小学校 社会

小学校 社会

「国民の代表者による選挙」(第6学年)
2014.02.10
小学校 社会 <No.020>
「国民の代表者による選挙」(第6学年)
大阪府 小学校教諭

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

「国民の代表者による選挙」

2.目 標

 国民の代表者による政治に関心をもち,三権分立や選挙などについて調べ,人びとのくらしと政治との関わりについて考えることを通して,市や府・国の政治が人びとの生活の安定と向上を図るために大切な働きをしていることを理解できるようにする。

3.評価基準

社会的事象への関心・意欲・態度
○日本の政治の働きに関心をもち,人びとの生活の安定と向上のために,地方公共団体や国の政治の働きが反映していることを意欲的に調べることができる。

社会的な思考・判断・表現
○人びとの積極的な政治参加が民主政治を支えていることに気づき,人びとの政治参加の方法と公正な選挙の重要性について考え,調べた過程や結果を目的に応じてわかりやすく工夫し,表現できる。

観察・資料活用の技能
○日本の政治の仕組みや働きを的確に調査し,資料を効果的に活用して具体的に調べ,調べた結果や過程や結果をまとめることできる。

社会的事象についての知識・理解
○選挙のしくみや国会の働きなどを調べて,現在の政治は国民の選んだ代表者による議会政治によって成り立っていることを,国民主権と関連づけて理解できる。

4.本単元の指導にあたって

 児童は,日本の政治に関して,政党の名前や総理大臣の名前をマスメディアを通して知ってはいるが,政治と自分たちの生活との関わりについては,ほとんど気づいていない。テレビでの外国の大統領就任演説の様子を通して,選挙による代表者の選出や,人びとと政治とのつながりに少し関心を持ち始めている児童も本学級にはいる。
 本単元では,国会・内閣・裁判所のしくみやそれぞれの働きを調べることを通して,人びとの暮らしと政治を民主主義の意義と結びつけて考えることができる。また,国民の代表者として選ばれた国会議員が国民生活の安定と向上に努めることや,住民が代表者を選ぶために正しく選挙権を行使することが大切であることを考えることを通して,選挙のしくみについて理解し,人びとの積極的な政治参加が民主政治を支えていることにも気づくこともできる学習である。
 そこで,資料集やインターネットを活用して,国会・内閣・裁判所の仕事やしくみについて調べ,人びとの権利と自由を守るために三権分立の仕組みをとっていることを理解できるようにする。また,選挙について調べる学習では,模擬投票を行うことを通して選挙のしくみについて理解し,公正な選挙を行うための工夫や責任をもって人を選ぶことの大切さを考えることができるようにする。そして,投票率の低下のグラフを活用して選挙の現状について知り,選挙に関心をもつことが大切であることに気づくことができるようにする。
 本単元全体を通して,国の政治が人びとの生活の安定と向上を図るために大切な働きをしていることが理解できるようにしたい。

5.本単元の指導計画

学習のねらい

子どもの活動と内容

評価規準の具体例

1

2

国会・内閣・裁判所の仕事やしくみについて調べ,国民の願いを実現するための国会・内閣・裁判所の働きについてまとめることができるようにする。

国の政治は,どのように進められているのだろう。

国会・内閣・裁判所の仕事やしくみについて意欲的に調べている。
(関心・意欲・態度)

国会・内閣・裁判所の仕事やしくみについて調べたことを,国民とのつながりを考えながらわかりやすくまとめることができている。
(思考・判断・表現)

○国会の本会議の様子や最高裁判所の様子の写真を見て気づいたことを話し合う。
○国会・内閣・裁判所のうち1つを選び,インターネットや資料集などを活用して,それぞれの機関のしくみと主な仕事について調べる。
○国会・内閣・裁判所のそれぞれの機関と国民の願いとの関係についてまとめる。

3

4

国会・内閣・裁判所の相互の関わりについて調べ,国の政治を三つの機関が分担してすすめていることを理解できるようにする。

国の政治が三権に分かれているのはなぜだろうか。

国の政治は,人びとの願いを実現していくために,三権分立のしくみをとっていることが理解できている。
(知識・理解)

○国会・内閣・裁判所の相互の関係と,国民との関係について図式化して,話し合う。
○国の政治が三権に分かれているわけを考える。
○国民の政治への参加について話し合う。

5
本時

選挙のしくみについて調べ,選挙は人びとの願いや要求の実現をめざす重要な機会であることを理解し,人々の政治参加の方法と公正な選挙の重要性について考えることができるようにする。

人びとの願いや要求を実現するための選挙はどのように行われているのだろう。

人びとの願いを実現する選挙のしくみについて調べ,人びとの政治参加の方法と公正な選挙の重要性について考え,適切に表現している。
(思考・判断・表現)

○投票箱や記載台の実物を見て,選挙について知っていることや気づいたことを話し合う。
○選挙のしくみについて調べる。
○選挙を行うためにいろいろな工夫がされている理由について考える。
○選挙における現状について話し合う。

6.本時の学習

①目 標
 選挙のしくみについて調べ,選挙は人びとの願いや要求の実現をめざす重要な機会であることを理解し,人びとの政治参加の方法と公正な選挙の重要性について適切に判断する。

②学習展開

主な学習活動・内容

指導の工夫と教師の支援

資料

○投票所について話し合う。
・投票箱の鍵
・記載台のしきり

○投票箱や記載台の実物を提示し,気づいたことを話し合うようにする。

・実物「投票箱・記載台」

○選挙のしくみについて調べる。
・模擬投票
・20歳以上の日本国民に選挙権
・一人一票
・無記名
・時間制限
・投票箱の確認

○投票所の見取り図を提示し,投票の流れについて知ることができるようにする。
○選挙権について教科書で調べるようにする。

・投票所の見取り図

○『私たちの住む生野区の代表を選ぼう』という仮設定の模擬投票を体験して,気がついたことをノートに書かせるようにする。

・候補者のポスター
・投票用紙

○選挙を行うためにいろいろな工夫がされている理由について考える。
・公正な選挙
・投票の自由
・平等な選挙

○模擬投票の開票を行い,調べた事柄の中から,選挙をする上で,一番大切だと思うものを選び,その理由を話し合うようにする。
○公正な選挙について考え,一票の重さに気づくことができるようにする。

・模擬投票の開票

○選挙における現状について話し合う。
・投票率の低下
・外国人の参政権の問題

○人びとの願いや要求を実現していくために,選挙に関心をもつことが大切であることに気づくことができるようにする。

・表「投票率の移り変わり」

7.板書計画

投票箱

記載台