令和8年度新版教科書
「新・高校生の美術1」

心のアンテナを育てる
教科書

本書は、「生徒の心のアンテナを育てる」ことと、「高校美術ならではの学び」の両立を大切にして編集しました。「アンテナ」とは見慣れたものを見つめ直す視点のこと。“ワクワク”“ドキドキ”と心を動かしながら表現や鑑賞の活動に取り組み、新しい価値観の発見や創出ができるような学びを目指します。これからの社会を生きていくための美術的な視点をもつことができる教科書です。

表紙の説明

表紙には、高校生の共感を呼ぶ、現代の注目の作家を取り上げました。掲載しているのは、森本啓太さんの「Long Day」。森本さんは1990年大阪生まれで、ドラマチックな光の演出により、生活のワンシーンを印象的な光景に描きます。ぜひ生徒さんに、この表紙を見せて感想を聞いてみてください。そこから対話が始まるかも知れません。本作は、長い1日(=Long Day)を終えた女性が夜のキッチンに佇む様子が描かれています。作家は「自分を深掘りすることは、クリエイティブなものを生み出す土壌になる」と言います。学校や家庭での日常、日々感じることなどにアンテナを立て、生徒自身の理解や現代作家の作品鑑賞につなげていただければ幸いです。

教科書のポイント

生徒のひらめきを引き出す問いかけ

授業導入で使える「問いかけ」と、それに対応する主題生成や鑑賞のヒントになる「ひらめきワード」で、高校生の心を動かすアンテナを立てていきます。

P.20・21 夢と現実のはざまで

P.20・21 夢と現実のはざまで

日常や生活の中の美術を開く

美術を身近に感じてもらえるように、高校生にとって身近な例を多数取り上げています。日常でよく目にする造形的な視点や、身の回りのデザインに気付くアンテナを立てられるようなページをつくりました。

P.16・17 FOCUS 光

P.16・17 FOCUS 光

P.66・67 思わず手が伸びる

作家の制作プロセスが分かる

現代を生きる作家がどのようなアンテナを立てて表現しているかを解説しています。制作プロセスやインタビュー動画などと連動して現代のアートシーンを感じられるページです。

P.12・13 創造の舞台裏 木版画家 彦坂木版工房

P.76・77 創造の舞台裏 アーティスト 明和電機

充実の資料性

通史の美術史と多彩な技法資料で生徒の主体的な学びをサポート。作品の社会背景を調べたり、QRコンテンツで制作時の手元動画を見たりすることで自習にも役立ちます。

P.96 美術史 西洋の美術、P.110 美術史 日本の美術

P.136・137 アクリル絵の具の可能性

動画

作家インタビュー 彦坂木版工房
P.12・13 創造の舞台裏 木版画家 彦坂木版工房
解説動画 レオナルド・ダ・ヴィンチについて
P.38・39 作家探究 レオナルド・ダ・ヴィンチ
作家 玉田多紀による制作解説動画1
「素材の準備」

P.52・53 身近な素材と立体表現 命を吹き込むアートの力
作家 明和電機による発想法動画
「ナンセンス発想法」

P.76・77 創造の舞台裏 アーティスト 明和電機
作品動画 父と娘の風景
P.92・93 伝達の映像 映像で伝えるメッセージ
作品動画 「寛容ラップ」編
P.92・93 伝達の映像 映像で伝えるメッセージ
技法動画 鉛筆の削り方
P.125 鉛筆デッサンの準備
技法動画 球体を描く タイムラプス動画
P.126・127 静物デッサン
技法動画 アクリルガッシュで平面構成をする
P.136・137 アクリル絵の具の可能性
技法動画 葉は何色? タイムラプス動画
P.141 豊かな混色表現

資料ダウンロード

内容解説資料

令和8年度版 新・高校生の美術1 電子ブック(18.2MB)

内容解説資料 別冊

2026年度版 内容解説資料 別冊(令和8年度版 新・高校生の美術1、令和4年度版 高校生の美術1、令和4年度版 高校美術、令和5年度版 高校生の美術2、令和6年度版 高校生の美術3 共通) 電子ブック(14.8MB)

3冊の美術Ⅰ ラインナップ 電子ブック(10.1MB)

新・高校生の美術1 教科書QRコンテンツ 電子ブック(5.7MB)

新・高校生の美術1 表紙解説 掲載作家・作品のご紹介 電子ブック(7.9MB)

お役立ち資料

教科書検討の観点から見た特色 (440KB)

