小学校 道徳
小学校 道徳

はじめに
本主題を自分事としてとらえさせるには、人間理解が大切であると考える。いじめ問題は、児童の身近に潜む、差別や偏見に関わる大きな問題の一つである。いじめ問題を生む、「差別や偏見の芽」となる心、例えば「あの人なら許せるけど、この人だとなんだか許せない。」のような心は、多くの人の心に潜むものである。そのような人間の弱さを知った上で、差別や偏見を絶対に許さないという道徳的態度を養うことが大切だと考える。
人種差別は、日本の児童にとってあまり身近な問題ではないと考える。だからこそ、人種差別について考える時、児童は憤りや悲しみを感じ許さないという心を強くもつであろう。その心を児童の身近な生活にもつなげて考えさせたいと思い、授業作りを行った。
1.主題名
差別のない世の中に C[公正、公平、社会正義]
2.ねらいと教材
○ねらい
誰に対しても差別をすることや偏見をもつことなく、公正、公平な態度で接し、正義の実現に努めようとする道徳的態度を養う。
○教材名
マーチン少年の夢―キング牧師(文溪堂)
3.主題設定の理由
(1)ねらいとする道徳的諸価値について
本主題は民主主義の基本である社会正義の実現に努め、公正、公平に振る舞うことに関するものである。小学校高学年においては、差別や偏見がいじめなどの問題につながることを理解できるようになる。傍観的な立場に立ち、問題から目を背けようとすることは、自分自身の問題であるという意識が足りないことから生ずるものである。その上で、社会正義の実現は容易ではないが、身近な差別や偏見に向き合い、公正、公平な態度で行動できるようになることが求められている。
人種差別など多くの差別について、児童は身近には感じていないかもしれない。本時では、そういった世の中にある差別を客観的に捉えるのではなく、「仲の良いあの子なら許せるけど、この子については許せない。」などの自分の心の中にも潜むかもしれない差別や偏見の芽に目を向け、公正、公平に振る舞おうとする態度を養いたい。
(2)児童の実態
本学級では、日頃から、違いを受け入れて、仲良くすることを指導している。互いにその人らしさを理解し、仲良く過ごすことができている。人それぞれの良さを理解するだけでなく、人それぞれの苦手さ、生まれながらの個性における違いも受け入れて、誰に対しても公正、公平に振る舞おうとする態度を養いたい。
4.本時の展開
学習活動 ○主な発問 ・予想される児童の反応 |
・指導上の留意点 ☆評価 |
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導 |
1 マーチン=ルーサー=キングについて知る。 |
・教材への導入として、マーチン=ルーサー=キングや人種差別について説明する。 |
展 |
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○みなさんはそういう心をもって、生活することができていますか。 |
・ワークシートに書かせる。 |