ブックタイトル令和3年度版「中学社会 歴史的分野」内容解説資料

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令和3年度版「中学社会 歴史的分野」内容解説資料

 新学習指導要領に対応して,本教科書では「歴史的な見方・考え方」を働かせた学習ができるようにしています。「歴史的な見方・考え方」は時系列・推移・比較・つながりを指し,第1編では小学校の歴史学習を振り返る活動を通して,この「歴史的な見方・考え方」を自然に理解することができるようにしています。質の高い学びや授業を保証する基本方針1調べ学習や対話による学習にも取り組むことができます。←P.6-7第 1 編←P.12-13第1 編 私たちと歴史いつ,起こったできごとなのかな? この時代の特色は何かな?前の時代とどのように変わったのかな? どのような影響をおよぼしたのかな? この教科書では,時じ系けい列れつ・推すい移い・比ひ較かく・つながりといった四つの視し点てんや方法を使って学習を進めていきます。 これらは,「歴史的な見方・考え方」とよばれるものです。 歴史を考察し,理解するための手立ての一つとして,活用していきましょう。 歴史の学習の目的は,昔のできごとを覚えるだけではありません。私たちの先人が,どのようにあゆんできたのか,日本の歴史の大きな流れを説明できるようにしましょう。 そのためにも,日本の歴史を世界の歴史と関連づけることや,さまざまな角度から疑ぎ問もんをもつようにすることが大切です。地図帳や統計などの資料も有効に活用しながら,学習に取り組んでいきましょう。比べたときに異ことなる部分が,その時代の特色といえます。二つの時代には,どのようなちがいがあるでしょうか。貴族の栄えい華がを誇ほこった藤ふじ原わらの道みち長なが武士による政治を始めた源みなもとの頼より朝とも鎌かま倉くら平 時代 へい安あん時代?元の襲来は,鎌倉幕ばく府ふにどのような影響をおよぼしたのでしょうか。? に入るものは何か,考えてみましょう。鎌倉幕府「歴史的な見方・考え方」とは? さあ,中学校の歴史学習を始めましょう年表を使って,「時系列」を理解しましょう。時代年できごと1147 源みなもとの頼より朝ともが生まれる1156 保ほう元げんの乱らんが起こる1159 平へい治じ の乱が起こる1160 敗れた頼朝が伊い豆ず(静しず岡おか県)に流される1180 平へい氏し をたおそうと兵をあげ,全国的な内乱が始まる1185 源げん氏じ が壇だんノの 浦うらの戦いで平氏をほろぼす1192 頼朝が征せい夷い大たい将しょう軍ぐんに任じられる1199 頼朝が亡な くなる平へい安あ ん鎌かま倉くら推移それぞれの時代のくらしは,どのように移り変わっていったの貴 でしょうか。 き族ぞくのはなやかな生活武芸をみがく生活 歴史上のできごとは,たがいにつながり合っています。「つながり」に着目することで,あるできごとの背はい景けいや原因,結果や影えい響きょうなどを考えていくことができます。 ものごとは,時とともに移り変わっていきます。この移り変わりのことを「推移」といいます。推移に着目すると,ものごとがどのように変化したのか,あるいは変わることなく継けい続ぞくしたのかなどに気づくことができます。元げんの襲しゅう来らい中学校の歴史学習では,できごとどうしのつながりを考えることが大切だね。前の時代と比べてどう変わったのか気づくと,その時代の特色がわかるね。P.10 の6 , 7 の問いと関連しているよ。 歴史には時間の流れがあります。それぞれのできごとが,どの時期にどんな順序で起こったのかに着目して「時系列」でとらえることは,歴史学習の基本として大切なことです。 二つ以上のものを比べることを「比較」といいます。ものごとどうしを比較して,たがいのちがいや似ている点に着目すると,それぞれの特色を明らかにすることができます。