ブックタイトル令和3年度版「中学社会 歴史的分野」内容解説資料

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令和3年度版「中学社会 歴史的分野」内容解説資料

3本文・図版 十分な文字量を確保し,平易な表現を用いて,生徒の読み取りを支援しました。丁寧な記述で学習を助ける第3 編 中世の日本と世界率いて命がけで合かっ戦せんに参加しました。これを奉ほう公こうといいます。鎌倉幕府の組織は,この御恩と奉公の関係をもとに成り立っていました。頼朝の死後,頼朝の妻政まさ子この実家である北ほう条じょう氏しがしだいに幕府の実じっ権けんをにぎるようになり,執しっ権けんという地位について政治を行いました(執権政治)。 源氏の将軍が3 代で絶えると,京都で院政を行っていた後ご鳥と羽ば上じょう皇こうは,1221(承じょう久きゅう3 )年,幕府をたおそうとして兵をあげました。しかし,北条氏に率いられた幕府の大軍に敗れ,隠お岐き(島しま根ね県)に流されました。これを承じょう久きゅうの乱らんといいます。乱後,幕府は,上皇方についた貴き族ぞくや武士の荘園を取りあげ,そこに新たに地頭をおきました。また,京都には六ろく波は羅ら探たん題だいをおいて,朝廷を監かん視しし,西日本の御家人を統制しました。これによって,西国にも幕府の支配が広くおよぶようになりました。 1232(貞じょう永えい元)年,執権北条泰やす時ときは,御家人の権利・義務や,領地の裁さい判ばんなどについての武家社会のならわしをまとめ,御ご 成せい敗ばい式しき目もく(貞永式目)を定めました。この法ほう律りつは,その後長く武士の政治のよりどころとなりました。4862P.7073 10執しっ権けん政治1180年,伊い豆ずにいた源みなもとの頼より朝ともや木き曽そ(長なが野の県)の源義よし仲なかなどが,平へい氏しをたおそうと兵をあげ,全国的な内ない乱らんが始まりました。 鎌倉を本ほん拠きょとして指し揮きをとった頼朝は,集まってきた武士と主しゅ従じゅう関係を結んで御ご家け人にんとし,武家の政治のしくみを整えていきました。 頼朝が派は遣けんした弟の義よし経つねらは,平氏を追って西に進み,1185年,壇だんノの浦うらの戦い(山やま口ぐち県)で平氏をほろぼしました。その後頼朝は,対立して姿すがたを隠かくした義経を捕とらえるとして,朝ちょう廷ていにせまって国ごとに守しゅ護ご を,荘しょう園えんや公領に地じ 頭とうをおくことを認みとめさせ,御家人をこの役につけました。さらに,義経をかくまったことを理由に,奥おう州しゅう藤ふじ原わら氏を攻せめほろぼし,1192年,頼朝は,武士の総そう大だい将しょうとして征せい夷い 大たい将しょう軍ぐんに任じられました。 こうして12世紀の末に鎌倉に立てられた武士の政せい権けんを鎌かま倉くら幕ばく府ふ といい,幕府の続いた約140年間を鎌かま倉くら時じ 代だいといいます。 将軍は,御家人の領地を公こう認にん・保護し,御家人を守護や地頭などに任命しました。これを御ご 恩おんといいます。その代わりに,御家人は京きょう都と・鎌倉の警けい備びにあたり,戦いのときには,一族・郎ろう党とうや下げ人にんを211 94P.68鎌倉幕府が武士に支持された理由を説明しましょう。確認5 12~13世紀の日本の動き源みなもとの頼より朝ともと鎌かま倉くら幕ばく府ふ鎌かま倉く ら幕ば く府ふ の成立見方・考え方源頼朝と御家人との関係に着目しましょう。つながり学習 課題源頼朝がつくった政治のしくみには,どのような特徴があるのでしょうか。2北条氏の系けい図ず6 と源氏との関係9 鎌倉幕府のしくみ北条政子(1157~1225)(神か奈な川がわ県 安あん養よう院いん蔵)8現在の鎌倉のようす1源頼朝(1147~1199)(源頼朝木像 甲こう府ふ 市 善ぜん光こう寺じ 蔵)24 御恩と奉公源氏の将軍が絶えた後,頼朝の遠とお縁えんにあたる京都の貴族が将軍にむかえられました。成敗は裁判,式目はきまり(法規)という意味です。23鎌倉幕府の政治-武士のための政治の始まり-鎌倉の地形の特とく徴ちょうは何かな。承久の乱の後,幕府の政治はどのように変わったのでしょうか。深めよう武士が政治の実権をにぎった時代のうち,平へい安あん時代末から戦せん国ごく時代までを中世といいます。基本用語 中世年できごと1180 源げん平ぺいの内乱が始まる1185 源げん氏じ が壇だんノの 浦うらの戦いで平へい氏し をほろぼす1192 源みなもとの頼より朝ともが征せい夷い 大たい将しょう軍ぐんに任じられる1221 承じょう久きゅうの乱らんが起こる1232 執しっ権けん北ほう条じょう泰やす時ときによって御ご 成せい敗ばい式しき目もくが制定される鎌倉幕府が成立した時期については,東日本の支配権を朝廷に認みとめられた1183年,守護・地頭の設置が認められた1185年,頼朝が征夷大将軍となった1192年などの説があります。1 みな心を一つにして聞きなさい。