ブックタイトル平成31年度版 内容解説資料(表紙作品・作家紹介)

ページ
3/4

このページは 平成31年度版 内容解説資料(表紙作品・作家紹介) の電子ブックに掲載されている3ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

平成31年度版 内容解説資料(表紙作品・作家紹介)

高校生の美術3表紙:誕生[ ペン・インク・透明水彩・紙/300×400 cm]2013~16 佐賀県立美術館蔵撮影:エリック・タドセンアメリカにあるチェゼン美術館の滞在制作プログラムで制作された。全体としては波に洗われる巨樹のイメージだが、すべて小さなモチーフの集合体で生成されている。1日の進捗は10cm四方程度。完成までに3年3カ月を要している。誕生(部分)撮影:宮島 径1 人や鳥、舟やプロペラ、テント、棺など、さまざまなモチーフで形づくられている花。自然界に実在する花は1輪もない。2 表裏一体の溶岩と温泉。ひとたび噴火すれば広範に被害を及ぼす火山も、温泉や風光明媚な景勝地、地熱発電などの恩恵を与えてくれる。3 描き始めは左下のがれきから。がれきの中にも、滞在制作を行ったマディソンの街に関するモチーフや、お子さんと連れ立ってよく出掛けたという遊園地などのモチーフが描き込まれている。制作中の様子左:広大な画面にゆっくりと広がっていく緻密な世界。右:3年目に突入した頃。―少しずつ、少しずつ 1 描き始める時点では、全体像は雲の中です。全体の下描きのようなものもしません。少しずつ少しずつ、1日に握りこぶし程度の面積を描き込み、連ねていきます。広大な白い画面と向き合っていると、まるで果てしない旅のように感じますね。とてもスローで地道な作業です。 そのうちに全体の流れのようなものが生まれてくるので、後半はその流れに沿って描き進めていきます。以前は気の向くまま、飛び地のように画面のあちこちを埋めていたこともありましたが、そうすると最終的につなげていく段階でどうしても無理が生じるので、今は左下から描き始め、広げていくという手法を採ることが多いですね。 ―脳と手がつながる道具 主に使用しているのは丸ペンです。いろいろなペンを試しましたが、丸ペンが一番自分のアウトプットに合致していると感じています。作品制作においては、線が単調にな使用している丸ペンとインク。細い線が描け、力の入れ具合で線に強弱をつけられる。23cIKEDA Manabu, Courtesy Mizuma Art Gallery, Tokyo/Singapore