3.準備 |
大学での講義は当初,MSOfficeはもちろん,C言語,perl等のCGIスクリプト言語,統計解析ソフト「R」,数式処理システム「Maxima」,画像処理ソフト「Photoshop」,組版ソフトウエア「LaTex」,ビジュアル開発環境「VisualBasic等」の活用を想定していた。しかし講義に使用した教育学部5号館5701教室はWinXPとMSOfficeのみというPC環境である上,管理者権限も与えられなかったため私の思うように整備はできなかった。受講生によると,このPC教室では学生にサーバーの構築やネットワークの仕組みなどを教えていて,クライアントPCはOSをリストアしたばかりとのことであった。大学の関係者と交渉すれば,管理者権限の取得や他のコンピュータ室の利用が可能であると思ったが,あえてWinXPとMSOfficeのみという環境で講義をすることを選択した。
その理由は,この講義の目的はコンピュータを使いこなす能力(コンピュータ・リテラシー)を育成するのではなく,情報科の教員を育成するということにあり,情報科教育法Iの中核となる【情報活用の実践力】【情報の科学的な理解】【情報社会に参画する態度】を培うための問題解決にもつながると考え,本来理想とする恵まれたPC環境で講義をするよりも,たとえば二次関数のグラフを描画するのにもさまざまな工夫が必要になると考えさせたほうが教育的だと思ったからである。
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