読み物プラス
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2012.10.11
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読み物プラス <学び!トピックス Vol.32>
福島の先生が3.11後を漫画に。
高校の演劇を漫画化して、伝えたいこと。
高校の演劇を漫画化して、伝えたいこと。
この青空は、ほんとの空ってことでいいですか?
私は、現在、福島県郡山市で小学校の教師をしております。震災後の生活は、まだまだ大変な状況にあります。私の勤務する小学校においても、大勢の子どもたちが避難を余儀なくされ、児童数が減少してしまいました。除染も進んでおらず、保護者の力をお借りして、いまだに続けており、校庭の一部はまだ立ち入り禁止の状態です。運動会をやるにも水泳の授業をやるにも、本当に大変な毎日を過ごしております。
街中を見ますと、長そで長ズボンで、マスクをしている子供たちも少なくなり、公園で遊ぶ姿も徐々に増え続けてはいるのですが、まだまだ不安材料はたくさんあるのです。残念ながら、私も含めて放射能に関して麻痺してしまっているのです。
そんなことを考えている日々を過ごしていた昨年度(H23)、郡山市にある「あさか開成高校」の演劇部の指導をしている教師から私に漫画化の依頼がありました。私はこの演劇を見たときに、しばし呆然としました。高校生の思いも私たちと一緒で、日々つらい生活を強いられているのだと強く感じたからです。被災者の立場から言うと、あの日のことを一日でも早く忘れてしまいたいのですが、やはり、この悲惨な状況を忘れてはいけないこととして考えていかなければいけないのです。そして、いろいろな方にこの現状を知っていただきたいと思っています。演劇というメディアとは違った形でも、全国のみなさんに知っていただけるのではないかという思いから、頑張って描きました。