ブックタイトル令和2年度版 高等学校美術・工芸教科書 内容解説資料(別冊)

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概要

令和2年度版 高等学校美術・工芸教科書 内容解説資料(別冊)

492. 高等学校芸術科美術の改訂について 前述の中央教育審議会答申では,改訂の具体的な方向性として以下の三つが示されている。① 感性や想像力等を働かせて,表現したり鑑賞したりする資質・能力を相互に関連させながら育成できるよう,内容の改善を図る。② 生活を美しく豊かにする造形や美術の働き,美術文化についての理解を深める学習の充実を図る。③ 高等学校芸術科(美術,工芸)において表現と鑑賞の学習に共通に必要となる資質・能力を〔共通事項〕として示す。 高等学校学習指導要領の芸術科(美術)は,この具体的な方向性に基づき改訂された。主な改訂の要点は,以下のとおりである。① 目標の改善 従前では,科目の目標は一文でのみ示されていたが,新要領では一文の後に(1)~(3)の三つの文章が加えられた。目標の最初に,全体に関わる目標を柱書として“美術は何を学ぶのか”を明確にし,その後に具体的に育成する資質・能力を「(1)知識及び技能」「(2)思考力,判断力,表現力等」「(3)学びに向かう力,人間性等」の三つの柱に位置付けて示しており,「何ができるようになるか」ということを踏まえて,(1)(2)(3)を相互に関連させながら育成するよう指導の改善を図ることが求められている。 目標の構成は,次のように整理することができる。② 内容の改善(1)「A表現」の改善 「A表現」の項目は,現行と同様に「(1) 絵画・彫刻」,「(2) デザイン」,「(3) 映像メディア表現」の三つの分野で構成している。 「A表現」の構成の概要について,現行の内容との違いを「美術Ⅰ」を例に比較すると次のとおりである。 このように,今回の改訂では,「A表現」の内容が育成する資質・能力を一層明確にする観点から,各項目を「ア 発想や構想に関する資質・能力」と「イ 技能に関する資質・能力」の二つの観点に整理されている。新 教科の目標(平成30 年)(柱書)造形的な視点を豊かにもち Ⅰ,Ⅱ,Ⅲのちがい美術Ⅰ: 美的体験を  ,生活や社会の中の美術や美術文化と   関わる資質・能力の育成美術Ⅱ: 美的体験を  ,生活や社会の中の美術や美術文化と  関わる資質・能力の育成美術Ⅲ: 美的体験を    , 生活や社会の中の美術や美術文化と  関わる資質・能力の育成(1)知識及び技能(〔共通事項〕・創造的な技能)造形的な視点を豊かにするために必要な知識と,表現における創造的に表す技能に関するもの。(2)思考力,判断力,表現力等(発想,構想・鑑賞,両方]発想や構想と鑑賞の双方に重なる資質・能力,表現における発想や構想,鑑賞における見方や感じ方などに関するもの。(3)学びに向かう力,人間性等学習に主体的に取り組む態度や美術を愛好する心情,豊かな感性や情操などに関するもの重ね幅広く深め深く豊かにし多様な深く※ 下線の種類は,資質・能力の対応関係を表している現行 美術Ⅰ A表現(平成21 年)項目事項(1)絵画・彫刻ア 主題の生成イ 創造的な表現の構想ウ 材料や用具を生かす技能エ 創造的に表す技能(2)デザインア 主題の生成イ 創造的な表現の構想ウ 材料や用具を生かす技能エ 創造的に表す技能(3)映像メディア表現ア 主題の生成イ 創造的な表現の構想ウ 映像メディア機器等の用具を生かす技能エ 効果的に表す技能新 美術Ⅰ A表現 (平成30 年)項目事項目標と指導内容 指導事項 の関連? 絵画・彫刻ア  感じ取ったことや考えたことなどを基にした発想や構想(ア)主題の生成(イ )創造的な表現の構想「思考力,判断力,表現力等」イ  発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能(ア )材料や用具を生かす技能(イ )創造的に表す技能「技能」?デザインア  目的や機能などを考えた発想や構想(ア)主題の生成(イ )創造的な表現の構想「思考力,判断力,表現力等」イ  発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能(ア )材料や用具を生かす技能(イ )創造的に表す技能「技能」? 映像メディア表現ア  映像メディアの特性を踏まえた発想や構想(ア)主題の生成(イ )創造的な表現の構想「思考力,判断力,表現力等」イ  発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能(ア )映像メディア機器等の用具を生かす技能(イ )効果的に表す技能「技能」  ▼