高校教科書×美術館
(高等学校 美術/工芸)

高校教科書×美術館
(高等学校 美術/工芸)

瀬戸内国際芸術祭2013
2013.03.01
高校教科書×美術館(高等学校 美術/工芸) <No.045特別号>
瀬戸内国際芸術祭2013
新版「高校美術1」P.78・79掲載

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瀬戸内国際芸術祭2013(春)開催ポスター

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レアンドロ・エルリッヒ「美しく捨てられて」

 瀬戸内国際芸術祭は3年に一度開催されるアートトリエンナーレ。第2回目となる今回は香川県西部の5島(沙弥島・本島・高見島・粟島・伊吹島)を加えた全12の島々等を舞台に開催。さらに、会期を春・夏・秋の3期に分け、日本の四季の美しさもアピールします。
 従来、美術はホワイトキューブと呼ばれる世界中どこでも同じ白い壁の空間で、作品自体に目を向けるように展示されてきました。これとは異なって、瀬戸内国際芸術祭では、島々に展開するアートは作品が設置された景観の魅力を際立たせ、その土地の文化に目を向けさせてくれます。瀬戸内海は、日本で最初の国立公園として指定された地域です。静かな内海が作り出す景観は美しく、観光資源として素晴らしいものです。しかし実際には、過疎化や産業廃棄物の問題など、島はそれぞれに問題を抱えています。アートやデザインを通して、なぜこの地を選んで人々は暮らしてきたのかという土地の記憶、人々の暮らしや文化を見直し、世界の課題を考えるきっかけとすることが目指されているのです。
 「美しく捨てられて」(高松市)のレアンドロ・エルリッヒは「スイミング・プール」(金沢21世紀美術館)などでも知られるアーティストで、高松市東部の観光地・屋島山頂の、廃止になったケーブルカーの山上駅を作品にし、再び息を吹き込みます。また、夏に公開される横尾忠則(アーティスト)と永山祐子(建築家)による「豊島横尾館」(豊島)や、香川県内の中学生が参加した「オニノコ 瓦プロジェクト」(女木島)など、形式もさまざまな作品が新しく発表されます。
 ポスターなどのコミュニケーションデザインも見どころの一つです。ポスターは季節ごとに色が変わり、ひるがえる旗によって瀬戸内海の風の気持ちよさと四季の変化を表現します。多くのアートが展開される芸術祭のポスターは、それ自体が特別な主張をすることはなくシンプルなデザインで、来場者を心地よく迎えてくれます。

(編集部)

<瀬戸内国際芸術祭情報>

  • 瀬戸内国際芸術祭2013ico_link
  • 春:2013年3月20日(水)~4月21日(日)
    夏:2013年7月20日(土)~9月1日(日)
    秋:2013年10月5日(土)~11月4日(月)
  • 会場 直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、沙弥島、本島、高見島、粟島、伊吹島、高松港・宇野港周辺

芸術祭概要

  • 前回芸術祭から大幅に規模を拡大し、23の国と地域から約210組のアーティストが参加、全12の島々を舞台に作品を展開します。新しく加わった5島のうち、沙弥島は春、伊吹島は夏、高見島・本島・粟島は主に秋に作品が展示されます。

■瀬戸内国際芸術祭実行委員会事務局ico_link

  • 所在地 高松市サンポート1番1号 高松港旅客ターミナルビル6階
  • TEL 087-813-0741(平日)
  • FAX 087-813-0743
  • 総合インフォメーション
    TEL 087-813-2244(土日祝)

その他、詳細は瀬戸内国際芸術祭2013Webサイトico_linkでご覧ください。