑑賞する際には,他者との対話を通して見方・考え方を広げる活動を紹介しています。情報活用能力の育成に配慮しました表現や鑑賞の活動の中で,動画を編集する技法の説明やVR(ヴァーチャル・リアリティ)の鑑賞などの事例を紹介し,情報機器の活用を通して情報活用能力の育成を図れるようにしました。2・3下p.57「動画をつくる」1p.16-17「なぜか気になる情景」2・3下p.44-45「人が生きる社会と未来」道をデザインしよう道もさまざまなデザインがされています。住んでいる地域の道を調査したり,アイデアを話し合ったりして,安全や機能の面だけでなく,夢や希望,未来につながる道のデザインを考えてみましょう。通る人に対してどんな工夫がされているだろうか。縁石に見えるトリックアートが描かれている。ドライバーに道路を狭く感じさせ,減速を促うながす効果が期待できる。車のスピードを落とさせるためのデザイン[ 石川県]駅につながる2階の人工地盤上にケヤキが立ち並んでいる広場。自然と共生するやすらぎと憩いこいの空間となっている。さいたま新しん都と心しん「けやきひろば」[ 埼玉県]住んでいる地域の道がどのようにデザインされているか観察する。①身近にある道を観察するつくりたい道を具体的にイメージしながら,アイデアスケッチを作成する。②アイデアスケッチをつくるアイデアスケッチをもとに,道のデザインの模型を作成する。③模型を制作する制作意図やデザインで工夫したポイントなどを発表し合う。④お互いに発表する草の植え込みの前に,光が拡散するようにカラフルな反射板を施ほどこした。[反射板]クレヨン型の照明。街灯だけでは照らしきれない足元を照らす。[照明]透明な分度器型のガードレール。安全性を考慮して先が見えるようになっている。[ガードレール]手で持っている鉛筆型の街灯。ユニークなオブジェの役割も果たしている。[街灯]テーマは文房具店につながるすてきな道。さまざまな文具をモチーフにしたデザインにして,この道を通る人に明るい気分になってもらいたいと思います。驚きあふれる文具ロード[ 紙・木・加工粘ねん土ど生徒作品 ・プラスチック・毛糸・スチロール棒・発はっ泡ぽうスチロール/16×20×20cm]作者の  言葉絵の具風のペイントをあしらい,楽しいイメージにした。[歩道] 快適で暮らしやすい環境とは,どのようなものでしょうか。身近な環境の一つである道や公共広場などを例に見てみましょう。   普段何気なく歩いている道や広場は,周辺の景観も含めて美しいことが望まれます。また,通る人や使う人の立場に立った工夫があります。そして,利便性だけでなく,心地よさや安全性にも配慮が必要です。   未来の社会を見据すえ,自然との共生,心和む美しさなど総合的な視点で,これからの環境について考えてみましょう。点在するアートを結ぶ遊歩道。山道やあぜ道を利用し,環境に配慮したデザインになっている。遊歩道整備計画 2000 大地の芸術祭 越えち後ご妻つま有りアートトリエンナーレ[新潟県]CクリップLIPデザインや工芸など人が生きる社会と未来快適な道を考え,表す表現鑑賞[学びの目標]通る人の思いなどを考えて道をデザインすることに関心を持ち,意欲的に取り組む。道としての機能,通る人の心情や安全性などをもとに,形や色彩,材料,空間などの効果を考え,構想を練ったり,鑑賞したりする。形や色彩,空間や機能に着目し,道のイメージをとらえ,材料や用具の特性を生かし,見通しを持って表す。特色1 授業を考え抜いた教科書「何を学び」「何ができるようになるか」を分かりやすく整理しました生徒が主体的に学習に取り組めるように,学びの目標や学習内容をイメージできるサブタイトルを掲載し,学びが見えやすい紙面構成にしました。また,全ての題材の共通した場所に,分野と領域が一目で分かるインデックスを配置することで,機能的に使える基本設計にしました。1p.16-17「なぜか気になる情景」作者の表したいことと,構図や色の使い方に着目してみよう。 あなたは,通学路や家などの見慣れた情景の中で,なぜか気になる心ひかれるような場所や,ものに出会ったことはないでしょうか。何気ないものでも,形や色彩,全体の様子などに着目すると何かに見えてきたり,もののつぶやきが聞こえてくるようなイメージが生まれたりします。 あなたの視点で見つけた情景を,表現方法を工夫して表してみましょう。気になるところを見つけたら気になるところを校内や通学路などで見つけた時は,カメラで記録したりスケッチしたりしてみましょう。兄弟のように並んだ木の実の写真と,川の水面をとらえたスケッチ。いつもポツンとそこにあり,きれいな水を出し,光に当たって独特のさびしさと美しさを持つ,この蛇口にひかれました。作者の  言葉生徒作品[アクリル・紙/35.5×35cm]蛇じゃ口ぐち生徒作品 スロープの先[ アクリル・紙/38×54cm]スロープの先は,いつも待ち合わせをする場所で好きな時間を過ごせる所です。