ブックタイトル令和2年度版 高等学校美術・工芸教科書 内容解説資料(別冊)

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概要

令和2年度版 高等学校美術・工芸教科書 内容解説資料(別冊)

50(2)「B鑑賞」の改善 「B鑑賞」は「ア 美術作品などに関する鑑賞」と,「イ 美術の働きや美術文化に関する鑑賞」の二つに大きく分けて示された。 「ア 美術作品などに関する鑑賞」では,「A表現」の三つの分野との関連を図り,発想や構想に関する資質・能力と鑑賞に関する資質・能力とを総合的に働かせて「思考力,判断力,表現力等」を育成することが重視されている。 一方,「イ 美術の働きや美術文化に関する鑑賞」では,生活や社会と文化は密接に関わっていることや,社会に開かれた教育課程を推進する観点などから,現行の美術の働きに関する鑑賞と,美術文化に関する鑑賞が大きくひとつにまとめられている。 「B鑑賞」の構成の概要について,現行の内容との違いを「美術Ⅰ」を例に比較すると次のとおりである。(3)〔共通事項〕の新設 〔共通事項〕(1)は,今回の改訂で新しく設けられた事項であり,感性や造形感覚などを高めていくことを一層重視し,「A表現」及び「B鑑賞」の学習において共通に必要となる資質・能力を育成する観点から,生徒が多様な視点から造形を豊かに捉えることができるよう,造形的な視点を豊かにするために必要な知識として示されている。 アは,形や色彩,材料や光などの性質や,それらが人の感情にもたらす様々な効果などについて理解すること。イは,造形的な特徴などからイメージを捉えることができるように,見立てたり心情などと関連付けたりするなど全体のイメージで捉えることを理解したり,作風や様式などの文化的な視点で捉えるということについて理解したりすることであり,アは「木を見る」,イは「森を見る」といった視点で造形を豊かに捉えられるようにすることが大切である。【参考資料】(本書P.5)の中学校学習指導要領美術科における〔共通事項〕に関する記述も踏まえて指導したい。 なお,『「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。』と示されているように,〔共通事項〕は,それのみを取り上げて題材にするものではなく,「A表現」及び「B鑑賞」のそれぞれの指導を通して身に付けることができるよう指導するものである。さらに,〔共通事項〕に示された知識は,単に新たな事柄として知ることや言葉を暗記することに終始するものではなく,生徒一人一人が表現及び鑑賞の活動の学習過程を通して,個別の感じ方や考え方等に応じながら活用し,実感を伴いながら理解を深め,生きて働く知識として身に付けるものであり,新たな学習過程を経験することを通して再構築されていくものであるとされている。③ 「学びに向かう力・人間性等」の涵養 「(3)学びに向かう力・人間性等」については,三つの柱を相互に関連させながら育成できるように位置付けて示しており,「A表現」,「B鑑賞」及び〔共通事項〕を指導する中で,一体的,総合的に育てていくものとされている。  ▼新 美術Ⅰ B鑑賞 (平成30 年)項目事項目標との関連指導内容指導事項?鑑賞ア  美術作品などに関する鑑賞(ア )感じ取ったことや考えたことなどを基にした絵画・彫刻に関する鑑賞(イ )目的や機能を考えたデザインに関する鑑賞(ウ )映像メディア表現の特質を生かした表現に関する鑑賞「思考力,判断力,表現力等」イ  美術の働きや美術文化に関する鑑賞(ア )美術の働きに関する鑑賞(イ)美術文化に関する鑑賞現行 美術Ⅰ B鑑賞(平成21 年)項目事項鑑賞ア  美術作品などのよさや美しさ,作者の心情や意図と表現の工夫などに関する鑑賞イ  映像メディア表現の特質や表現の効果などに関する鑑賞ウ  自然と美術とのかかわり,生活や社会を心豊かにする美術の働きに関する鑑賞エ  日本の美術の歴史や表現の特質,日本及び諸外国の美術文化になどに関する鑑賞