ブックタイトル令和3年度版「中学社会 歴史的分野」内容解説資料

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概要

令和3年度版「中学社会 歴史的分野」内容解説資料

テーマ別さくいん「歴史との対話」を未来に活かす「歴史との対話」を未来に活かす 私たちは,第6 編「現代の日本と世界」の学習で,解決が求められるさまざまな課題があることを学びました。それらを解決するためには,どのように考えていけばよいのでしょうか。 歴史の学習では,できごとがなぜ起こったのか,それらが何と関連し,またどのような結果をもたらしたのかという,因果関係を大切に学んできました。 それぞれの課題を正しくとらえるには,その成り立ちや変へん遷せんを知ることが必要です。また,それらの課題解決に向けた先人たちの営みや知ち恵え を学ぶことも大切なことです。 現代の諸しょ課題について,その歴史をふり返り,先人たちの知恵に学びながら,よりよい未来をつくる第一歩を考えていきましょう。政治国家の形成ヤマト王権の統一 32律令国家の確立聖徳太子と蘇我氏の政治 40大化の改新 42大宝律令 43天皇や貴族の政治律令制度の立て直し 52摂関政治 54院政 70建武の新政 88南北朝の対立と合一 88,89武家政治武士のおこり 68武士の台頭 71平氏政権 71鎌倉幕府 72執権政治 73室町幕府 89江戸幕府 126幕府政治の改革 146,147,173武家政治の終わり 177近代国家の形成明治維新 180,181廃藩置県 181地租改正 184立憲制国家の成立・民主政治(日本)自由民権運動 194,195,196,197政党 197,200,205,212,230,232,243,245,268,273,288内閣制度 198,199大日本帝国憲法 198,199帝国議会 199,200護憲運動 230,231民本主義 230政党内閣 230,243普通選挙法(制) 231日本国憲法 266男女普通選挙 264,266女性の政治参加  31,40,73,233,266,267立憲制国家の成立・民主政治(世界)ギリシャ・ローマの民主政(民主政治)・ 共和政 24,25市民革命 166,167啓蒙思想 165議会政治の成立 164,165憲法・法(日本)  40,43,47,73,84,95,97,117,119,127,136,137,146,147,172,180,181,184,196,198,199,201,212,231,233,245,266,267,279,291憲法・法(世界)  20,24,38,165,166,167,190,209,231経済・社会狩りや採集の生活 28,29,30農業稲作の広まり 30,31古墳時代の農業 33奈良時代の農業 47鎌倉時代の農業 76,77室町時代の農業 95江戸時代の農業 134,138,148,154工業室町時代の工業 94問屋制家内工業 148工場制手工業 148鉱業戦国時代の鉱業 121江戸時代の鉱業 138,139明治時代の鉱業 210,211商業奈良時代の市 44鎌倉時代の商業 77室町時代の商業 94安土桃山時代の商業 117江戸時代の商業 134,135,141貨幣奈良時代の貨幣 47宋銭の使用 77,94明銭の使用 90,94江戸時代の貨幣 126,141,146,175明治時代の貨幣 182土地公地公民(班田制) 42,47,52,54,86荘園 47,70,86,87荘園公領制 86,87太閤検地 118,119地租改正 184農地改革 267租税 47,52,77,94,119,134,164,166,184土地制度の移り変わり 310交通奈良時代の交通 47,48,49鎌倉時代の交通 76,77室町時代の交通 94,95江戸時代の交通 140,141明治時代の交通 182,188,210,211大正時代の交通 235,237昭和時代の交通 279産業革命と資本主義殖産興業 182,185日本の産業革命 210,211財閥 211,227,267,278公害の発生 213高度経済成長 278技術革新 278四大公害 279バブル経済 282,288身分古代まで 31,32,44,47,54中世 96,97,119近世 119,127,134,135,147,180,181近代 181,194女性の地位・権利  77,90,135,201,212,233,267,281ききん・災害・疫病古代まで 47,300,301中世 79,300,301近世 146,147,149,172,300,301近代 240,300,301現代 289,291,300,301文化芸術詩歌 50,56,79,93,101,142,143,153,213物語・小説 56,79,101,143,153,213,236日記・随筆 56,79絵画 19,55,98,99,113,122,143,152,153,214,239演劇 25,100,101,122,123,142,143,234 次のページから,現代社会の課題の例として,災害・政治参加・世界平和について考えていきます。