これが最後の言葉です。頼朝殿どのが平氏を征せい伐ばつし,幕府を開いて以い降こう,その御恩は山よりも高く,大海よりも深いものです。お前たちも御恩に報いる気持ちはあるでしょう。ところが今,執権北条義よし時ときを討うてという命令が,朝廷から出されました。名めい誉よを重んじる者は,源氏三代の将軍が築き上げたものを守りなさい。上皇方につきたいと思う者は,今すぐ申し出なさい。   (『吾あ妻づま鏡かがみ』より一部要約)一  諸しょ国こくの守護の仕事は,御家人の京都を守る義務を指揮・催さい促そくすること,謀む叛ほんや殺人などの犯罪人をとりしまることである。(第3条)一  地頭は荘園の年ねん貢ぐをさしおさえてはいけない。 (第5条)一  20年以上継けい続ぞくしてその地を支配していれば,その者の所有になる。 (第8条)(一部要約)7 承 久の乱と北条政子の言葉10 御 成敗式目小学校 学習した人物:源頼朝・源義経P.66P.74~751御 家 人ごけにん●土地の支配権を認める●新たに土地をあたえる●守護や地頭に任命するけんみとしゅ ごじ とう●京都や鎌倉を警備する●戦時には、将軍のために 一族を率いて戦うきょうとかまくらけい び将 軍しょうぐん奉 公御 恩ごおんほうこう134源 義朝よしともみなもとの北条時政ときまさ範頼のりより義時よしときよりともよしつねまさ こ泰時政村時房ときふさ時宗ときむね師時もろとき貞時さだとき高時たかとき経時つねとき時頼ときより長時ながとき頼家よりいえ公暁くぎょう実朝さねともまさむらやすとき頼朝義経政子ほうじょう北条氏げん じ源氏58914106721しっけんこんいん婚姻関係  親子・兄弟関係太字 教科書に登場する人物は執権になった順序は将軍になった順序113 2だんのうら壇ノ浦 い ず伊豆 き そ木曽 お き隠岐かまくら鎌倉きょうと京都ひらいずみ平泉0 300km鎌倉京都地方(御家人の統制、軍事) 侍 所さむらい どころ(財政と政治一般) 政 所まん  どころいっぱんさいばんご け にん(裁判) 問注所もんちゅうじょきょう とかまくらけい びかん しちょうていろく は ら たん だい六波羅探題(京都の警備、朝廷の監視、西国武士の統制)しゅ   ご守 護(国内の軍事、警察と御家人の統制)(荘園や公領の管理、年貢の取り立て、警察の仕事)けいさつしょうえんねん ぐじ   とう地 頭執権しっけん将軍源平の戦い・承久の乱の関係地切きり通どおし 山の一部を切り開いて,鎌倉に通じる細い道がつくられました。3幕府の建物があった場所鶴つるが岡おか八はち幡まん宮ぐう72 73世紀B.C.A.D.123456789101112131415161718192021時代旧石器縄文弥生古墳飛鳥奈良平安鎌倉南北朝室町戦国江戸明治昭和平成令和大正安土桃山5101551015質の高い学びや授業を保証する基本方針1 歴史的分野における基本的な用語について,平易な言葉で解説しています。連携コーナー 小学校の学習や地理・公民とのつながりを示しています。小学校 学習内容を掘り下げて,歴史の学習を幅広くゆたかなものにすることができるコラムです。歴史デジタルマーク このマークのついた教材は,弊社ウェブサイトにあるデジタル資料で,学習を深めることができます。基本用語 この見開きのできごとが,いつ,どのような順番で起こったのかを確認できます。小年表時代・世紀のスケール 学習している時代や世紀を,前後の時代も含めて常に確認できます。 資料を用いた活動を示すことで,必要な情報の読み取りなどの技能を高めることができるコーナーです。1導入資料 見開きの学習内容の導入になる資料と,それに関係する問いかけを設けています。関心と意欲を引き出す4 学習課題に対応し,学習内容の理解を確かにする問いを示しています。1時間の学習をふり返る→P.72-732 この見開きで何を学ぶかを示します。この課題を考えながら学習を進めていきます。学習に見通しをもたせる何を学び,どう深めるか授業や生徒の思考の流れに沿った構成学習 課題→本書 P.36 →本書 P.32知識を活用して,課題を考えたり,解決したりできる紙面になっています。資料の活用や,話し合いなどの活動から深く学んでいけそうだね。 本文は原則1授業時間を見開き2ページとし,この1時間で何を学ぶのか,どのようなことに着目して学習を進めるのかを「学習課題」「見方・考え方」で明確に示しました。また,「見方・考え方」を働かせながら考える問いである「深めよう」を示したほか,右ページの側注欄には学習課題に対応した「確認」を設け,基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着を企図した学習活動を提示しました。→本書 P.22注目 学習課題の解決に向けて手がかりになる主な見方・考え方の例を示しています。→本書 P.6-7注目 学習課題の理解を深めるため,見方・考え方を働かせる問いを示しています。8 9