ブックタイトル令和3年度版「中学道徳 あすを生きる」内容解説資料

ページ
43/72

このページは 令和3年度版「中学道徳 あすを生きる」内容解説資料 の電子ブックに掲載されている43ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

令和3年度版「中学道徳 あすを生きる」内容解説資料

5101520▲基き礎そ研究将来の新たな技術や素材の開発につながる仮説・理論や新しい知識を得るために行われる研究。14125iPS細胞で難病を治したい山やま中なかさんはもともと、整形外げ科か医いをめざしていました。学生時代に柔じゅう道どうやラグビーに打ち込こみ、何度も骨折した経験があったからです。しかし、ほかの医師なら二十?三十分で終わる手術に二時間もかかるなど、なかなかうまくいきませんでした。また、整形外げ科かで目にした重じゅう症しょう患かん者じゃの姿も、山やま中なかさんに衝しょう撃げきを与あたえました。有効な治ち療りょ法うがなく、患かん者じゃの症しょう状じょがう悪化していく現実を前に、現代の医い療りょうの限界を感じました。そうした経験から、山やま中なかさんは、重じゅう症しょう患かん者じゃや難病を根本から治ち療りょすうるためには、基き礎そ研究をしなくてはならないと考えるようになりました。大学院に入り直して学んだあと、アメリカの研究所へ留学し、マウスを使ってEイーSエス細さい胞ぼうの研究を始めました。EイーSエス細さい胞ぼうは、iアイPピーSエス細さい胞ぼうと同じく多能性幹細さい胞ぼうの一つです。しかし、EイーSエス細さい胞ぼうは赤ちゃんとなる受じゅ精せい卵らんを壊こわして作られるという問題がありました。そのため、受じゅ精せい卵らんを使わない多能性幹細さい胞ぼうが望まれていたのです。日本に帰国後、山やま中なかさんは、アメリカと日本の研究環かん境きょのう差や、なかなか研究成果が出ないことを思い悩なやみ、もう研究をやめようかとさえ考えるようになりました。そんな中、山やま中なかさんは奈な良ら先せん端たん科学技術大学院大学で研究するチャンスをつかみました。山やま中なかさんは大学院の新入生の前で、「受じゅ精せい卵らんを使わず、ふつうの体の細さい胞ぼうから多能性幹細さい胞ぼうを作る。」と、夢のような研究テーマを語りました。そして、のちの大発見に立ち会う高たか橋はし和かず利としさんたち大学院生らとともに、挑ちょう戦せんを始めました。京きょう都と大学に研究の場を移してからも、山やま中なかさんはアメリカ時代に教えられた「Vision and Workhard(しっかりと目標をもち、懸けん命めいに努力すること)」という言葉を胸に、研究を続けました。そして、二〇〇六年にマウスの皮ひ膚ふの細さい胞ぼうを初期化して多能性幹細さい胞ぼうを作れることを報告し、これを「iアイPピーSエス細さい胞ぼう」と名づけました。さらに翌年の二〇〇七年、今度はヒトのiアイPピーSエス細さい胞ぼうを報告しました。▼●山やま中なかさんらが作ったヒトのiアイPピーSエス細さい胞ぼう51025 iPS細胞で難病を治したい14025iアイPピーSエス細さい胞ぼでう難病を治したい夢の実現「先生、生えました!」京きょう都と大学の山やま中なか伸しん弥やさんの部屋に、研究員の高たか橋はしさんが飛び込こんできました。それは、世界で初めてiアイPピーSエス細さい胞ぼう(人工多能性幹細さい胞ぼう)ができた瞬しゅん間かんでした―。二〇一二(平へい成せい二十四)年十二月、一人の日本人がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。世界で初めてiアイPピーSエス細さい胞ぼうを作り出した、山やま中なか伸しん弥やさんです。iアイPピーSエス細さい胞ぼうは、皮ひ膚ふや血液の細さい胞ぼうを人工的に「初期化」して作られた細さい胞ぼうです。目の網もう膜まくや心臓の筋肉など、体の中のさまざまな部分の細さい胞ぼうに変化させることができます。