年間指導計画例 (432KB)

題材の目標と評価規準(例) 準備中

QRコンテンツ一覧 (168KB)

目次

オリエンテーション

つくりだすチカラ 2・3
なぜこれが美術なのか? 6・7
デザインを見つけよう 56~59
時間や空間をどう表現に生かすか? 80・81
美術史を学ぶと、何が分かるのか? 94・95
技法資料 121
美術だからこそ 155

絵画・彫刻

身近なものを描く 8~11
創造の舞台裏 彦坂木版工房 12・13
風景を描く 14・15
FOCUS 光 16・17
FOCUS 視点 18・19
想像の世界を表す 20・21
絵画を読み解く 22・23
創造の舞台裏 大小島真木 24・25
墨で描く 26・27
ドローイング 28・29
漫画の表現 30・31
人を表す1 平面と立体 32・33
人を表す2 人物画を描く 34・35
人を表す3 立体で表す 36・37
作家探究 レオナルド・ダ・ヴィンチ 38・39
彦根屏風を読み解く 40~44
和の空間 45
浮世絵版画の魅力 46・47
仏像の世界 48・49
抽象彫刻 50・51
身近な素材と立体表現 52・53
画材は今を呼吸する鴻池朋子 54・55

デザイン

マークやサインのデザイン 60・61
ポスターのデザイン 62~65
パッケージのデザイン 66・67
模様のデザイン 68・69
FOCUS モノとコト 70・71
道具のデザイン 72・73
プロダクトデザイン 74・75
創造の舞台裏 明和電機 76・77
作家探究 アルヴァ・アアルト 78・79

映像メディア表現

写真の表現 82・83
作家探究 ソール・ライター 84・85
FOCUS 記録と記憶 86・87
コマ撮りアニメーション 88・89
創造の舞台裏 山村浩二 90・91
伝達の映像 92・93

資料

西洋の美術 96
101~109
美術史年表 97~100
日本の美術 110~116
近代デザイン史 117・118
映像メディア史 119・120
様々な描画材料 122・123
支持体 124
鉛筆デッサンの準備 125
静物デッサン 126・127
石膏デッサン 128・129
水彩画を描く 130・131
油彩画を描く 132・133
日本画を描く 134・135
アクリル絵の具の可能性 136・137
書体の基本 138
版画の種類 139
様々な表現技法 140
豊かな混色表現 141
シルクスクリーン 142
エッチング 143
塑造 144
彫造 145
写真・動画の基礎 146・147
グループで映像作品をつくる 148
アニメーションの基礎 149
美の秩序 150
色彩 151・152
学びを振り返ろう/著作権と肖像権 153
美術館に行こう 154

著作関係者

著作者

  • 村上尚徳(IPU・環太平洋大学教授)
  • 横田 学(京都市立芸術大学名誉教授)
  • 安田 淳(元石川県高等学校教諭)
  • 中村美知枝(東京藝術大学非常勤講師)
  • 鴻池朋子(アーティスト)

校閲

  • <特別支援教育・カラーユニバーサルデザインに関する校閲>
  • 大内 進(星美学園短期大学日伊総合研究所客員研究員)
  • <防災・安全教育に関する校閲>
  • 河田惠昭(関西大学特別任命教授)

編集協力者

  • 石田泰道(元山梨県立甲府第一高等学校)
  • 猪又隆洋(神奈川県立上矢部高等学校)
  • 吉川和典(川口市立高等学校)
  • 倉本郁哉(東北生活文化大学高等学校)
  • 小林和弘(埼玉県立川越女子高等学校)
  • 斉藤篤史(長野県上田染谷丘高等学校)
  • 関口 浩(埼玉県立伊奈学園総合高等学校)
  • 中西一洋(東京都立晴海総合高等学校)
  • 橋本琢磨(NHK学園高等学校)
  • 橋本典久(明治大学)
  • 三井直樹(共立女子短期大学)

取り組み

特別支援教育・カラーユニバーサルデザイン

誰もが使いやすく学びやすい教科書をめざして、星美学園短期大学日伊総合研究所客員研究員の大内進先生に校閲をお願いしました。特別支援教育やユニバーサルデザインの観点から、見やすさ、読みやすさ、分かりやすさに配慮した教科書づくりに努めています。

防災・安全教育

関西大学特別任命教授の河田惠昭先生に校閲をお願いしました。昨今の防災・安全教育の重要性から考えて、防災・安全に関わる内容を取り扱い、生徒の意識を高めたいと考えています。