その他の課題について考えていってもかまいません。選んだ課題に関する歴史をふり返るとき,下のテーマ別さくいんのほか,P.311~317の人名・事項のさくいんを活用しましょう。 芸道 100,101,122音楽 93,122,236,269,284映画 235,236,269,284,285建築 21,23,25,41,45,46,48,49,53,55,64,65,69,71,78,91,98,99,112,117,122,123,188,278信仰・宗教古代まで 23,26,27,29,30,33,41,49,51,53,57中世 81,96,97,99,101,112近世 113,114,116,117,119,128,129,153,177近代 180,188,245現代 265,287学問・教育古代まで 23中世 91,100近世 144,145,147,150,151,165近代 186,187,199,214,236,250,251現代 266,267,279女性の文化における活躍  51,135,191外交交流  25,31,33,40,48,49,53,55,112,113,114,116,130,131貿易  23,71,90,93,120,128,129,130,132,133,162,175戦争・平和  33,42,43,83,84,121,170,171,176,177,191,204~208,224~229,242~253,264,265,270~273,274~277,286,287,290,291中国との関係稲作・金属器の伝来 30卑弥呼の使い 31倭の五王の使い 33遣隋使・遣唐使 40,49,55日宋貿易 71元の襲来 83~85倭寇 90,120勘合貿易 90鎖国下の貿易 129日清修好条規 191日清戦争 204二十一か条の要求 226満州事変 242日中戦争 244日中平和友好条約 277現在の課題 293朝鮮との関係稲作・金属器の伝来 30渡来人の活躍 33,41朝鮮半島との貿易 90,91,130朝鮮侵略 121朝鮮との国交回復 130朝鮮通信使 130,131日朝修好条規 191征韓論 194韓国併合 208日韓基本条約 277現在の課題 277,292その他のアジアとの関係アイヌ民族との交易 91,132,133琉球王国との貿易 91,93,130,131朱印船貿易 128欧米諸国との関係ヨーロッパ人の来航 116南蛮貿易 116,120鎖国・開国 129,174,175異国船打払令 172日米和親条約 174日米修好通商条約 175条約改正 190,202,203日英同盟 206,229日露戦争 207第一次世界大戦 224,226ベルサイユ条約 228日独伊三国同盟 247日米安全保障条約 273全世界との関係国際連盟への加盟 228国際連盟の脱退 243第二次世界大戦 246,249太平洋戦争 248~253サンフランシスコ平和条約 273国際連合への加盟 273主要国首脳会議への参加 287「テーマ別さくいん」の活用について298 299課題例 1 災害の歴史に学ぶ「歴史との対話」を未来に活かす日本列島で起きた災害干かん害がい対策防火対策地震津つ波なみ対策と災害の記き憶おくの継けい承しょう被ひ災民対策洪こう水ずい対策資料1ききん対たい策さく資料2資料3 資料6資料4 資料7資料5 過去に日本列島で起きた災害を正確に把は握あくすることはたいへん困こん難なんなことですが,死者が1000人をこえる大規き模ぼ災害の発生回数を読み取り,過去の災害のおおまかな傾けい向こうを見てみましょう。18世紀の享きょう保ほうのききんで,人々がうえに苦しむのを見た青あお木き昆こん陽ようは,『蕃ばん薯しょ考こう』を書き,琉りゅう球きゅうから薩さつ摩まに伝わっていたさつまいもに着目して普ふ及きゅうを訴うったえました。 江え戸ど幕ばく府ふの8代将しょう軍ぐん徳とく川がわ吉よし宗むねが,この本と種たね芋いもを諸しょ国こくに配ると,やせた土地でも育つさつまいの栽培が広がりました。大おお阪さか狭さ山やま市の狭山池は,1400年前の飛あすか鳥時代につくられました。以後,行ぎょう基きや朝ちょう廷ていが貯水量を増やす工事を重ね,周辺の農地の水不足を解消し農業を支えてきました。江戸時代,江戸の大半を焼失させる大火が,10回以上も発生しました。木造家屋が密みっ集しゅうして建ちならぶ都市では,火災は,最も身近でおそろしい災害でした。 1718年,それまで中心であった武士の消防組織に加え,町人の消防隊である町火消が設置されました。費用は町人が負ふ担たんし,江戸全体で約1万人いたと伝えられています。