これまでは、ある役割をもった細さい胞ぼうを、ほかの役割の細さい胞ぼうに変化させたり、役割の決まっていない細さい胞ぼうに「初期化」したりすることはとても困難だと考えられていました。しかし、山やま中なかさんはそれを簡単な方法で可能にしたのです。山やま中なか伸しん弥や細さい胞ぼうの採取初期化心臓の筋肉や神経などの細さい胞ぼう移植,薬の研究など遺伝子血液の細さい胞ぼう(リンパ球)皮ひ膚ふの細さい胞ぼうiアイPピーSエス細さい胞ぼう分ぶん裂れつ・増ぞう殖しょく分化誘ゆう導どう●iアイPピーSエス細さい胞ぼうの作り方とその利用例141 140導入5分1ヒトiPS細胞について知る。発問○iPS細胞について、知っていることを出し合おう。画像映像全体○iPS細胞のもつ価値の大きさを生徒に少しでも伝えておくことで、教材への関心を高めるように工夫する。展開40分2教材「iPS細胞で難病を治したい」を読み、考える。音声発問1二度の大きな挫折を経験し、山中さんはどんな気持ちだっただろう。全体○山中さんの現在の活躍には、二度の挫折が大きく影響しているため、この挫折で何を感じたのかをまず考えさせる。発問2iPS細胞の作製に成功したのは、何がきっかけだったのだろう。全体○成功の裏に二度の挫折があり、それらを乗り越える力として、山中さんの明確な目標と努力があることを押さえる。?主題名:夢の実現?内容項目:A-(5)真理の探究、創造?ねらい:よりよく生きるために、真実を大切にし、真理を探究して新しいものを生み出そうとする実践意欲を育てる。【あらすじ】二〇一二年にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥さん。難病に苦しむ人々を思い、さらに夢の実現に向けて努力する姿を描く。25iPS細胞で難病を治したい発問1発問2準備物導入?ヒトiPS細胞の写真,参考動画「iPS細胞の作り方とその利用例」展開?朗読音声終末?コラム「私の生き方」「新しいものを生み出した先人たち」範読時間約7分12月第1週解説編pp.80~81デジタルデータ集指導者用デジタル教材朗読音声CD4トラック5板書例夢の実現iPS細胞で難病を治したい○iPS細胞について知っていること・万能細胞。・ノーベル賞。○二度の挫折を経験して・研究はやめて医者に戻ろう。・また新たな勉強を始めよう。○作製に成功したきっかけは・二度の挫折を乗り越えたこと。・目標をもって努力したこと。★夢の実現に走り続けている山中さんの原動力・まだ患者さんを治せていない。・成功=完成ではない。・新しい発見でもっとよいものを。○新しいことを生み出すときに大切なこと・誰かの力になりたいという思い。・明確な目標、ビジョンをもつこと。▲参考動画「iPS細胞の作り方とその利用例」♪朗読音声写真山やま中なか伸しん弥や写真写真写真51025 iPS細胞で難病を治したい14025iアイPピーSエス細さい胞ぼでう難病を治したい夢の実現「先生、生えました!」京きょう都と大学の山やま中なか伸しん弥やさんの部屋に、研究員の高たか橋はしさんが飛び込こんできました。それは、世界で初めてiアイPピーSエス細さい胞ぼう(人工多能性幹細さい胞ぼう)ができた瞬しゅん間かんでした―。二〇一二(平へい成せい二十四)年十二月、一人の日本人がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。世界で初めてiアイPピーSエス細さい胞ぼうを作り出した、山やま中なか伸しん弥やさんです。iアイPピーSエス細さい胞ぼうは、皮ひ膚ふや血液の細さい胞ぼうを人工的に「初期化」して作られた細さい胞ぼうです。目の網もう膜まくや心臓の筋肉など、体の中のさまざまな部分の細さい胞ぼうに変化させることができます。これまでは、ある役割をもった細さい胞ぼうを、ほかの役割の細さい胞ぼうに変化させたり、役割の決まっていない細さい胞ぼうに「初期化」したりすることはとても困難だと考えられていました。