時系列比較つながり12 13P.10~11 では年表を見て,「時代」について考えたね。P.8の4 の問いで考えたのは,推移に関することだったんだね。第1 編 私たちと歴史和を尊たっとび,争いをやめよ。源げん氏じの君は…それがしは,平へい氏しの棟とう梁りょう…それがしは,源氏の棟梁…今日から授業を再開します。祝!ノーベル賞受賞一所懸けん命めい!乱みだれる倭わ国こくよ。おさまりたまえ。 小学校6年生のときにも,歴史の内容を学びました。今の私たちにとって歴史とはどのような意味をもち,歴史を学ぶことにはどのような意義があるのでしょう。 中学校の学習のはじめに,小学校での歴史の学習をふり返りながら考えてみましょう。第 1 編 私たちと歴史小学校で学んだ主な人物と文化遺い産さん国じゅうの銅と人々の協力で大仏をつくりたい。天てん下か布ふ武ぶ!われわれ維い新しんの三さん傑けつと言われるそうな。6 7君死にたまうことなかれ←P.8-9第1 編 私たちと歴史卑ひ弥み呼こ,聖しょう徳とく太たい子し,小お野のの妹いも子こ,中なかの大おお兄えの皇おう子じ,中なか臣とみの鎌かま足たり,聖しょう武む天てん皇のう,行ぎょう基き,鑑がん真じん,藤ふじ原わらの道みち長なが,紫むらさき 式しき部ぶ,清せい少しょう納な言ごん,平たいらの 清きよ盛もり,源みなもとの 頼より朝とも,源 義よし経つね,北ほう条じょう時とき宗むね,足あし利かが義よし満みつ,足利義よし政まさ,雪せっ舟しゅう,ザビエル,織お田だ信のぶ長なが,豊とよ臣とみ秀ひで吉よし,徳とく川がわ家いえ康やす,徳川家いえ光みつ,近ちか松まつ門もん左ざ衛え門もん,歌うた川がわ広ひろ重しげ,本もと居おり宣のり長なが,杉すぎ田た玄げん白ぱく,伊い能のう忠ただ敬たか,ペリー,勝かつ海かい舟しゅう,西さい郷ごう隆たか盛もり,大おお久く保ぼ利とし通みち,木き戸ど孝たか允よし,明めい治じ天皇,福ふく沢ざわ諭ゆ吉きち,大おお隈くま重しげ信のぶ,板いた垣がき退たい助すけ,伊い藤とう博ひろ文ぶみ,陸む奥つ宗むね光みつ,東とう郷ごう平へい八はち郎ろう,小こ村むら寿じゅ太た郎ろう,野の口ぐち英ひで世よ(生没年:966~1027)調べ学習のポイント相手に伝わる説明のしかた 対話を通じて考えるときのポイント人物を調べるポイント・生せい没ぼつ年はいつでしょうか。・ その人物が生きた時代は,どのような世の中だったのでしょうか。・ その人物は,どのようなことを行い,その時代にどのような影えい響きょうをあたえたのでしょうか。  自分と班の人が選んだ人物やその理由が異ことなる場合は,たがいの考えが十分に理解できるまで質問し合いましょう。 大切なのは「歴史を大きく変えた」ということの意味です。自分と班の人が示した人物やその理由が,本当にそれにふさわしいかどうかを考えながら話し合いましょう。 話し合った結果,自分の考えが変わったところが出てきたら,そのことを班の人に伝えるとともに,ワークシートやノートに書きとめるようにしましょう。納なっ得とくできたことや疑ぎ問もんに感じたことはありますか。私はこの3名を選びました。自分が選んだ人物やその理由について,修正したいと思ったところはありますか。あなた自身は,小学校の授業でどの人物について学習しましたか。上の一覧表で示した人物のなかで,歴史を大きく変えた人物はどの人だと思いますか。あなた自身の考えをもとに,3名を選び出しましょう。班の人とは,選んだ人物や選んだ理由がちがうかもしれませんね。それぞれの説明をもとに,どの人物が「歴史を大きく変えた」というのに本当にふさわしいか,話し合いましょう。あなたが選んだ人物は,どのように「歴史を大きく変えた」といえそうですか。スキルUPコーナーを確かく認にんしながら,班はんの人に説明しましょう。この人物を選んだ理由です。藤原道長 藤原道長が生きていた時代は,朝ちょう廷てい内で貴き族ぞくが力をもっていました。