岩いわ手て県宮みや古こ市の姉あね吉よしに「高き住居は児じ孫そんの和楽 想へ( え)惨さん禍かの大津つ浪なみ 此こ処こより下に家を建てるな」と刻きざんだ石碑があります。この石碑は,1933(昭和8)年の昭しょう和わ三さん陸りく地震津波の後,海かい抜ばつ50mのところに建てられました。姉吉地区は,このときの津波と,1896(明治29)年の二度にわたって地震と津波におそわれ,生せい存ぞんした住民がそれぞれ4人と2人という壊かい滅めつ的な被害を受けていました。石碑を建てて以い降こう,石碑より低い場所に住む人はなく,東日本大震災のときも海抜40.5mのところまで津波が押おしよせましたが,民家はこの石碑より高いところにあり,住民は無事でした。 こうした石碑は,全国各地に建てられています。過去の災害の記録と記憶をとどめ,未来に向けた防災の糧かてとすべく,データベース化して広く公開する取り組みも進んでいます。江戸時代,幕府をはじめ寺社や個人によって建てられ,被災民を収しゅう容ようして食料をあたえました。自分の力で領国を治めた戦国大名は,領民の生活を守るとともに,安定した年ねん貢ぐの確保をめざして,農業などを盛さかんにし,治水事業に力をそそぎました。青木昆陽『甘かん藷しょ記き』(国立国会図書館蔵) 『蕃薯考』を庶しょ民みん向けにわかりやすく書いたのが『甘藷記』です。天てん保ぽうのききんで蘭らん学がく者の渡わた辺なべ崋か山ざんらが京きょう都とに設置した救すくい小ご屋や(荒こう歳さい流りゅう民みん救きゅう恤じゅつ図ず  東京都 国立国会図書館蔵)町火消(東とう京きょう都江戸東京博物館蔵)岩手県姉吉の大津浪記念碑信しん玄げん堤つつみ(山やま梨なし県甲か斐い市) 甲か斐いの国くに(山梨県)を治めた戦国大名の武たけ田だ信玄が,16世紀なかばに築いた堤防で,今に残されています。死者1000人以上(推すい定てい)の大規き模ぼ災害(河かわ田た 惠よし昭あき作成資料,2018年現在)かんがい設備国立民族学博物館のウェブサイト「津波の記憶を刻む文化遺産-寺社・石碑データベース」学習 課題災害に強い社会の実現をめざし,防災・減災に関するそなえを過去から学びましょう。ステップ1 日本列島では,いつ,どのような災害が起こっていたのでしょうか。資料1 から,どの時代にどのような災害が多かったのか読み取りましょう。ステップ2 先人たちは災害にどのように向き合い,生きぬいてきたのでしょうか。資料2?7 のほか,テーマ別さくいん「ききん・災害・疫えき病びょう」( P.299)も活用して,どのような人々がどのように対たい処しょしてきたのか,整理しましょう。また,身近な地ち域いきに似たような事例がないか,調べましょう。ステップ3資料2?7 にある先人たちの取り組みが現代に引きつがれていないか,考えてみましょう。先人の取り組みをふまえ,現代も継けい承しょう・発はっ展てんすべきことは何でしょうか。自分の考えをまとめましょう。公民的分野の学習に向けて現在の国や地方公共団体の災害に対する取り組みを学びましょう。政治単元環かん境きょう問題や自然災害に対する国際協力の重要性が高まるなか,日本の国際社会への貢こう献けんや果たしている役やく割わりを学びましょう。国際単元救小屋治水事業さつまいもの栽さい培ばい地震津波碑ひ町まち火び消けし 2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震しん災さいの発生以い降こう,過去の災害について学ぼうとする取り組みが,広く行われるようになりました。 文字による記録だけでなく,遺い跡せきの発はっ掘くつ調査などの成果を組み合わせて,過去の災害の被ひ害がいの実態や復興の過程を明らかにしようとする研究が進んでいます。今後のそなえを検けん討とうしていく際の大切な情報の一つに位置づけているのです。東日本大震災発生回数火山噴火つなみ津波じしん   地震たかしお高潮こうずい洪水600年1000年1400年1800年1900年1950年2000年32220合計99回古代中世近世近代現代3024ふんか300 301 歴史の学習の最後に,学んできたことをふまえてよりよい未来を構想する学習「『歴史との対話』を未来に活かす」を設けました。P.298-299には,現代の諸課題の歴史を調べる学習に活用できるテーマ別さくいんを設け,P.300-305にかけては,現代社会の課題として,災害・政治参加・世界平和の三つの例を提示しました。基本方針3学びを日々の生活や社会に活かす↑P.298-299課題例 1 災害の歴史に学ぶ「歴史との対話」を未来に活かす日本列島で起きた災害干かん害がい対策被ひ災民対策洪こう水ずい対策資料1ききん対たい策さく資料2資料3 資料4 資料5 過去に日本列島で起きた災害を正確に把は握あくすることはたいへん困こん難なんなことですが,死者が1000人をこえる大規き模ぼ災害の発生回数を読み取り,過去の災害のおおまかな傾けい向こうを見てみましょう。