小学校 社会
小学校 社会

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。
1.単元名
「火災をふせぐ」
2.目 標
火災の予防や発生時の備えに努めている消防署や関係機関について,資料を活用して調べ,関係機関が地域と協力して火災の防止に努めていることや,関係の諸機関が相互に連携して,緊急に対処する体制をとっていることについて理解し,関係機関に従事している人びとや地域の人びとの工夫や努力を考えることができるようにする。
3.評価規準
社会的事象への関心・意欲・態度
○消防署や関係機関について関心をもち,それを意欲的に調べている。
○市民の一人として消防の問題と関わり,安全な社会を考えようとしている。
社会的な思考・判断・表現
○消防署や関係機関について学習問題や予想を考え,表現している。
○関係機関が地域と協力して火災の防止に努めていることや,関係機関が相互に連携して緊急に対処する体制をとっていることを関連付けて,関係機関や地域の人びとの工夫や努力について考え,自分の考えを適切に表現している。
観察・資料活用の技能
○消防署の様子の写真やビデオを調べて,消防署や関係機関について必要な情報を集め読み取っている。
○調べたことや考えたことを新聞にまとめている。
社会的事象についての知識・理解
○関係機関が地域と協力して火災の防止に努めていることについて理解している。
○関係機関が相互に連携して,火災に緊急に対処する体制をとっていることについて理解している。
4.本単元の指導にあたって
本学級の子どもたちは社会科の学習で楽しんで調べたり,考えたりすることができている。前中単元「人びとのくらしとごみ」の学習では,大阪市の人口とごみの量のグラフの読み取りや焼却工場の見学を通して,自分たちのくらしをささえるごみ処理について意欲的に考えることができた。また,学習したことをポスターに表現する活動も経験している。
本学級の子どもたちは「考える」段階では,自分たちの生活を想起して具体的に考えることができているが,「調べる」段階の学習内容を活用して,自分の意見を深めたり,理由付けしたりすることはまだ苦手である。また,話し合い活動では,友だちの意見を聞くことはできているが,それに対して比較したり,共通点を見つけたりして,よりよい考えを導き出すまでには至っていない。
火災は自分たちの生活や生命を一瞬のうちに奪ってしまう恐ろしいものであり,子どもにとって非常に関心のある教材であり,子どもの学習意欲を高められる教材でもある。また,本校の中には消火用バケツや消火器など防火設備は多く設置されており,防火に対する意識はもちやすい環境にあると考えられる。自分たちの生活と深い関わりがあり,学習した内容が実生活につながりやすい教材なため,学習後も学習して習得したことを継続して活用できる教材であると考える。
ICT機器を使えば,効果的に資料を活用できると思われる。電子黒板を使い,資料をタイミングよく提示することで,子どもの学習意欲を高め,また,火事の件数や被害額のグラフの読み取りを通して身近にある防火の問題について自分なりの考えをもつことができるようにしたいと考えた。
5.単元の指導計画(全9時間)
小単元名 |
時 |
子どもの意識の流れ |
○目 標 |
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学校の消防設備 |
1 |
学校には,さまざまな消防設備があるね。どこにどれだけあるのだろう。 |
○学校内にある消防設備の種類や数,設置場所について調べ,学校やその周辺で火災が起こったときの対処の仕方に関心をもつことができるようにする。 (関心・意欲・態度)[子どもの発言][学習ノート] |
学校にはおそろしい火災に備えてたくさんの消防設備があったね。では,大阪市ではどれくらいの火災が起こり,その原因や被害はどうなっているのだろう。 |
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おそろしい火災 |
1 |
○大阪市の火災の発生件数や原因,被害の様子について意欲的に調べ,火災への対処の仕方に関心をもつことができるようにする。 (関心・意欲・態度)(技能)[学習ノート] |
|
大阪市では,毎年多くの火災が起こっているんだね。火事を消すために消防署ではどんな仕事をしているのだろう。 |
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消防署について調べよう |
2 |
○消防署に関する資料をもとに,消防署の施設や働く人の様子を調べることを通して,働く人の気持ちを実感的にとらえるとともに,役割を分担し,組織的に活動していることを理解することができるようにする。 (知識・理解)(技能)[学習ノート] |
|
消防署では,火事を消すためにいろいろな仕事をしているんだね。火事のない時にはどんな取り組みをしているのだろう。 |
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火災を防ぐ消防署の取り組み |
1 |
○消防署の人たちの防火活動について調べ,消火活動だけでなく,火災を防ぐための活動にも取り組んでいることについて考えることができるようにする。 (思考・判断・表現)[子どもの発言][学習ノート] |
|
消火以外にも防火活動に取り組んでいるんだね。万一,火事が起こった時には,119番に通報するけど,どんな仕組みになっているのかな。 |
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119番のしくみ |
1 |
○119番通報が指令情報センターにつながり,その後,消防署などの関係機関に連絡されていることを調べ,関係機関が連携し,協力して消火活動にあたっていることを理解することができるようにする。 (知識・理解)[子どもの発言][学習ノート] |
|
指令情報センターでは,いろいろな所と協力して消火活動を指揮しているんだね。わたしたちも家庭や地域で防火について何か取り組むことはないかな。 |
|||
火災を防ぐ家庭や地域の取り組み |
1 |
○地域防災リーダーなどの活動を調べ,消防署だけでなく家庭や地域の人びとの取り組みも防火や消火活動にとって大きな意味をもつものであることを理解できるようにする。 (知識・理解)(関心・意欲・態度)[学習ノート] |
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「防火」新聞を作ろう |
2 |
わたしたちの安全なくらしを守る消火・防火の活動や取り組みについて学んだことを新聞にまとめ,自分にできることを考えてみよう。 |
○火災から人びとを守るための様々な取り組みを新聞にまとめるとともに,今の自分にできることを考えて表現し,それら交流することができるようにする。 (思考・判断・表現)[新聞(作品)] |
6.本時の学習
①目 標
学校内にある消防設備の種類や数,設置場所について調べ,学校やその周辺で火災が起こったときの対処の仕方に関心をもつことができるようにする。
②学習展開
○学習活動 |
○指導上の留意点 |
・資料等 |
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---|---|---|---|
つ |
○学校にある消防設備について話し合う。 |
○「学校の中で火事が起きた時に火を消したり,避難を知らせたりするものはあるかな」と発問し,身の回りにある消防設備に目を向けることができるようにする。 |
・実物 |
学校には,消防設備はどこにどれだけあるのだろう。 |
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調 |
・写真 |
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○校内にある消防設備の数と位置を調べる。 |
○電子黒板で提示された校舎配置図を調べ,消火用バケツ,消火器,非常出口,消火栓の数と位置を調べることができるようにする。 |
||
考 |
○消防設備が分散されて配置されているわけについて考える。 |
○「もし,火事が起きた時のこれらの消防設備がなかったら学校はどうなるか」と発問し,火事の消火や被害拡大を防ぐために消防設備があることを理解できるようにする。 |
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ひ |
○地域の消火施設・設備について話し合う。 |
○学校周辺の火災時には学校のプールの水も地域の消火に使われていることを話し合い,町の消火設備への関心を高めるようにする。 |
・写真 |
評価「関心・意欲・態度」
学校内にある消防設備について意欲的に調べることを通して,学校やその周辺で火災が起こったときの対処の仕方に関心をもつことができたか。(子どもの発言)(学習ノート)
写真資料
![]() ①非常出口 |
![]() ②非常出口 |
![]() ③消火栓 |
![]() ④消火栓 |
![]() ⑤校舎配置図(学校内の消防設備) |
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![]() ⑥学校のプール |