そのなかで道長は,自分のむすめを天皇のきさきとして,生まれてきた子を天皇にしました。そして,天皇に代わって政治を動かすようになり,朝廷の権けん力りょくを一手ににぎりました。こうしたことから道長は,歴史を大きく変えた人物だと思います。「歴史を大きく変えた」とは,どのようなことだと考えればいいのでしょうか。下の一いち覧らん表に書かれた人物を,次の二つに分けましょう。A 主に政治の動きのうえで活かつ躍やくした人物 ? 人物名に の下線を引こうB 主に文化のうえで活躍した人物    ? 人物名に の下線を引こう13 54歴史を大きく変えた人物はだれだろう?51.聖しょう徳とく太たい子し2.藤ふじ原わらの道みち長なが3.徳とく川がわ家いえ康やすふり返り私が「歴史を大きく変えた」と思う人物の一人は,藤ふじ原わらの道みち長ながです。2道長は,天てん皇のうに代わって朝ちょう廷ていの権けん力りょくを一手ににぎり,政治を動かした人物だからです。「歴史を大きく変えた」という意味では,武士が政治を動かしはじめたときはどうかな。例えば平たいらの清きよ盛もりや源みなもとの頼より朝ともなどの人物がそうだね。なるほど。でも,ただ権力をにぎったというだけでは,「歴史を大きく変えた」とはいいにくい気がするな。たしかに,源頼朝は鎌かま倉くらに幕ばく府ふ を開いて,朝廷の貴き族ぞくたちとはちがう新しい政治を始めた人物だったよね。1234課題調査対話私が歴史を大きく変えたと思う人物  2人 目  はゆきさんの答え 自分の考えを説明するときは,どのような説明をすれば,聞いている人が理解しやすいのか,考えるようにしましょう。 何を言いたいのか,ポイントを最初に説明して,気づいたことだけでなく,その理由などをつけ加えて話しましょう。438 9 「歴史的な見方・考え方」を働かせた中学校の歴史学習にスムーズに移行できます。各時代の学習「歴史との対話」を未来に活かす歴史の大きな流れを理解する未来を考える第 2 ~ 6 編教科書をつらぬく新しい流れ歴史的な見方・考え方を働かせる工夫教科書の構成について 導入単元である第1編「私たちと歴史」,各時代の特色を学ぶ第2~6編,未来を構想する学習「『歴史との対話』を未来に活かす」の順番で構成され,生徒が歴史の大きな流れを理解して,学んだ歴史をふまえて未来を考えることができるようにしています。 新学習指導要領が示す歴史的分野の授業時数135時間に対して,この教科書は115時間の授業時数で学習が完結できるようにしており,余裕をもった指導計画の作成が可能です。小学校の学習を振り返る 小学校で学習した歴史上の人物や文化財を,親しみやすいイラストと写真で紹介しています。歴史を大きく変えた人物は誰か,考える 小学校で学習した人物のうち,「歴史を大きく変えた人物」は誰かを考えます。また,歴史を大きく変えたとはどのような意味なのか考えることで,年代や時代区分について学びます。「歴史的な見方・考え方」を学ぶ これまでの学習が,「歴史的な見方・考え方」を働かせた学習であることを確認させ,これらの「見方・考え方」について丁寧に説明し,「見方・考え方」についての理解を深めることができます。123私たちと歴史第 1 編→本書 P.8-13 →本書 P.14-15注目 導入単元である第1編「私たちと歴史」では,小学校での学びを振り返り,「歴史的な見方・考え方」を働かせた学習の仕方を学びます。第2~6編では,第1編で学んだ「見方・考え方」を使って各時代の特色をとらえ(→本書P.8-13),歴史の学習の最後には,先人たちの知恵を受け継ぎながら未来を構想する学習「『歴史との対話』を未来に活かす」(→本書P.14-15)に取り組む構成にしています。→本書 P.36「見方・考え方」を中学校の歴史学習でどのように働かせるのかについては,次ページをご覧ください。6 7