18世紀の享きょう保ほうのききんで,人々がうえに苦しむのを見た青あお木き昆こん陽ようは,『蕃ばん薯しょ考こう』を書き,琉りゅう球きゅうから薩さつ摩まに伝わっていたさつまいもに着目して普ふ及きゅうを訴うったえました。 江え戸ど幕ばく府ふの8代将しょう軍ぐん徳とく川がわ吉よし宗むねが,この本と種たね芋いもを諸しょ国こくに配ると,やせた土地でも育つさつまいの栽培が広がりました。大おお阪さか狭代につくられました。を重ね,周辺の農地の江戸時代,られ,被災民を収しゅう容ようし自分の力活を守るとともに,安どを盛さかんにし,治水事青木昆陽『甘かん藷しょ記き』(国立国会図書館蔵) 『蕃薯考』を庶しょ民みん向けにわかりやすく書いたのが『甘藷記』です。天てん保ぽうのききんで蘭らん学がく者(荒こう歳さい流りゅう民みん救きゅう恤じゅつ図ず  東京都 信しん玄げん堤つつみ(山やま梨なし県甲か斐い市田だ信玄が,16世紀なかば死者1000人以上(推すい定てい)の大規き模ぼ災害(河かわ田た 惠よし昭あき作成資料,2018年現在)かんがい設備学習 課題災害に強い社会の実現をめざし,防災・減災に関するそなえを過去から学びましょう。ステップ1 日本列島では,いつ,どのような災害が起こっていたのでしょうか。資料1 から,どの時代にどのような災害が多かったのか読み取りましょう。ステップ2 先人たちは災害にどのように向き合い,生きぬいてきたのでしょうか。資料2?7 のほか,テーマ別さくいん「ききん・災害・疫えき病びょう」( P.299)も活用して,どのような人々がどのように対たい処しょしてきたのか,整理しましょう。また,身近な地ち域いきに似たような事例がないか,調べましょう。ステップ3資料2?7 にある先人たちの取り組みが現代に引きつがれていないか,考えてみましょう。先人の取り組みをふまえ,現代も継けい承しょう・発はっ展てんすべきことは何でしょうか。自分の考えをまとめましょう。公民的分野の学習に向けて現在の国や地方公共団体の災害に対する取り組みを学びましょう。政治単元環かん境きょう問題や自然災害に対する国際協力の重要性が高まるなか,日本の国際社会への貢こう献けんや果たしている役やく割わりを学びましょう。国際単元救小屋治水事業さつまいもの栽さい培ばい 2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震しん災さいの発生以い降こう,過去の災害について学ぼうとする取り組みが,広く行われるようになりました。 文字による記録だけでなく,遺い跡せきの発はっ掘くつ調査などの成果を組み合わせて,過去の災害の被ひ害がいの実態や復興の過程を明らかにしようとする研究が進んでいます。今後のそなえを検けん討とうしていく際の大切な情報の一つに位置づけているのです。東日本大震災発生回数火山噴火つなみ津波じしん   地震たかしお高潮こうずい洪水600年1000年1400年1800年1900年1950年2000年32220合計99回古代中世近世近代現代3024ふんか300  公民的分野の学習へ向けた課題意識をもつことができるようにしています。注目↓P.300-301新しい時代を築く知恵とビジョンを!「歴史との対話」を未来に活かす各時代の学習歴史の大きな流れを理解する未来を考える第 2 ~ 6 編→本書 P.8-13 第6編「現代の日本と世界」の学習で現代に残された課題を学んだあとに,これらの課題の解決に向けて歴史をふまえて未来を考える学習「『歴史との対話』を未来に活かす」を設けました。培ってきた資質・能力を発揮させる,歴史の最後の学習です。「歴史との対話」を未来に活かす「テーマ別さくいん」を使う 生徒自らが探究したい課題を設定し,その課題について調べることができるように, 政治・経済・社会・文化・外交の四つのテーマに分けたさくいんを掲載しました。課題例に取り組む 自らテーマを選んで学習することに加えて,P.300-305に掲載した災害・政治参加・世界平和の課題例に取り組むこともできます。12私たちと歴史第 1 編→本書 P.6-7 テーマ別さくいんを活用することで,これまで学んできたことを効率よく振り返り,現代の諸課題の成り立ちや変遷を調べることができます。注目 なぜこの課題に取り組むのか,社会の現状や前提となる知識をリード文で説明しています。また,学習 課題 の解決に向けて,いくつかのステップを用意し,段階をふんで課題を追究することができるように工夫しました。 課題例に対応して,先人たちの取り組みがよくわかる資料を掲載しています。資料「課題例」一覧→P.300-301 災害の歴史に学ぶ→P.302-303 政治参加の歴史に学ぶ→P.304-305 世界平和への取り組みに学ぶ※ 「『歴史との対話』を未来に活かす」には,2時間を配当しています。「歴史との対話」を未来に活かす14 15