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い~め~る より
五輪選手ってもともと特別な人じゃないの?…という先入観をおもちの方って結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。
実は、わたしが本格的に陸上部に入部したのは、高校生からなんですよ。
中学3年の夏にテニス部を引退した後、駅伝の人数が足りないから「ちょっと手伝って!」と誘われたのがきっかけなんです。
周囲の人がたまたまかけた一声や、先生や両親からほめられたことって、嬉しくていつまでも覚えていたり人生を大きく左右する言葉になったりするかもしれないですね。
特別素敵な言葉を用意する必要はありません、想いがこもっていれば大丈夫なんです。例えば、わたしが指導を受けた小出義雄監督はとにかくコミュニケーションを大切にする方でした。
「ちばちゃんならできるよ」…と来る日も来る日も言われつづけていると、最初は本当かな?と不安に思うことも正直ありましたが、そのうち監督の言う通りかもしれないと心から信じられる自分へと変わっていきました。
現役を引退してからは全国各地を飛び回り、小学生のマラソン教室への参加や、小学校を訪問し一日だけの夢先生などの活動を積極的に行っています。
「マラソンは速くても遅くてもどちらでも大丈夫! 大切なのは自分のペースで一生懸命やり抜くことだよ」とまずスポーツに興味をもたせ、楽しませることをポイントにしています。スポーツをすることで体だけでなく心の健康も保てると考えています。
学校現場で驚いたことは、小学生なのに自分が思い描いた夢をチャレンジしないうちから諦めてしまっている子どもが多いことです。
せっかく興味をもったのに簡単に諦めてしまってはもったいない !何か一つ、一生懸命になれるものを見つけてチャレンジすることで、人として大きく成長し豊かな心をはぐくむことができます。
子どもたちはそれぞれにすばらしい能力をもっています。先生や保護者の方々、周囲のみなさんが、ポンと背中を押してあげるような愛情のこもった言葉をかけてあげてくださいね。
千葉 真子
1976 年生まれ。京都府宇治市出身。
立命館宇治高校卒業後、旭化成に入社。96年アトランタ五輪1万メートルで5位入賞、97年アテネ世界選手権1万メートルで銅メダル。
旭化成退社後は、豊田自動織機に所属。佐倉アスリート倶楽部の小出義雄氏の指導を受け、03年パリ選手権マラソンで銅メダルに輝く。
現在は全国のマラソン大会のゲストランナー・講演会・テレビ出演などで活躍し、「スポーツで世の中を元気にしたい」という目標に挑戦中。
オフィシャルウェブサイト:BEST SMILE