ブックタイトル2020年度版「小学社会」内容解説資料

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概要

2020年度版「小学社会」内容解説資料

教科書検討の観点「小学社会」の特色④現代的な諸課題への対応(1)人権・福祉に関する内容●全学年を通し,人権尊重を基本理念として,共生社会をめざす姿勢がたいせつにされている。3年,4年 市(区)町村や都道府県に密着した学習を展開することを通して,地域の人々と触れ合う活動や,人々の営みや働く姿への共感をもてる学習活動が設定され,地域に対する愛情を育てるとともに,地域の人々の願いを感じ取り,地域の一員として積極的に働きかける展開になっている。5年 日本の国土や産業,環境を学習することを通して,人権・福祉に関わる問題があることに気づかせるとともに,それらの問題を解決するための取り組みについても触れ,働く人の人権を守ること,共生社会の実現,これからの社会のあり方を考えさせようとしている。6年 政治単元では,人々の願いとその実現への営みを追究していくことを通して,人権・福祉の問題が政治との関わりを通して取り上げられ,現代社会におけるこれらの問題の解決に取り組む構えをもたせようとしている。歴史単元では,人々の社会生活向上へのあゆみを追究していくことを通して,代表的な歴史上の人物の働きとともに民衆のくらしや願い・思いに着目させ,人間尊重の精神や人権意識を育てていくように配慮されている。日本と世界の単元では,国際社会のあり方を追究していくことを通して,地球規模での共生社会の実現に向けて考えさせている。●高齢社会の問題・高齢者との交流や,第一次産業の従事者や農山村の高齢化,民生児童委員の活動などの事例を通して,高齢化の進む社会のあり方について考えさせようとしている。・5年・6年において障がいのある人の姿や,ユニバーサルデザインやバリアフリーに関する教材などが取り上げられ,人権や福祉に関わる多様な問題に目を開かせようとしている。●働く人の問題・全学年において,「労働」についての意義をつかませ,働く人を見つめることを通して,人間尊重・人権確立をめぐるさまざまな問題について考えさせようとしている。●部落問題・部落差別の解消は,国の責務であり,国民の課題であることをふまえ,6年の政治・歴史単元において,近世の幕藩体制下における身分制度を中心に,中世・近代・現代を通して位置づけられている。●外国人の人権問題・日本でくらしている外国人,特に在日韓国・朝鮮人に対する偏見や差別については,憲法学習・歴史学習をふまえて,この問題に取り組む姿勢をつくろうとしている。●女性の人権問題・6年の憲法学習での男女平等の問題,歴史単元での地位の向上を求め続けた近代の女性の姿などが取り上げられるだけでなく,各学年の学習のなかで,女性の活躍するようすが示され,男女共生社会の実現に向け,現代の問題として取り組ませようとしている。(2)我が国の国土と歴史への理解と愛情に関する内容●公民的資質の基礎・3年で身近な地域から市のようす,4年で県のようす,5年では,国土の地理的環境とそこで営まれている産業のようすなどの理解が図られ,我が国の国土に対する理解と愛情を育てようとしている。6年では,中学年での地域の人々の生活の変化や地域の発展に尽くした先人の働きの学習をふまえ,我が国の歴史への理解を深めるよう配慮されている。・このような学習により,平和で民主的な国家・社会の形成者としての自覚をもち,互いに尊重し,義務や責任を果たそうとしたり,公正に判断したりする態度や能力を育成できる。●伝統や文化の尊重・3年では,自分たちが住んでいる市の古い町なみなどを観察したり,昔のようすやいわれを聞き取ったりすることで,今も残る古くからある建造物に興味をもたせるようにしている。・4年では,県や市に伝わる祭りなどの祭りや文化財,年中行事の調査を通して,人々の知恵や願いに気づかせるようにしている。・6年では,茶の湯や生け花などの今に残る室町文化の体験的な学習や,江戸時代の町人文化を調べていくなかで,それらの文化が外国へも影響を与えたことや,今も親しまれていることな教科書検討の観点から見た内容の特色③教科書検討の観点「小学社会」の特色②内容の取扱いについての配慮事項(2)すべての学年において,地図帳を活用するよう配慮されているか。