手前の木は庭師の方が手入れをしていて温かみを感じる形です。作者の  言葉参照P.62「遠近感を表す」セーヌ川に面した開いた窓,ヴェルノンにて[油ゆ彩さい・キャンヴァス/74×113cm] 1911ころ ジュール・シェレ美術館ニース蔵[フランス]ピエール・ボナール[フランス・1867~1947]窓越ご しの明るい風景と室内の暗さが,色や構図で印象的に表現されている。絵や彫刻などなぜか気になる情景あなたなりの視点で描えがく表現鑑賞[学びの目標]気になる場所を見つけ,その特とく徴ちょうをとらえて表すことに関心を持ち,意欲的に取り組む。身近な場所のイメージなどをもとに,形や色彩,構図などの工夫を考え,構想を練ったり鑑かん賞しょうしたりする。形や色しき彩さい,全体の様子などに着目し,そこから生じるイメージをとらえ,絵の具の使い方を工夫して表す。学びを支える資料学習に必要となる補足情報を技法・色彩・鑑賞に分類して活動に役立てるように示しています。美術科ならではの見方を育む「造形的な視点」教科目標にもある造形的な見方・考え方を捉える要素として題材の中心発問を新たに設けました。対象図版を指した具体的な問いかけにより,生徒が主体的に考えて活動に取り組み,他者との対話や学びを深めるきっかけになります。1p.16-17「なぜか気になる情景」 2・3上p.12-13「視点の冒険」 2・3下p.36-37「私の色 みんなの色」ティータイム 1983 年4月16日,ロサンゼルス[ コラージュ・写真/71×91.4cm] 1983 デイヴィッド・ホックニー[イギリス・1937~]時間と視点の異なる複数の写真をつなげて一つの画面に収め,実際には見ることのできない空間を表している。視点を変えることにより,どのように印象が変わるだろうか。こんな見方があったんだ今見ている風景でも,のぞきこんだり何かに映したりすると,奥行きや明暗などの印象が変わります。表したいことを効果的に表す構図を考えましょう。生徒作品おひなさまから見た景色[アクリル・紙/36×52.5cm]小さいころから大好きな自分のおひなさまが,もし生きていたらどんな世界が見えているのか知りたくて描きました。作者の  言葉生徒作品 電柱[ アクリル・紙/38×27cm]家の前の電柱を見上げたら,電柱が雲に突き刺さるように感じました。電柱を画面いっぱいに収め,高さや太さを強調しました。作者の  言葉 見慣れた風景でも,視点を変えて見ると新鮮な発見があります。例えば今あなたがいる場所でも,しゃがんだり,高いところに登ったりすると,印象ががらりと変わりませんか。また写真でも,角度を少しずつ変えたり,時間や視点をずらしたりして撮とったものを一つの画面に並べると,どんな世界が生まれるでしょう。 いつもとは違う見方やとらえ方で風景を見つめ直し,「今まで見えていなかった世界」を見つけてみましょう。絵や彫刻など視点の冒険新鮮な見方で風景を描く表現鑑賞[学びの目標]視点の違いによるイメージの変化を生かして表すことに関心を持ち,意欲的に取り組む。視点の違いや構図の工夫によるイメージの変化をもとに,構図などの効果を考え,構想を練ったり鑑賞したりする。見上げる,見下ろす,近づくなど,視点の位置による見え方の違いに着目し,そこから生じる印象の変化をとらえ,絵の具などの特性を生かして表す。 絵をじっくりよく見てみると,そこに描かれているさまざまなことが気になってきます。この人は何を考えているのだろう。どんな会話が交われているのだろう。自分も物語の中に入ったつも参照P.18~19「人間っておもしろい」りで想像をめぐらせながら,絵を味わい,人物の表情や視線などから作者の意図と工夫を読み取り,話し合ってみましょう。構図や色づかいは,絵の印象にどのような効果を与あたえているだろうか。絵や彫刻など鑑賞絵の中をよく見ると探して,感じて,語り合って[学びの目標]絵に描かれた世界,作者の意図と工夫などに関心を持ち,意欲的に鑑賞に取り組む。描えがかれてい人や情景,構図や色彩,作者の意図と工夫について考え,鑑かん賞しょうする。構図や色しき彩さいなどに着目し,印象などをとらえる。植物を単純化し連続模様にしたお弁当包みは,生活を豊かに彩る。自然物をあしらった生地植物の形や色彩をどのように変化させて模様にしたのだろうか。向きや並べ方で全く違ちがった印象になる。生徒作品 9ピースの連続模様工夫したところは黄色や緑などの森をイメージする色を使ったことと,曲線をなめらかに描いたことです。好きなハートマークも取り入れてみました。作者の  言葉[アクリル・ニス・木/18×18cm]参照P.68~69「自然界や身の回りにある形や色彩」 P.70~72「色彩の基本・仕組み」 通学路で見かける草花や建物など,普ふ段だん目にするものの形や色彩を「きれいだな」「面白いな」と感じたことはありますか。