高等学校 情報
高等学校 情報

※この実践記録は2021年3月28日に執筆されたものです。
1.はじめに
全日制普通科高校の本校は、1学年4クラス(うち総合科学コース1クラス)で全校生徒460名である。教科「情報」は、第1学年で「社会と情報」と「情報の科学」を開講しており、総合科学コースが「情報の科学」を履修している。
総合科学コースの生徒は3分の2程度が男子生徒で、明るく元気な生徒が多い。また、グループワークや実習を積極的に取り組む生徒が多い。一方で、座学のみの授業になると集中力の持続が難しい。また、3分の2程度の生徒はタイピング速度が遅く、コンピュータ操作が苦手である。
アルゴリズムについて中学校で学習した生徒は3分の1程度であり、フローチャート記号の意味や使い方を理解していない生徒が多くいた。順次・反復・分岐のアルゴリズムの基本構造を理解し、フローチャートを記述できるようにしたいと考え、この授業を実施した。
2.単元名
「アルゴリズムとプログラム」(実施学年:第1学年)
3.単元の目標
- フローチャートやアルゴリズムの基本構造について理解する。
- 問題文に合わせてアルゴリズムをフローチャートで記述する。
- アルゴリズムに合わせてプログラミングができる。
- プログラミングを問題解決に生かす方法を理解する。
4.単元の評価規準
ア 知識・技能 |
イ 思考力・判断力・表現力 |
ウ 学びに向かう力・人間性 |
---|---|---|
・身近な手順をフローチャートで表現すことができる。 |
・フローチャートで表された処理手順の意味を読み取ることができる。 |
・興味をもって、体験的な学習や授業に積極的に取り組んでいる。 |
5.単元の指導と評価の計画
(ア:知識・技能/イ:思考力・判断力・表現力/ウ:学びに向かう力・人間性)
時 |
学習内容 |
学習活動 |
評価の観点 |
評価の方法 |
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ア |
イ |
ウ |
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1 |
アルゴリズムとフローチャート |
身近な手順をもとにアルゴリズムの考え方とフローチャートの書き方を理解する。 |
○ |
○ |
行動観察 |
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2 |
アルゴリズムの基本構造 |
フローチャートやアルゴリズムの基本構造について学び、簡単なプログラムを考える。 |
○ |
○ |
ワークシート |
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3 |
基本構造とプログラム |
順次・反復・分岐の構造をもとに表計算ソフト(VBA)を利用してプログラムを作成し、実行する。 |
○ |
○ |
ワークシート |
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4 |
基本構造とプログラム |
順次・反復・分岐の構造をもとに表計算ソフト(VBA)を利用してプログラムを作成し、実行する。 |
○ |
○ |
ワークシート |
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5 |
プログラムの作成 |
手順に従ってプログラム(VBA)を作成することにより、問題解決について学ぶ。 |
○ |
○ |
○ |
行動観察 |
6.本時の目標【2限目】
- フローチャートやアルゴリズムの基本構造について理解する。
- フローチャートを用いて簡単なプログラムを考える。
7.本時の流れ【2限目】
時間 |
学習活動・内容 |
指導上の留意点 |
評価 |
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導入 |
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展開1 |
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・練習問題に取り組む。 |
・時間があれば、練習問題を進めるように指示する。 |
ア、イ |
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展開2 |
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・他者とフローチャートを見比べ、違いを理解する。 |
・解答が複数あることを理解させる。 |
ウ 行動観察 |
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・練習問題に取り組む。 |
・時間があれば、練習問題を進めるように指示する。 |
ア、イ |
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展開3 |
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・数字が0から1000になるまで、50ずつ数字を増やしながら画面に表示するプログラムをフローチャートで記述する。 |
・50mプールで何回泳ぐかを考えさせる。 |
||
まとめ |
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8.まとめ
多くの生徒はアルゴリズムとプログラミングに対して、「記号の意味が分からない」「中学校で分からなかった」「難しそう」などのマイナスなイメージを持っており、苦手意識が強かった。しかし、今回の授業でフローチャートの学習から段階を踏むことで、生徒は物事を整理して考えることができるようになり、最終的にはVBAを用いたプログラミングへと進むことができた。
特に今回の授業では、次の点を心掛けた。①アルゴリズムと生活を関連させる。②考える時間を長くとる。プログラミング的な考え方が日常生活で、どのように役立つのかを時間をかけて生徒に考えさせることで、生徒の苦手意識が軽減されると考えている。
今回の授業案は、文部科学省が提供している「高等学校情報科『情報Ⅰ』教員研修用教材(本編)」の第3章を参考に作成したものであり、令和4年度から実施される「情報Ⅰ」の中でも取り入れることができる。令和7年度から実施される大学入学共通テストに向けて、アルゴリズムの理解は非常に重要なことであり、時間をかけて丁寧に指導するべきであると考えている。
生徒の評価では、ルーブリックと教育用クラウドサービスによるフォームを利用しており、その評価を成績の一部に取り入れている。教員はルーブリックを用いて生徒の活動を評価し、生徒は教育用クラウドサービスを利用したフォームで自己評価を教員へ送信している。GIGAスクール構想により教育用クラウドサービスの導入が進むことが予想されるため、有効な評価方法になると考えている。
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