高校教科書×美術館
(高等学校 美術/工芸)

高校教科書×美術館
(高等学校 美術/工芸)

被災地からのことばのハンカチ展
2014.02.03
高校教科書×美術館(高等学校 美術/工芸) <No.054特別号>
被災地からのことばのハンカチ展
JAGDAやさしいハンカチ展Part 3
新版「高校美術2」P44掲載

アンケート記入風景(宮城県七の市商店街)

 やさしいハンカチ展は東日本大震災復興支援のために企画された展覧会で、今年で第三回目を迎えます。第一回展では現役で活躍するグラフィックデザイナーの作品が、第二回展では岩手・宮城・福島の小学生の絵を基にデザイナーがデザインした作品が展示・販売されるなど企画の幅が広げられています。第三回展のテーマは「ことば」です。同3県の商店街で復興に関わる方々の「ことば」を基にデザインした作品が展示・販売されます。
 商店街で今なお復興に携わる人々がどのような言葉を紡いでいるでしょうか。今回つくられたハンカチは326種類。前向きなもの、明るいばかりではない現実を直視するものなど言葉はさまざまでそれ自体読み応えがありますし、その言葉に反応し与えられた色や形が実に多様であるのを見ても驚かされます。

展覧会場風景

 この展覧会が問いかけるのは復興支援のために何ができるかという考え方そのものかもしれません。生活の糧を与えるという支援は簡単ですが、10年先も復興活動は続くであろうことを考えれば、いずれ最前線でそれを担う子供たちには、「何が必要なのか」ゼロから自分たちで考え出す力が必要になるでしょう。第二回展では展覧会の収益金は被災地に贈られ、その使途を考えることも子供たち自身の課題としました。楢葉南北小学校(福島県)では、学校の鼓笛隊を復活させるために楽器を購入することに決めたと言います。第三回展ではさらに、産業をいかに被災地に呼び戻すかを考え復興商店街に焦点を当てたりして経済の問題へと視野を広げるなど、震災の記憶を現在、そしてこれからへと伝えてくれます。

(編集部)

 

<展覧会情報>

  • JAGDAやさしいハンカチ展Part 3 被災地からのことばのハンカチ展
  • 東京展 ~2014年2月23日(日) 東京ミッドタウン・デザインハブ
  • 神奈川展 2014年4月29日(火)~2014年5月5日(月) ヨコハマ創造都市センター3F
  • 広島展 2014年6月14日(土)~2014年6月29日(日) 旧日本銀行広島支店

展覧会概要

  • 岩手県・宮城県・福島県、東北3県の4つの復興商店街で「いまの思い」をテーマにして寄せられた言葉を基にデザインしたハンカチを展示・販売します。販売収益は、各商店街に還元されます。詳細は特設サイトico_linkをご覧ください。

東京ミッドタウン・デザインハブico_link

  • 所在地 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5F
  • TEL 03-5770-7509(公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会/JAGDA)
  • 休館日 会期中無休

その他、詳細は東京ミッドタウン・デザインハブico_linkでご覧ください。