●3年,4年の巻末に「地図帳の使い方」,「地図となかよしになろう」が設定され,地図帳の活用を促している。●5年「1世界から見た日本」では, 地球儀や地図帳の具体的な活用方法を示し,興味・関心をもって調べられるように配慮されている。(3)学校図書館や図書館,コンピューターなどを活用し,情報の収集やまとめなどをおこなうよう配慮されているか。●3年では,「1わたしたちの住んでいるところ」で市立図書館での活動を紹介している。 ●コンピューターなどの活用については,「デジタルマーク」が新設され,各学年の各単元で電子黒板などの大型提示機器や個人端末(タブレットPC)を活用しながら,学習が効果的に進められるよう, 弊社Web ページにコンテンツを用意している。(4)博物館や資料館などの施設を活用するなど,内容に関わる専門家や関係者,関係諸機関と連携を図ることができるよう,配慮されているか。●3年では「4市のようすとくらしのうつりかわり」で市立博物館の見学・体験を,また,4年では「4くらしのなかに伝わる願い」での歴史文化博物館の見学や学芸員からの聞き取りなどの活動例を示し,多くの単元で,内容に関わる専門家に話を聞いたり案内をしてもらったりする活動が示唆されている。●6年の「わたしたちの学びを生かそう」では,我が国の歴史学習で,身近な地域や各地に残されているさまざまな遺跡や文化財,博物館などを直接訪ねて観察・見学したり,調査したりする活動を紹介している。(5)児童の考えが深まるようさまざまな見解を提示するよう配慮し,児童が多角的に考えたり,事実を客観的に捉え,公正に判断したりすることを妨げることのないよう配慮されているか。●全学年を通して,社会に見られる課題を把握して,その解決に向けて社会への関わり方を選択・判断できるよう配慮されている。⇒3年「3安全なくらしを守る」,4年「2健康なくらしを守る仕事」,5年「5国土の環境を守る」,6年「3世界のなかの日本とわたしたち」など●全学年を通して,社会への関わり方を多角的に考えることができるよう配慮されている。⇒3年「4市のようすとくらしのうつりかわり」,5年「4情報社会に生きるわたしたち」,6年「1わが国の政治のはたらき」など●未確定な事柄について,歴史的問題や国際問題などにおいて,事実を客観的に捉え,公正に判断することを妨げることなく,児童の発達の段階を考慮し,公平性に配慮されている。③教材の選択、組織・配列、分量(1)教材の選択   各学年の社会的事象・事例などの選択に対する配慮はどのようにされているか。●公正性・正確性については,教材の選定,記述にあたって,内容が一面的,断定的な見解に偏っていないか,広く受容されているかを十分に吟味・検証した教材が掲載されている。また,主として児童の発言の形式によって,一つの事象をさまざまな視点から考えようとする学習が例示されており,公正性や正確性について適切な配慮が行き届いている。●学習指導要領の各学年の「内容の取扱い」において示された,「…の中から選択」,「事例地を選択」,「…の中から一つを取り上げる」などを受け,各学年とも適切に事象や事例が選択されるとともに,主教材のほかに選択教材が設けられ,各地域や学校の実態に対応することができる。(2)組織・配列   児童の発達の段階を考慮し,学習が効率よく進められるように配慮されているか。●児童の思考の流れを重視した組織・配列になっている。児童が自ら見つけ出した問題を解決するために,調べ学習などの具体的な学習活動を通して理解を深め,追究し,気づくとともに,調べたことや考えたことを表現していく過程がわかりやすく配列されている。●各小単元の原則毎見開きの最初に「わたし( たち) の問題」が設定されている。また,小単元には,学習問題が設定され,学習の区切りの最後に学習問題について考えたことを交流する場面とともに「さらに考えたい問題」が設定されることで,児童の思考の流れを考慮した,組織・配列となっている。●二学期制を導入している学校に対する配慮として,各学年の単元構成は,前期と後期にも配分しやすく配列されている。(3)分量   内容の精選と焦点化が図られ,分量は適切か。●児童の主体的・対話的な学習活動が展開できるように内容の重点化が図られ,小単元ごとに十分な調べ学習や話し合い活動などができるよう,適切な時数が配当されている。●学習内容についての情報や資料,追究過程を原則見開きページにまとめられ,コンパクトに配分されている。58 59