令和7年度 教科書
「情報Ⅰ」

著作関係者

著作者

  • 黒上晴夫(関西大学教授)
  • 村井純(慶應義塾大学教授)
  • 堀田龍也(東北大学大学院教授)
  • ほか56名

取り組み

特別支援教育・カラーユニバーサルデザイン・UDフォント

誰もが使いやすく学びやすい教科書をめざして、星美学園短期大学日伊総合研究所客員研究員の大内進先生に校閲をお願いしました。特別支援教育の観点から、カラーユニバーサルデザインに配慮するとともに、全面的にユニバーサルデザインフォント(UDフォント)を用い、見やすさ、読みやすさ、分かりやすさに配慮した教科書作りに努めています。

防災・安全教育

関西大学教授の河田惠昭先生に校閲をお願いしました。昨今の防災・安全教育の重要性から考えて、防災・安全に関わる内容を取り扱い、生徒の意識を高めたいと考えています。

教科書のポイント

①問題解決に取り組みやすく

「情報Ⅰ」の授業のベースになる「問題解決」は第1章で学びます。「著作権侵害」や「個人情報の漏洩」「サイバー犯罪の増加」など情報社会で起こっている問題や、高校生にも身近な「ソーシャルメディア」との付き合い方などを題材として、まず「Try」と名付けた実習で自分なりに考え、解決策を考えます。次にそれぞれの「Try」に対応する「Guide」で補足説明を展開します。第1章でのこうしたウォーミングアップが、「情報Ⅰ」の学習内容への興味・関心を高め、第2章以降の「章末実習」の場面でも生きてきます。

②プログラミング言語は「Python」+「JavaScript」

プログラミングの解説はPythonを中心にしました。プログラミング及びシミュレーションの実習でもPythonを用います。シンプルな構文、豊富なライブラリ、充実した開発環境など、初学者にとってもPythonはプログラミングを学ぶのに適した言語です。機械学習やデータ分析との高い親和性も話題で将来へのつながりも期待できます。第2章の情報デザインの実習では、Webページに動的なコンテンツを加えるためにJavaScriptも用います。プログラミングの学習では、目的に応じた適した言語の選択が学習指導要領でも求められています。

③魅せる資料ページ、豊富な練習問題、教科書QRコンテンツ

「なぜ情報について学ぶ必要があるのか」 子どもたちの素朴で本質的な疑問に応えるのがビジュアル中心の魅せる資料ページです。実社会での情報通信技術の活用例などを見開きの「章とびら」や「関連資料」のページで紹介しています。そのほか、章末問題はこれまで以上に手応えのある内容にし、大学入試を意識した指導につなぐことも考慮しました。巻末問題も同様です。教科書QRコンテンツでも繰り返し取り組むことのできる「用語問題集」を用意しています。

目次

第1章では「TRY」と名付けた手頃なアクティビティを通して、具体的な問題解決を経験しながら、基本的な流れを学習します。2~4章には本文での解説に加えて「章末実習」があり、その実習に取り組むために必要なスキルは「技法」としてまとめられています。

序章:情報社会に生きるわたしたち

  • オリエンテーション的な位置づけの章です。
  • なぜ情報について学ぶのか
  • 学習の前に確認しよう(チェックリスト)など

第1章:情報社会の問題解決

  • 情報社会についての基本的な内容を問題解決の手順を意識して学習する章です。
  • 情報の特性、メディアの特性
  • 問題解決の考え方
  • 法の重要性と意義(著作権、個人情報)
  • 情報社会と情報セキュリティ
  • 情報技術の発展による変化 など

+技法:問題と目標の明確化、問題の整理と分析、実行・評価・共有

文書作成ソフトウェアによるレポートの作成

プレゼンテーションソフトウェアによる図解作成

表計算ソフトウェアによる表作成とその活用 など

第2章:コミュニケーションと情報デザイン

  • メディアとコミュニケーション、デジタル化、情報デザインについて解説した章です。
  • インターネットの発展
  • 情報機器のパーソナル化とソーシャルメディア
  • コンピュータとデジタルデータ
  • 文字、音、画像、動画のデジタル化
  • 情報デザインのプロセスと問題の発見
  • デザインの要件と設計・試作 など

+章末実習:ポスターやWebサイトの制作

+技法:Webサイトの構造とレイアウト、メニューとコンテンツの作成、

HTMLとCSS、JavaScriptの活用 など

+章末問題

第3章:コンピュータとプログラミング

  • コンピュータのしくみ、アルゴリズムとプログラミング、モデル化とシミュレーションについて解説した章です。
  • コンピュータのしくみ
  • 2進法による計算
  • アルゴリズムの基本と表現方法
  • アプリケーションの開発
  • モデル化とシミュレーション
  • コンピュータを利用したシミュレーション など

+章末実習:感染モデルのシミュレーション

+技法:プログラミング言語 Pythonの基本

+章末実習

第4章:情報通信ネットワークとデータの活用

  • コンピュータネットワークのしくみ、情報システムとデータベース、データの活用について解説した章です。
  • コンピュータネットワーク
  • プロトコル
  • 暗号化のしくみ
  • データベース管理システムとデータモデル
  • 数値データ、テキストデータの分析 など

+章末実習:地域の問題を解決する

+技法:アンケート調査によるデータの収集

量的データの分析手法

統計的検定 など

巻末問題

  • 教科書全体を通した総合的な問題として6ページを割いて巻末問題を用意しています。

内容解説資料

新しい学習内容への期待に応える教科書を 電子ブック(9.8MB)

高等学校「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」教科書ダイジェスト版 電子ブック(47.1MB)

内容解説資料 別冊

情報Ⅰ 令和4年度 高等学校「情報」教科書のご案内 電子ブック(4.8MB)

教科書検討の観点からみた特色