小学校 書写(国語)

小学校 書写(国語)

とめ,はらい,はね(第1学年)
2019.08.07
小学校 書写(国語) <No.009>
とめ,はらい,はね(第1学年)
奈良県生駒市立生駒南第二小学校教諭 諸岡恭子

 これまで水書用紙を使った学習は,2年生の3学期,3年生の初めての毛筆指導で行ったことがありました。
 水書用紙を活用することで,すぐに書き始めることができ,筆の持ち方や特長をじっくり学習することができました。何重の渦巻きが書けるかに挑戦すると,こちらから指導しなくても,子どもたちの筆の持ち方はどんどんよくなっていきました。こちらが一番大切にしたいと思っている「筆を立てて,腕を大きく動かして書くこと」ができました。

1.1年生に,水書用紙を活用した学習を実施

 今回は,1年生の『かん字』「せんのおわり」「とめ・はね・はらい」の単元の学習で,水書用紙を活用した学習を行いました。筆は,水彩画で使用する「水書用筆」を使用して学習を進めました。
 「小」「大」の漢字の線の終わりに注目し,「とめ」「はね」「はらい」の特徴を子どもたちに聞きました。すると,「はね」は,「ぴょんとはねる」という答えが返ってきました。「はらい」については,「だんだん細くする」という答えが返ってきました。そこでこちらから,上にぴょんとはねあげた「はね」や左はらいと同じような「右はらい」などの悪い線の例を示しました。すると,「それはあかん」と言い,自分たちの言葉でいろいろな説明をしてくれました。そして,「はね」は「1回とまって,ゆっくり横にはねる」「右はらい」は「だんだん太くして,1回とまって,三角の形のようにはらう」とまとまりました。

2.説明後に,自分たちで確かめる実技へ

 次に,自分たちの線の終わりがきちんと書けているか,水書用筆を使って確かめようと実技を始めました。

 「これ,使ったことある」という子どももいましたが,初めて水書用筆を持つ子どもも多く,不安げな様子も見られました。まずは,姿勢や鉛筆の持ち方を確かめ,同じ持ち方で書くことを伝え,書き始めました。
 なかなか納得できる線が書けないようで,何度も何度も練習していました。力が入りすぎていたり,正しい持ち方ができていなかったりすると,なかなかうまく書けないようでした。

 しかし,水書用紙は,うまく書けなくても消しゴムを使わずにどんどん書き進めることができ,途中であきらめることなくうまく書けるコツを進んで学んでいました。

3.正しい持ち方で正しい線を書こうとすることで

 2学期の12月の取り組みでしたが,1年生のスタートの絵を活用した線描きの練習から筆を使うと,もっとわかりやすく線の違いを学習できるのではないかと感じました。そして,水書用筆を使って正しい線を書こうとしていくことで,正しい鉛筆の持ち方も身につくのではないかと感じました。また,3年生の初めての小筆指導のときにも水書用筆や水書用紙を活用すると,スムーズに指導できるのではないかと感じました。

○水書用紙・水書用筆とは?
 平成29年に公表された新学習指導要領解説 国語編に,「水書用筆等」の文言が明記されました。
 水書用筆は,弾力性に富み,扱いやすい筆記具です。また,併せて使う水書用紙は,水に濡れると色が変わり,乾くと元に戻るという特性があります。
 何度も練習できること,汚れを気にしなくてよいことなどから,低学年の子どもたちにぴったりの練習用具として,注目を集めています。