ブックタイトル2020年度版「小学社会」内容解説資料

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概要

2020年度版「小学社会」内容解説資料

教科書検討の観点から見た内容の特色①教科書検討の観点「小学社会」の特色1教育基本法及び学校教育法との関連(1)教育基本法への適合●教育基本法第1 条の教育の目的と,第2条第1項から第5項に示されている教育の目標の達成をめざした教科書となっている。 ①広い知識・教養と豊かな人間性 ②人間尊重の精神と自主自律,勤労の精神 ③公正公平と公共心       ④自然愛護・環境保全 ⑤伝統と文化の尊重,国や郷土を愛する態度と国際理解,親善の心(2)学校教育法への適合●学校教育法第30 条第2項に示された「基礎的な知識及び技能の習得」,「課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力,その他の能力の育成」,「主体的に学習に取り組む態度の育成」が重視されている。2学習指導要領との関連①教科の目標について(1)社会科の目標達成のため,児童の学びを支援し,社会的な見方・考え方を生かした問題解決的な学習に取り組むことができるよう,適切に示唆されているか。 学習指導要領の社会科の目標,学年目標・内容,内容の取扱いなどをふまえて,児童の発達 の段階と興味・関心を考慮し,社会的事象を適切に教材化した単元構成になっている。●社会的な見方・考え方の三つの視点(空間,時間,相互関係)と方法をより具体的に示す「見方・考え方コーナー」を設けるとともに,児童 ( たち) の素朴な問いや問題を話し合うところから学習をスタートさせ,学習問題を考え,調べ,追究し,学習問題について話し合い,表現する問題解決的な学習過程を基本に構成されている。●各学年の教科書の巻頭に,各学年の学習内容と,身につけた知識や技能を活用し,児童が探究する姿を構造的に示すページと,教科書の使い方のページが設けられ,「児童一人ひとりが調べ,ともに考え,表現しながら問題を解決する社会科学習」としての教科書の構成と使い方をつかむことができるように配慮されている。(2)国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の育成へのくふうがされているか。●教科書本文が,児童に学習内容や学習活動がわかりやすいよう,「学習内容(知識の内容)」,「学習活動(技能を伴う活動)」,「友だちの発言(思考力,判断力,表現力等を活用した話し合い)」の三つに分けて表記されており,学習指導要領が要請する資質・能力,すなわち三つの柱として示された「知識及び技能」,「思考力・判断力・表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」の育成のために有効であると考えられる。●伝統や文化,国際理解や平和,人権・福祉,環境,ICT などの現代的な諸課題に関連する内容が各学年で取り上げられている。また,平和で民主的な国家及び社会の主体的に生きる形成者としての資質や能力の基礎の育成が,次のように図られている。(1) 地域や我が国の国土の地理的環境,現代社会の仕組みや働き,地域や我が国の歴史や伝統と文化についての単元が,児童の発達の段階及び学習指導要領の目標と内容に即し位置づけられている。そのうえで,さまざまな資料や調査活動を通して情報を適切に調べ,まとめる技能を身につけられるよう,各学年で資料などの紙面配置をくふうするとともに「学び方・調べ方コーナー」が設定されている。(2) 社会的事象の特色や相互の関連,意味を多角的に考えたり,社会に見られる課題を把握して,解決に向けて社会への関わり方を選択・判断したりする力,考えたことや選択・判断したことを適切に表現する力を養えるよう,単元の随所に「見方・考え方コーナー」,「キーワード」,「むずかしい言葉」,「学習資料」,「やってみようコーナー」,「デジタルマーク」が設定されている。また,単元の終末などでは,対話的な学びを示唆する児童との話し合いや振り返りの学習が充実している。(3) 地域社会に対する誇りと愛情,地域社会の一員としての自覚,我が国の国土と歴史に対する愛情,我が国の将来を担う国民としての自覚,世界の国々の人々と共に生きていくことのたいせつさについての自覚などを養えるよう,各学年の目標に即し単元が設けられている。②内容構成について(1)学習指導要領の内容の改訂に対応しているか。●中央教育審議会答申で示された具体的な改善事項をふまえ,内容の見直し・改善を図り,各学年について新教材・新単元が開発されている。●政治の働きへの関心を高め,内容の充実を図るため,政治に関する単元が6年の最初の単元に配置されている。●地図帳の活用については,3年から使用を促すよう配慮されている。