ICT・Educationバックナンバー
ICT・EducationNo.8 > p18〜p19

交流
デジタルリテラシーの普遍化を目指して
NipponEducationalComputingAssociation(NECA) 今野絵里子
info@neca.gr.jp
http://www.neca.gr.jp
 子供たちがキーボードに向かう姿が,21世紀の学校で,当たり前の教室風景となりました。パソコンやインターネットなど,デジタル革命の成果を使いこなすことは,これからの社会で生きていくのに必要な基本的な技術(デジタルリテラシー)なのです。

  しかし,学校に入ったインターネットやパソコンを教育の道具として効果的に使う方法の研究は始まったばかりで様々な試行錯誤が続いています。

  一方,デジタルリテラシーの普遍化を目指し,教育を実践的に研究する組織も世界各地に生まれています。

  NECA(NipponEducationalComputingAssoci-ation)“ねっか”もそうした目的で生まれた組織の一つです。

  NECAは,全米最大規模の情報教育カンファレンスNECC(NationalEducationalComputingConference)との密接なコミュニケーションを元に,世界の教育団体との交流を通して21世紀の新しい教育を生み出すお手伝いをしています。
■NECAは,1997年NECCに参加した感動と驚きから生まれた団体です。
 それは,
*教育の現場で様々な試みが自発的にされていること。
*生み出された成果が,積極的に紹介され交流を通して,草の根的に全米の教育現場に広がっていくこと。
*担い手なる先生たちが,老若男女を問わないこと。

  そして何よりも印象的だったのは,コンピュータやインターネットを教えるのではなく,道具として様々な学習の中で如何に使いこなすかがポイントになっていることでした。

  また“なぜコンピュータを使うのか”という問いかけに,“これからの社会はどんな社会か”“子供たちは生きるすべとしてどんな技量を求められるのか”等々,基調講演では強力なメッセージを伝えていきます。

  未だ,コンピュータ自体の使い方を教えるのに精一杯だった当時の日本の教育とは隔世の感があり驚きました。

  教育指導要領のないアメリカでは,一人一人の先生方が工夫された“いろいろ”が,とても参考になると思いました。こうした先進的な事例を日本に紹介するとともに,日本の先生方にアメリカで現在進行形で進んでいる実践を肌身で感じてもらう,さらに具体的なプロジェクトを日本に持ち帰って,より進んだ交流へ発展できるよう,非営利の団体としてNECAは活動しています。
■NECCに積極的に参加しているNECA
 NECCは,アメリカの学年最終月である6月に毎年開かれる,新しいテクノロジーを使った教育をテーマとする全米最大規模のカンファレンスです。

  全米のコンピュータを使った15の教育団体が共同で開催します。2001年で22回目となります。年を追うごとに開催規模が大きくなっており,2000年のアトランタ大会では,1万3千人の教師または教育関係者の参加がありました。

  NECAは,その準備段階にNECC役員を招待しての交流会をもちました。99年,2000年には,日本の学校の先生によるアメリカでの事例発表を行うなど毎年一歩ずつ新しいチャレンジを積み重ねてきました。そして積極的な参加と交流の積み重ねでアメリカNECC役員と深い信頼関係を作り上げてきました。

  本来なら審査を通った者しか出来ない研究発表も,私どもNECAの選抜した研究については無条件で発表の場を提供されるまでになりました。
■NECAは,2001年,シカゴで行われるNECCで日本を代表する発表者を,コンペティッションで選出します。
 今年2001年のNECCは,6月シカゴで開催されます。NECAでは,今回も日本の事例発表を中心に参加しますが,新しい試みとして発表者を公募しコンペティッションを行います。既に参加受付は昨年12月19日に締め切られ,全国からたくさんの応募のあり,関心の高さを実感しました。

  コンペティッションは以下の要領で実施されるもので,マイクロソフトをはじめとする協賛各社のご協力により,日本を代表する発表者2名が無料で発表ツアーに招待されます。
■NECAのもうひとつのプロジェクトGeorgeLucusEducationalFoundationとの交流
 NECAは,様々なアメリカの情報教育団体との交流を目指していますが,中でも親密な交流をしているのが,StarWarsの監督として有名なGeoargeLucusが設立したGeorgeLucsuEdu-cationalFoundation(ジョージルーカス教育財団)です。現在,財団が制作したドキュメンタリービデオ「Lean&Live」の日本語化のプロジェクトを進めています。

  このビデオは,テクノロジーの進歩によって教育はどのように変わっていくか,子供たちは将来どんな社会で生きていくのか,専門家の意見を交えながら,インターネットやパソコンを使った教育をドキュメントしたものです。アカデミー賞俳優の,ロビンウイリアムスが司会案内役を務めています。先生方の研修に役立つ映像素材です。
■NECAは皆様の支持をお願いします
 NECAは非営利の任意団体で,協賛各社の協力で運営されています。興味をもたれましたら,是非インターネットHP(www.neca.gr.jp)をご覧ください。より詳しい情報を紹介しています。また,運営に協賛していただける企業を求めています。
ご連絡,アクセスお待ちしています。
前へ   次へ
目次に戻る
上に戻る