しかし、山やま中なかさんはそれを簡単な方法で可能にしたのです。山やま中なか伸しん弥や細さい胞ぼうの採取初期化心臓の筋肉や神経などの細さい胞ぼう移植,薬の研究など遺伝子血液の細さい胞ぼう(リンパ球)皮ひ膚ふの細さい胞ぼうiアイPピーSエス細さい胞ぼう分ぶん裂れつ・増ぞう殖しょく分化誘ゆう導どう●iアイPピーSエス細さい胞ぼうの作り方とその利用例イラスト参考動画「iPS細胞の作り方とその利用例」一度目の挫折二度目の挫折教科書QRコンテンツ3年実践編_072-145.indd 140-141 2020/02/28 13:08:085101520▲基き礎そ研究将来の新たな技術や素材の開発につながる仮説・理論や新しい知識を得るために行われる研究。41 25 iPS細胞で難病を治したい打ち込こみ、手術に二時ん者じゃの姿も、前に、現代研究をしなの研究所へゃんとなる幹細さい胞ぼうが望出ないことんは奈な良ら先せん幹細さい胞ぼうを作和かず利としさんたまand Workした。そし、これを告しました。●山やま中なかさんらが作ったヒトのiアイPピーSエス細さい胞ぼう25 iPS細胞で難病を治したい140山やま中なか伸しん弥や初期化心臓の筋肉や神経などの細さい胞ぼう移植,薬の研究などiアイPピーSエス細さい胞ぼう分ぶん裂れつ・増ぞう殖しょく分化誘ゆう導どう●iアイPピーSエス細さい胞ぼうの作り方とその利用例140導入5分1ヒトiPS細胞について知る。発問○iPS細胞について、知っていることを出し合おう。画像映像全体○iPS細胞のもつ価値の大きさを生徒に少しでも伝えておくことで、教材への関心を高めるように工夫する。展開40分2教材「iPS細胞で難病を治したい」を読み、考える。音声発問1二度の大きな挫折を経験し、山中さんはどんな気持ちだっただろう。全体○山中さんの現在の活躍には、二度の挫折が大きく影響しているため、この挫折で何を感じたのかをまず考えさせる。発問2iPS細胞の作製に成功したのは、何がきっかけ【あらすじ】二〇一二年にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥さん。難病に苦しむ人々を思い、さらに夢の実現に向けて努力する姿を描く。発問1発問2板書例夢の実現iPS細胞で難病を治したい○iPS細胞について知っていること・万能細胞。・ノーベル賞。○二度の挫折を経験して・研究はやめて医者に戻ろう。・また新たな勉強を始めよう。○作製に成功したきっかけは・二度の挫折を乗り越えたこと。・目標をもって努力したこと。★夢の実現に走り続けている山中さんの原動力・まだ患者さんを治せていない。・成功=完成ではない。・新しい発見でもっとよいものを。○新しいことを生み出すときに大切なこと・誰かの力になりたいという思い。・明確な目標、ビジョンをもつこと。「iPS細胞のその利用例」2020/02/28 13:08:08教科書QRコンテンツ解説編と同じく,授業の導入などで役立つコンテンツへQRコードから直接アクセスできます。「あっ」という間に準備ができる教材本文の縮刷を中央に配置し、発問など指導者用の情報と分けて掲載することで授業の流れを見やすくしています。忙しい先生方の授業準備をサポートします。授業がイメージしやすいように,カラーで掲載しています。朱書編板書例改訂ポイント36教師用指導書のご案内5101520▲基き礎そ研究将来の新たな技術や素材の開発につながる仮説・理論や新しい知識を得るために行われる研究。14125iPS細胞で難病を治したい山やま中なかさんはもともと、整形外げ科か医いをめざしていました。学生時代に柔じゅう道どうやラグビーに打ち込こみ、何度も骨折した経験があったからです。しかし、ほかの医師なら二十?三十分で終わる手術に二時間もかかるなど、なかなかうまくいきませんでした。また、整形外げ科かで目にした重じゅう症しょう患かん者じゃの姿も、山やま中なかさんに衝しょう撃げきを与あたえました。