小学校 道徳

小学校 道徳

板書の工夫とポイント(第4~6学年)
2020.03.27
小学校 道徳 <No.035>
板書の工夫とポイント(第4~6学年)
東京都国分寺市立第四小学校 指導教諭 東小川智史

1 はじめに

 板書には児童の思考の流れが表れており、見易く、分かり易くすることは、全教科領域を問わず共通の課題と言えよう。板書を写真に収めることで、授業後、自己の実践について振り返ることができる。また、周りの先生方へ参考教材として活用することもできる。
 今回は、「特別の教科 道徳」の授業での板書の工夫とポイントについて、その一部をご紹介したい。

2 板書記録

(1)右から左へ

雨のバスていりゅう所で(4年)

●工夫した点
 右から左へ、教材の流れに沿って登場人物の心情を考え記した、自分自身にとって基本となる板書構成である。
●ポイント
 今回は中心発問(一番左側)において意見を左右に分類した。また、中心発問の場面絵だけB4サイズで提示し、他はA4サイズにしたが、後方からは小さくて見えにくいという声も挙がった。

(2)上下にわける

くずれ落ちただんボール箱(5年)

●工夫した点
 上下に分けた。上は第一発問と中心発問の心情を考え、下は第二発問の葛藤場面を、名札を貼ることで視覚化した。青色か黄色かの二択ではなく、黄色寄りだけど青色もあるという気持ちを表現させることで、対話につなげる。
●ポイント
 視覚化することで、友達の考えを聞いてみたいという児童の意欲につなげることができる。教師の意図的な指名も効果的に取り入れたい。

(3)左右にわける

手品師(6年)

●工夫した点
 上下に分けた。上は第一発問と中心発問の心情を考え、下は第二発問の葛藤場面を、名札を貼ることで視覚化した。青色か黄色かの二択ではなく、黄色寄りだけど青色もあるという気持ちを表現させることで、対話につなげる。
●ポイント
 中心発問は男の子の前で手品を披露している場面である。おもいやりではなく、誠実について考えさせる授業にしたい。

(4)高さを変える

言葉のおくり物(6年)

●工夫した点
 場面絵の高さ。主人公一郎の、すみ子への不満が無くなっていくことを、場面絵を下げることで表現した。
●ポイント
 児童は、同じ学級にいるという設定で各場面の心情を考えた。すみ子のよさを様々な視点からおさえたい。

3 おわりに

 「特別の教科 道徳」の板書は、児童がノートに書き写すものではなく、児童の思考を整理し、考えを広げたり深めたりできるようにするという大きな役割がある。今回紹介したほかにもさまざまな構造の板書があるだろう。どのような授業展開を構想するか、教師が明確な意図を持って、児童がより深く考え、話し合えるような板書計画を考えることはとても重要である。授業を積み重ねるなかで、どのような板書が効果的であったか、今後も板書の記録を残し分析しながら、工夫と反省を繰り返したい。