小学校 図画工作

小学校 図画工作

実技講習「ともに学び合おう!子どもの気持ちになって教材研究」
2025.03.28
小学校 図画工作 <No.068>
実技講習「ともに学び合おう!子どもの気持ちになって教材研究」
福島県いわき市立泉北小学校 窪木富士美

1.実技講習

「ともに学び合おう!子どもの気持ちになって教材研究」

2.研修のねらい

 本市の小学校教育研究協議会図画工作科部会では、夏季休業中に行う研修日を、前半は研究協議「研究主題に向かって!皆で高め合おう!」、後半は実技研修「ともに学び合おう!子どもの気持ちになって教材研究」と題して、いわき市の図画工作教育の発展のために研修に励んでいます。今回は、後半の実技研修「ともに学び合おう!子どもの気持ちになって教材研究」について説明します。
 教材研究では、教科書に新しく掲載された題材を取り上げ、低・中・高学年ブロックごとにその模擬授業を行います。
 図画工作部の理事が教員の役割を果たしながら授業を進め、その他の部員が各学年の子どもたちとして自由に発想をし、以下の題材に取り組みました。

①低学年:「スルスル ビューン」(1・2年上)
②中学年:「顔を出したら なんだかワクワク」(3・4年上)
③高学年:「けずって見つけたいい形」(5・6 年上)

3.準備物(材料・用具)

 次のようなお便りをもとに、各部員が教科書や指導書を見ながら、自校の児童の実態を踏まえながら準備物を各自で用意します。

実技講習の内容および準備物について

○低学年:「スルスル ビューン」(1・2年上)
※楽しく滑らせて遊ぶおもちゃを、何度も試しながらイメージを広げ、つくったりつくり直したりする。
準備物:空き箱、紙筒、紙皿、はさみ、のり、セロハンテープ、ペン、色画用紙、紙テープ、PEテープ、折り紙など

○中学年:「顔を出したら なんだかワクワク」(3・4年上)
※思わず顔を出したくなるパネル。どんなパネルができるかな。形や色、あなや材料の組み合わせは?
準備物:段ボールカッター、木工ボンド、はさみ、絵の具、クレヨン、ペン

○高学年:「けずって見つけたいい形」(5・6年上)
※かたまりをけずり、少しずつ形を変えながら、自分が面白い・美しいと感じる形を見つけよう。
準備物:スプーン・フォーク・バターナイフ・ピーラー・串・粘土ベラなど家庭にあって子どもたちが準備できそうな物)

※各ブロックの準備物等は、指導書等でご確認ください。

4.実践を振り返って

 毎年、各部員が、自校の児童を想定しながら製作をしたり、用意された材料や提示物、効果的な場の設定の中で製作したり、試したりしながら、「児童の困り感はどういうところだろうか?」「用意する材料や用具は、どんな物が適しているのだろうか?」「こういう場面があったら楽しいなあ~」などと思いながら活動していて、これこそが教材研究だと感じています。
 この研修では、部員一人ひとりが理事や他の部員との学び合いの中で多くのことに気づき、その題材で培われる能力や製作の中で感じる楽しさを感じ取っていると思います。自分がつくった作品以外も写真に収め、さまざまな作品のよさや工夫などにも関心をもっている様子が見られました。各部員の授業への意欲が高められていることと信じています。

①低学年:「スルスル ビューン」

吹き抜けスペースにつくった「試しの場」。角度の違うたくさんの紐を設置し、仕組み作りの際や完成した作品を滑らせることができるようにしました。導入では、教員役の理事が箱などを滑らせることの面白さに気づくような投げかけと、ひもの素材やクリップなど材料の相性などについての講義をしました。

そこから発想を得た部員は、持ってきた材料で製作を始めました。互いに見せ合いながら、自分なりの作品をつくり始めます。

つくった作品がひもを滑ることができるか、教室内に設けた試しの場で確認し、できた作品をもって吹き抜けスペースに移動します。

仕上がった作品を吹き抜けスペースに持っていき、設置されたさまざまな角度のひもの中から一つを選び、自分の好きなところで滑らせました。さまざまな工夫をした作品に、他の部員からは大きな拍手が湧き上がりました。

②中学年:「顔を出したら なんだかワクワク」

教師役の理事からは、子どもたちが行きたい場所やなりたい自分を想定しながら製作する楽しさについての説明がありました。

各部員は「どこに穴があったらいいか」「どんな絵にしようか」など、担任している子どもたちの笑顔を想像しながら楽しく製作していました。

グループで見せ合う際には、どのグループも笑顔にあふれ、最後には全員が自分の顔を穴から出しての発表です。記念撮影の際には、たくさんの笑顔と拍手にあふれました。

③高学年:「けずって見つけたいい形」

教師役の理事からは、様々なけずれる物(材料)とけずる物(用具)の紹介がありました。実物を見ながら購入先なども教えてもらったり、教材を購入しなくても身の回りにある物を使ってできるということを学びました。

石けんアドのいいにおいに包まれながら、一心不乱に削り続ける部員の皆さん。教師役の理事にアドバイスをもらいながら、独創的な作品がたくさん製作されました。