有効な治ち療りょ法うがなく、患かん者じゃの症しょう状じょがう悪化していく現実を前に、現代の医い療りょうの限界を感じました。そうした経験から、山やま中なかさんは、重じゅう症しょう患かん者じゃや難病を根本から治ち療りょすうるためには、基き礎そ研究をしなくてはならないと考えるようになりました。大学院に入り直して学んだあと、アメリカの研究所へ留学し、マウスを使ってEイーSエス細さい胞ぼうの研究を始めました。EイーSエス細さい胞ぼうは、iアイPピーSエス細さい胞ぼうと同じく多能性幹細さい胞ぼうの一つです。しかし、EイーSエス細さい胞ぼうは赤ちゃんとなる受じゅ精せい卵らんを壊こわして作られるという問題がありました。そのため、受じゅ精せい卵らんを使わない多能性幹細さい胞ぼうが望まれていたのです。日本に帰国後、山やま中なかさんは、アメリカと日本の研究環かん境きょのう差や、なかなか研究成果が出ないことを思い悩なやみ、もう研究をやめようかとさえ考えるようになりました。そんな中、山やま中なかさんは奈な良ら先せん端たん科学技術大学院大学で研究するチャンスをつかみました。山やま中なかさんは大学院の新入生の前で、「受じゅ精せい卵らんを使わず、ふつうの体の細さい胞ぼうから多能性幹細さい胞ぼうを作る。」と、夢のような研究テーマを語りました。そして、のちの大発見に立ち会う高たか橋はし和かず利としさんたち大学院生らとともに、挑ちょう戦せんを始めました。京きょう都と大学に研究の場を移してからも、山やま中なかさんはアメリカ時代に教えられた「Vision and Workhard(しっかりと目標をもち、懸けん命めいに努力すること)」という言葉を胸に、研究を続けました。そして、二〇〇六年にマウスの皮ひ膚ふの細さい胞ぼうを初期化して多能性幹細さい胞ぼうを作れることを報告し、これを「iアイPピーSエス細さい胞ぼう」と名づけました。さらに翌年の二〇〇七年、今度はヒトのiアイPピーSエス細さい胞ぼうを報告しました。▼●山やま中なかさんらが作ったヒトのiアイPピーSエス細さい胞ぼう51025 iPS細胞で難病を治したい14025iアイPピーSエス細さい胞ぼでう難病を治したい夢の実現「先生、生えました!」京きょう都と大学の山やま中なか伸しん弥やさんの部屋に、研究員の高たか橋はしさんが飛び込こんできました。それは、世界で初めてiアイPピーSエス細さい胞ぼう(人工多能性幹細さい胞ぼう)ができた瞬しゅん間かんでした―。二〇一二(平へい成せい二十四)年十二月、一人の日本人がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。世界で初めてiアイPピーSエス細さい胞ぼうを作り出した、山やま中なか伸しん弥やさんです。iアイPピーSエス細さい胞ぼうは、皮ひ膚ふや血液の細さい胞ぼうを人工的に「初期化」して作られた細さい胞ぼうです。目の網もう膜まくや心臓の筋肉など、体の中のさまざまな部分の細さい胞ぼうに変化させることができます。これまでは、ある役割をもった細さい胞ぼうを、ほかの役割の細さい胞ぼうに変化させたり、役割の決まっていない細さい胞ぼうに「初期化」したりすることはとても困難だと考えられていました。しかし、山やま中なかさんはそれを簡単な方法で可能にしたのです。山やま中なか伸しん弥や細さい胞ぼうの採取初期化心臓の筋肉や神経などの細さい胞ぼう移植,薬の研究など遺伝子血液の細さい胞ぼう(リンパ球)皮ひ膚ふの細さい胞ぼうiアイPピーSエス細さい胞ぼう分ぶん裂れつ・増ぞう殖しょく分化誘ゆう導どう●iアイPピーSエス細さい胞ぼうの作り方とその利用例141 140導入5分1ヒトiPS細胞について知る。発問○iPS細胞について、知っていることを出し合おう。画像映像全体○iPS細胞のもつ価値の大きさを生徒に少しでも伝えておくことで、教材への関心を高めるように工夫する。展開40分2教材「iPS細胞で難病を治したい」を読み、考える。