ICT・Educationバックナンバー
ICT・EducationNo.43 > p30〜p31

タイピング指導のツボ−2
「ブラインドタッチの指導」
今回のポイント
 このシリーズでは3回にわたって,タイピング指導の方法・手順について考えてみます。2回目の今回は,ブラインドタッチ技術の指導についてです。
 前回,キーボードのホームポジションについて,改めてキーボードの配置を眺めるという作業から一連の流れで,その指導方法について提案させていただきました。ホームポジションに指を乗せる習慣がついてきたら,次のステップとしてブラインドタッチを修得させると良いと考えられます。このブラインドタッチの修得は,キーボード入力のスピードを劇的に高める効果があります。
 ただ,修得の際にきちんとした方法をとらないと,我流で癖がついてしまい,一旦ついた癖はなかなか修正することが難しくなります。ホームポジションとブラインドタッチの修得が,各種検定試験などでの入力スピード認定対策としても最も有効な手段といえるでしょう。
 ただし,ある程度の入力スピードが修得できると,次の段階として,基本的な日本語読解力が必要になります。例えば,原稿となる文書がある場合には,その原稿を正しく読む力がないと,漢字変換がスムーズに出来ません。自作の文書を入力する場合には,当然ながら文書作成力が必要です。
 クラスにおける実習の指導で,このあたりに問題を感じられるケースに直面した場合は,とりあえず,自作の文書ではなく,原稿を用意して入力させる方法で進めると良いでしょう。それでも生徒たちのモチベーションが保ちにくい場合は,流行歌の歌詞や,テレビ番組の解説など生徒に身近なネタを用意すると良いと思われます。

ブラインドタッチ指導の展開例
項目指導内容留意点
(1)キーボード配列の説明 5分 *各指のホームポジションを確認させる。 *導入と確認のために,短い入力練習を行う。
(2)ブラインドタッチの説明 10分 *キーを見ずに入力できるようになるための練習方法を指示する。
*入力のたびに,ホームポジションに戻すことを徹底させる。
*道具を使ってキーが見えないようにして入力させる方法もある。 *キー入力練習ソフトを使用する場合は,その使い方を説明する。
(3)入力練習 30分 *指示された入力練習をブラインドタッチで行う。 *最初は,単語単位で入力できる問題から,徐々に長文に挑戦させるようにする。
*先生が読み上げた単語を,順に入力させる方法もある。
(4)まとめ 5分 *ブラインドタッチの練習方法が理解できたか確認する。 *ブラインドタッチは,反復練習により,必ず上達するという感覚を持たせる。
*時間に余裕があれば,もう一度,今度はなるべくキーボードを見ないで入力する練習をさせてみると良い。 *常に,正しいホームポジションからの入力を心がけるよう再度確認する。
●ブラインドタッチを効果的に修得させるために
 ブラインドタッチの修得には,強制的な目かくしが有効です。しかし,文書データの入力の際に例えばアイマスクなどで,何も見えない状態にしてしまうと,入力した文字データを表示するディスプレイも見えません。そこで,キーボードの文字だけが見えない状態を創り出す必要があります。文字が書いていないキーボードも市販されています。また,キーに小さいシールを貼り付けて見えなくする方法もあります。ただ,コスト面や学校でさまざまなクラスが共用するマシンという状況を考えると,小道具を用意して一時的にキーの文字を見えなくする方法がベターかと思われます。
●ブラインドタッチ練習用の小道具の作り方
1.段ボール箱を利用した目かくし
 キーボードを覆うのに適当なサイズに段ボールを四面で切り取って利用する。
厚紙でこの形状を作成しても良い。
段ボール
 100円均一のショップなどにある蓋のない形状のボックスの一面をくり抜いて,使用する方法もある。手の可動範囲を考慮して,高さをやや大きい目に作成するのがコツである。
百均の箱
 また,ハンカチやタオルなどの布をキーボードにかぶせて手を入れて入力する方法もある。長い目の布が良い。ただし,かぶせたモノの負荷が手にかかるので,注意が必要。
2.めがねを利用する。
 めがねのフレームの下辺に,プレートを付けて目かくしにする。
 100円均一のショップなどにあるオモチャのめがねのレンズの部分をはずして利用すると良い。
めがね
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