ブックタイトル令和3年度版「美術」内容解説資料
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令和3年度版「美術」内容解説資料
24 25高精細印刷の浮世絵全ての生徒に実物に近い色味と刷りを2・3上p.26-29「浮世絵はすごい」に掲載されている3作品の浮世絵は,より実物に近い図版で鑑賞活動を行っていただけるように,特色インク(※)と高精細印刷を用いて色味や細部の彫りの再現に努めました。※カラー印刷は,通常C(シアン),M( マゼンタ),Y(イエロー),K(キーカラー:黒)の4色のインクで表現されます。「神奈川沖浪裏」の色彩面での特徴である2種類の藍色を忠実に表現するため, CMYK以外にも2色の特色インクを用いました。2色の藍を鑑賞できる葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」波に使用されている2種類の藍の違いや,白波の繊細な陰影など,実物に近い色味を感じることができます。ベロ藍の輸入によって表現の幅が広がった浮世絵の文化や,色の学習にもつながります。2・3上p.28-29「浮世絵はすごい」彫りのすごさを実感する喜多川歌麿の「当時三美人」丹念に彫られた髪の毛一本一本の線まで見ることができます。2・3上p.25「浮世絵の制作工程」と併せて鑑賞することで,彫師の技のすごさを実感できるような構成にしました。2・3上p.27「浮世絵はすごい」特色2 生徒が自ら学びたくなる教科書伝統的に使用されていた,植物由来の藍。海外から輸入された顔料のベロ藍(プルシアン・ブルー)。北斎ブルーとも呼ばれ,鮮やかな発色が特徴。浮世絵は摺りを重ねるごとに版木が摩耗し,細部の表現のシャープさが薄れていきます。本教科書では,すみだ北斎美術館所蔵の初摺の作品を撮影した高精細データを使用しました。刷り上がりを入念に確認します。より実物に近い色を出すために製版職人が何度も色を調整し,すみだ北斎美術館館長の橋本光明先生と,浮世絵の研究者である内藤正人先生が色校正に関わりました。藍の調子を出すために背景の雲まで鮮明に刷られています。 インクを何度も練り直します。初摺の作品データを使用北斎ブルー再現のために江戸時代の人物画の見どころが再現されています。人物を描いた浮世絵は,髪の毛の生え際が見どころになっています。 通常は,つぶれてしまう細かな部分なのですが,本教科書では丁寧に印刷 されていて,実物をイメージするにはとてもよいでしょう。 当時の人と同じような感覚で作品を鑑賞 することができます。実物と遜色のない北斎ブルーを原寸大で,ぜひ楽しんでください。当館が所蔵している「神奈川沖浪裏」は,北斎が色味を監修した初摺の作品 です。摺り始めから2 0 0枚程度を初摺と言い,本作はその前半の特にきれいに摺られたものです。実物は1年に1度しかお見せすることができませんが,本教科書では,全く同じと言えるほどの印刷で鑑賞 していただけます。内ない藤とう正まさ人と先生(慶應義塾大学教授 国際浮世絵学会常任理事)著作者橋はし本もと光みつ明あき先生(すみだ北斎美術館館長)「神奈川沖浪裏」についての解説をご覧いただけます。「当時三美人」についての解説をご覧いただけます。