音声発問1二度の大きな挫折を経験し、山中さんはどんな気持ちだっただろう。全体○山中さんの現在の活躍には、二度の挫折が大きく影響しているため、この挫折で何を感じたのかをまず考えさせる。発問2iPS細胞の作製に成功したのは、何がきっかけだったのだろう。全体○成功の裏に二度の挫折があり、それらを乗り越える力として、山中さんの明確な目標と努力があることを押さえる。?主題名:夢の実現?内容項目:A-(5)真理の探究、創造?ねらい:よりよく生きるために、真実を大切にし、真理を探究して新しいものを生み出そうとする実践意欲を育てる。【あらすじ】二〇一二年にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥さん。難病に苦しむ人々を思い、さらに夢の実現に向けて努力する姿を描く。25iPS細胞で難病を治したい発問1発問2準備物導入?ヒトiPS細胞の写真,参考動画「iPS細胞の作り方とその利用例」展開?朗読音声終末?コラム「私の生き方」「新しいものを生み出した先人たち」範読時間約7分12月第1週解説編pp.80~81デジタルデータ集指導者用デジタル教材朗読音声CD4トラック5板書例夢の実現iPS細胞で難病を治したい○iPS細胞について知っていること・万能細胞。・ノーベル賞。○二度の挫折を経験して・研究はやめて医者に戻ろう。・また新たな勉強を始めよう。○作製に成功したきっかけは・二度の挫折を乗り越えたこと。・目標をもって努力したこと。★夢の実現に走り続けている山中さんの原動力・まだ患者さんを治せていない。・成功=完成ではない。・新しい発見でもっとよいものを。○新しいことを生み出すときに大切なこと・誰かの力になりたいという思い。・明確な目標、ビジョンをもつこと。▲参考動画「iPS細胞の作り方とその利用例」♪朗読音声写真山やま中なか伸しん弥や写真写真写真51025 iPS細胞で難病を治したい14025iアイPピーSエス細さい胞ぼでう難病を治したい夢の実現「先生、生えました!」京きょう都と大学の山やま中なか伸しん弥やさんの部屋に、研究員の高たか橋はしさんが飛び込こんできました。それは、世界で初めてiアイPピーSエス細さい胞ぼう(人工多能性幹細さい胞ぼう)ができた瞬しゅん間かんでした―。二〇一二(平へい成せい二十四)年十二月、一人の日本人がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。世界で初めてiアイPピーSエス細さい胞ぼうを作り出した、山やま中なか伸しん弥やさんです。iアイPピーSエス細さい胞ぼうは、皮ひ膚ふや血液の細さい胞ぼうを人工的に「初期化」して作られた細さい胞ぼうです。目の網もう膜まくや心臓の筋肉など、体の中のさまざまな部分の細さい胞ぼうに変化させることができます。これまでは、ある役割をもった細さい胞ぼうを、ほかの役割の細さい胞ぼうに変化させたり、役割の決まっていない細さい胞ぼうに「初期化」したりすることはとても困難だと考えられていました。しかし、山やま中なかさんはそれを簡単な方法で可能にしたのです。山やま中なか伸しん弥や細さい胞ぼうの採取初期化心臓の筋肉や神経などの細さい胞ぼう移植,薬の研究など遺伝子血液の細さい胞ぼう(リンパ球)皮ひ膚ふの細さい胞ぼうiアイPピーSエス細さい胞ぼう分ぶん裂れつ・増ぞう殖しょく分化誘ゆう導どう●iアイPピーSエス細さい胞ぼうの作り方とその利用例イラスト参考動画「iPS細胞の作り方とその利用例」一度目の挫折二度目の挫折教科書QRコンテンツ3年実践編_072-145.indd 140-141 2020/02/28 13:08:08教材の流れに沿って必要な情報を掲載し,どこで発問をすればよいか把握しやすいようにしています。発問に関わる重要なポイントをわかりやすく示して,端的に解説しています。教材分析教師用指導書セットに付属している各データを一覧で示し,授業準備がしやすいようにしています。教師用指導書セット付属データ発問・指導上の留意点37