小学校 図画工作

小学校 図画工作

「さくらの木の物語」(第4学年)
2024.03.08
小学校 図画工作 <No.055>
「さくらの木の物語」(第4学年)
東京都荒川区立赤土小学校 中島綾子

1.題材名

さくらの木の物語

2.学年

第4学年

3.分野

絵に表す

4.時間数

6時間

5.準備物

児童: 絵の具セット
教師: 共用絵の具、黄ボール紙、チョーク、コンテ・パステル

6.題材設定の理由

 本校には正門のそばに桜の木が1本だけある。子供たちが毎日目にしている風景の一部の木ではあるが、その木を今回の図工の「主人公」として見つめることで、より自分なりの見方が深まるのではないかと考えた。いつもとは視点を逆にし、「自分が見る木」でなく「自分たちを見つめる木」として擬人化しその気持ちを考えてみたり、木から見える季節の移り変わりや出来事などの想像を膨らませたりすることを通して、自分の思いをもち、絵に表す。
 最初は木を見たり触ったりして簡単にチョークやコンテなどでスケッチをし、その後は共同絵の具や自分の絵の具を主材料として描く。自分の手や身体の感覚、今までの絵の具の経験を生かしてかき、個々の必要に応じて、コンテやパステルなど今まで使ったことのある材料を使えるようにした。視点を変えることで心に浮かんだ物語や、描きながら気付いたことを基に、自分らしいイメージを広げて描いてほしい。

7.題材の目標

【知識及び技能】

  •  自分の感覚や行為を通して、絵の具で表した形や色の感じが分かる。
  •  絵の具などの材料や用具を適切に扱うとともに手や体全体を十分に働かせ、自分の表したい感じに合わせてそれらを工夫して使って表す。

【思考力、判断力、表現力等】

  • 絵の具の色などの感じを基に、自分のイメージをもちながら、考えたこと、感じたこと、想像したことから表したいことを見付け、形や色、材料などを生かしながら、どのように表すかについて考える。
  •  桜や周りの様子の形や色などの感じを基に、自分のイメージをもちながら、自分たちの作品の造形的なよさや面白さ、表したいこと、いろいろな表し方などについて感じ取ったり考えたりし、自分の見方や感じ方を広げる。

【学びに向かう力、人間性等】

  • 進んで自分のイメージした桜を表現する活動に取り組み、つくりだす喜びを味わうとともに、形や色などに関わり楽しく豊かな生活を創造しようとする。

8.題材の評価規準

【知識・技能】

  •  自分の感覚や行為を通して、絵の具で表した形や色の感じが分かっている。
  •  絵の具などの材料や用具を適切に扱うとともに手や体全体を十分に働かせ、自分の表したい感じに合わせてそれらを工夫して使って表している。

【思考・判断・表現】

  • 絵の具の色などの感じを基に、自分のイメージをもちながら、考えたこと、感じたこと、想像したことから表したいことを見付け、形や色、材料などを生かしながら、どのように表すかについて考えている。
  •  桜や周りの様子の形や色などの感じを基に、自分のイメージをもちながら、自分たちの作品の造形的なよさや面白さ、表したいこと、いろいろな表し方などについて感じ取ったり考えたりし、自分の見方や感じ方を広げている。

【主体的に学習に取り組む態度】

  • つくりだす喜びを味わい進んで自分のイメージした桜を表現する学習活動に取り組もうとしている。

9.指導計画(全6時間)

活動について知る。桜を見たり触ったりしながらイメージを広げる。(45分)
さくらをスケッチする。(45分)
絵の具で自分がイメージしたことをかく。(135分)
題名をつける。作品を鑑賞し合い、振り返りをする。(45分)

10.指導の手立て

 桜の木を見に行く前に、「桜はいつもどんな景色を見ているのだろう。何を考えているのだろう。」などと投げかけ、桜を主人公としたときの視点をもつようにすると、桜を見たときに親近感が湧いたり、かきたいイメージをもったりしやすいように思った。
 桜の木がある場所に行き、A4サイズほどの画用紙にスケッチしながら、かきたいイメージを膨らませられるようにした。

11.児童の様子

 絵の具は共用絵の具も使ったことで、たっぷりとした絵の具で表したい児童はどんどん絵の具を重ねながら、表したい感じを探っていた。初めからはっきりとした表したいイメージがあった児童もいて、一部の枝だけをかいている児童もいた。見た桜をきっかけにそれぞれのイメージの世界に繋がっていった。

※本実践の児童作品は、「みんなの図工ギャラリー」からご覧いただけます。
https://www21.nichibun-g.co.jp/zuko_gallery/