読み物プラス
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子どもたちの笑顔は未来への希望です。
子どもたちの笑顔が開くとき、その空間にはメリーな色が加わる。
デザインで世の中の空気を変えること。笑顔でコミュニケーションをデザインすること。MERRY PROJECTを世界中で展開するアート・ディレクター水谷孝次の「思い」は「カタチ」になっていく。その笑顔には持続性がある。
2008年夏、北京オリンピックの開会式で2008本の笑顔の傘が開く。そのメリー傘には水谷が「メリーってなに?」と問いかけながら撮影した子どもたちの笑顔がプリントされていた。北京で開いた笑顔はMERRY PROJECTの傘になり、今も地球をメリーにし続けている。
そのメリー傘の中で笑顔を満開にしているのは負の遺産を負わされた子どもたちだ。
阪神大震災、四川大地震、スマトラ沖津波、そして2011年、東北の子どもたち。
3.11後、水谷は何度も東北を訪れて被災地を支援するメリー・スマイル・アクションを続けている。ミスターメリーがカメラを向けると子どもたちの表情が上を向く。
いわき、東松島、陸前高田、気仙沼。被災地で撮影され、被災地に届けられた子どもたちの笑顔は復興を後押ししている。
そして、東北の子どもたちの笑顔は被災地内外の大人たちの笑顔も引き出して行った。
さらに国連持続可能な開発会議(リオ+20)では、「希望と権力の間に子どもたちの笑顔が挟まれている」という痛切なメッセージの号外が発行されている。
幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ。
水谷の言葉は深い。まずは笑顔を開いて、その場に漂う重苦しい空気を一掃していくこと。
子どもたちの笑顔にはその力がある。それは未来そのものなのだから。
「あなたにとってMERRY(楽しいこと、幸せなこと、将来の夢)とは、何ですか?」
地球がMERRYゴーラウンドになるその日まで、水谷孝次とMERRY PROJECTは問い続けていくことだろう。
水谷にとってのMERRYは「和顔愛語」だという。
何もあげる物がないなら、あなたが笑顔と優しい言葉をあげなさい。そうしたら、あなたに笑顔と優しい言葉が返ってきますよ。
MERRY PROJECTの原点は2500年前にブッダが伝えた言葉なのだ。
※画像はMERRY PROJECT公式サイトで使用されているものです。
■宮城県造形教育研究大会(気仙沼)でのメリー・スマイル・アクションの様子(2012.11.12)