人が自然物などから感じ取った美しさをもとにつくってきた模様は,さまざまなものや空間を彩いろどり,私たちに楽しさや安らぎを与あたえてくれます。 身近なものを見つめ,美しさの特徴をとらえてみましょう。用いる場面や場所を考えて,形や色彩を単純化したり強調したりして構成を工夫しつくった模様で,生活を楽しく飾ってみましょう。生徒作品 自然から広げる美しい構成「中心の先は」アクリル・紙/15×15cm]渦うず潮しおをスケッチしてみると,たくさんの線が内側に向かっていました。線の先を鋭するどくして,その印象を強くしました。2種類の青色を使い中心は白色にして,あわ立ちを表現しました。作者の  言葉生徒作品アイデアスケッチ(部分)[鉛えん筆ぴつ・紙/42×29.7cm]生徒作品スタンプいろいろな長作者の[消しゴム/5×5×1cm]生徒作品 のびねこ模様のバッグ[インク・布/60×42cm]生徒作品雷かみなり模様のバッグ[インク・布/60×42cm]デザインや工芸など広がる模様の世界特とく徴ちょうをとらえて構成する表現鑑賞[学びの目標]自然物の特徴などを生かして模様をデザインすることに関心を持ち,意欲的に取り組む。身近な自然物などの特徴やイメージ,使う場面などをもとに,形や色彩の構成の工夫を考え,構想を練ったり鑑かん賞しょうしたりする。自然物や人工物などの形や色しき彩さいの特徴に着目し,美しさなどをとらえ,材料や用具の扱あつかい方を工夫して見通しを持って表す。2cm程に畳たたまれた紙を広げると現れるランプシェード。ランプ全体がハニカム構造でできている。ハニカムランプ[ 紙/高さ45×径30cm]2006 岡おか本もと光こう市いち[ 静岡県・1970~]ひとよ茸だけランプ[ ガラス/高さ83.8cm] 1904ころ 北きた澤ざわ美術館蔵[ 長野県]正確な六角形が連なる蜂の巣の形は,「ハニカム構造」と呼ばれ,美しいだけでなく衝しょう撃げきにも強い性質を持っている。[ 蜂の巣 ]デザインや工芸など自然の美しさから生まれた暮らしを豊かにする形を考える鑑賞[学びの目標]自然の造形を取り入れた形や構成の美しさなどに関心を持ち,意欲的に鑑賞に取り組む。自然の造形を取り入れたデザインのよさや美しさ,作者の意図と工夫について考え,鑑かん賞しょうする。形の規則性や連続性,構造などに着目し,美しさや特とく徴ちょう,印象などをとらえる。学びの目標三つの柱に基づいた目標は,評価の観点にも関連しています。分野を示すインデックス授業で活用しやすいように「絵や彫刻など」「デザインや工芸など」の分野を示しています。表現と鑑賞マークで領域を明確に発想や構想と鑑賞の資質・能力を総合的に働かせられるように,表現と鑑賞が相互に関連していることをマークで表しました。美術作品や美術文化に関する鑑賞領域では,鑑賞マークのみの表示となっています。 あなたは,通学路や家などの見慣れた情景の中で,なぜか気になる心ひかれるような場所や,ものに出会ったことはないでしょうか。何気ないものでも,形や色彩,全体の様子などに着目すると何かに見えてきたり,もののつぶやきが聞こえてくるようなイメージが生まれたりします。 あなたの視点で見つけた情景を,表現方法を工夫して表してみましょう。気になるところを見つけたら気になるところを校内や通学路などで見つけた時は,カメラで記録したりスケッチしたりしてみましょう。兄弟のように並んだ木の実の写真と,川の水面をとらえたスケッチ。いつもポツンとそ生徒作品[アクリル・紙/35.5×35cm]蛇じゃ口ぐち生徒作品 スロープの先[ アスロープの先は,い所で好きな時間を過は庭師の方が手入れをしていて作者の  言葉参照P.62「遠近感を表す」セーヌ川に面した開いた窓,ヴ[油ゆ彩さい・キャンヴァス/74×113cm] ジュール・シェレ美術館ニース蔵[フピエール・ボナール[フランス・1867~窓越ごしの明るい風景と室内の暗さ印象的に表現されている。絵や彫刻などなぜか気になる情景あなたなりの視点で描えがく表現鑑賞[学びの目標]気になる場所を見つけ,その特とく徴ちょうをとらえて表すことに関心を持ち,意欲的に取り組む。身近な場所のイメージなどをもとに,形や色彩,構図などの工夫を考え,構想を練ったり鑑かん賞しょうしたりする。形や色しき彩さい,全体の様子などに着目し,そこから生じるイメージをとらえ,絵の具の使い方を工夫して表す。?「学びを支える資料の詳しい内容」 は30ページをご覧ください発想や構想,鑑賞に関する目標→「思考力,判断力,表現力等」の資質・能力に対応主体的に学習に取り組むための目標→「学びに向かう力,人間性等」の資質・能力に対応知識(造形的な見方を豊かにする視点)や技能に関する目標→「知識及び技能」の資質・能力に対応