教科書検討の観点「小学社会」の特色②内容構成について(2)学年の発達の段階,児童の興味・関心などを考慮し,各学年の内容に対応しているか。<各学年の内容>・第3学年 市を中心とする地域学 習・第4学年 都道府県を中心とする 地域学習・第5学年 我が国の国土と産業・第6学年 我が国の政治と歴史, 国際理解●全学年を通じて,児童の立場からの発言や話し合い,児童のもっている力を最大限に発揮した調べ活動や表現活動,学習内容の整理の仕方,多角的な思考や選択・判断の内容などが示唆されている。その際,人々との出会いやメディアの活用など,作業的・体験的な活動が,児童の発達の段階をふまえて位置づけられている。● 3 年では,市を中心とした地域社会に対する誇りと愛情,地域の一員としての自覚を養うよう構成されている。第1大単元の市の学習では,生活科との接続に配慮するとともに市に重点を置き,地図帳の活用が図られている。第3大単元の安全を守る人々の学習においては,単元の終末で選択・判断する力の育成が示唆されている。第4大単元の市の移り変わりの学習では,多文化共生の取り組みや少子高齢化などによる地域社会の変化が取り上げられている。● 4 年では,都道府県を中心とした地域社会に対する誇りと愛情,地域の一員としての自覚を養うように構成されている。第1大単元では,都道府県のようすを学ぶとともに地図帳の活用が図られている。第3大単元の自然災害の学習においては,自然災害時における地方公共団体の働きや地域の人々のくふう・努力などについて示唆されている。また,この第3大単元や,健康なくらしについて学ぶ第2大単元などでは,選択・判断する力を養うことができるよう配慮されている。● 5 年では,国土の学習を学年の最初に位置づけることで,中学年の地域学習をふまえ,自然と産業との結びつきを捉えやすい。また,国土の環境については,第5大単元として学年末に設定され,国土の環境が人々の生活や産業と密接な関連をもっていることを捉えやすい。食料単元と工業単元では,最初に産業の概要を学習し,その後で具体的事例を学ぶ構成にすることで,単元のねらいによりせまることができるようにしている。情報化の伸展に伴う生活や産業の変化については,第4大単元で取り上げられ,正しい情報を入手し,発信することの重要さを認識させる内容が取り入れられている。なお,選択・判断する力の育成を第5大単元で,多角的に考える単元として第2・3・4大単元が設定されている。● 6 年では,主権者としての意識と政治の働きへの関心を高めるために,政治単元が第1大単元とされている。これまでの中学年の地域学習をふまえ,身近な事例と結びつけ,興味・関心をもって追究していく内容になっている。歴史単元では,児童の興味・関心を重視し,取り上げる人物や文化遺産,歴史事象を精選して,歴史的なものの見方・考え方を身につけていくように配慮されている。世界の単元では,一人ひとりが国際社会の一員であるという立場に立って,ここでも身近な事例を通して具体的に追究していく内容にして,選択・判断する力の育成が示唆されている。3構成・配列①指導計画の作成と内容の取扱いとの関連(1)児童の主体的・対話的で深い学びの実現を図るように配慮されているか。●全学年にわたって,児童一人ひとりが主体的・対話的で深い学びを実現できるよう,学習問題を追究・解決する活動の充実が図られている。①「主体的な学び」を示唆するものとして導入がくふうされ,疑問や予想を話し合い,学習問題をつくり,解決への見通しをもつことができる問題解決的な学習を推進している。さらに,「対話的な学び」での「話し合い・交流」活動の充実と,「深い学び」での「多角的な思考と選択・判断する力」の育成を図るため,児童の考えが深まっていくようすがイラストなどで示され,児童一人ひとりの振り返りのページが充実している。②国語科で培った言語に関する能力をもとにした授業展開を基本として全体が構成されており,国語科との関連がよく図られている。また,「見方・考え方コーナー」,「学び方・調べ方コーナー」,「キーワード」などが設定され,観察・見学,表現活動,問題解決的な学習などの質を高める手だてとなっている。③単元のまとまりのなかで,学習を見通し,振り返る場面をどこに設定するか,グループなどで対話する場面をどこに設定するか,児童が考える場面と教師が教える場面をどのように組み立てるかなどについて考慮され,教材化が図られている。④「深い学び」を実現するためには「見方・考え方」を働かせることが重要になることから,社会的な見方・考え方の三つの視点(空間,時間,相互関係)と方法を,より具体的に示す「見方・考え方コーナー」が設けられている。比較・分類・総合などの具体的な思考方法や調査方法については,「学び方・調べ方コーナー」でも示唆され,事象の特色や意味などを深く調べ,考えることができる。54 55