情報科プラス(情報)

情報科プラス(情報)

【情報の流儀】神奈川大学附属中・高等学校 小林道夫教諭 ほか
2013.06.01
情報科プラス(情報) <No.000 創刊準備号>
【情報の流儀】神奈川大学附属中・高等学校 小林道夫教諭 ほか

Web限定コンテンツ

「小林先生を知るモノ語り」+

学校

神奈川大学附属中・高等学校は,神奈川大学の創立者である米田吉盛氏が,1984年に開校。「質実剛健・積極進取・中正堅実」を進学の精神とする,中高一貫校の進学校。 同校は,24年前から,先駆的に「情報教育」に取り組み,「情報教育推進校」として注目を集めてきた実績がある。同校には6つの教育目標があるが,そのひとつに「情報化社会への対応」を掲げ,情報を選択する力,情報を生み出す力を育成するとしている。

コンピュータ教室

iMacが幾何学模様を描くように配置されたコンピュータ教室。テーブルは,iMacのサイズに合わせて特注されたという(現在、iMac21.5インチモデルが40台設置されている)。生徒は,時間を問わず,自由に出入りでき,iMacに触れることができる。また,この教室とは別に,Windows機専用のコンピュータ教室もある。さらに,いずれの教室にもAdobe 社の「Adobe Creative Suite」がインストールされ,デザイン,Web,ビデオ,画像処理において,実社会でプロが行うのと同等の制作環境が整えられている。

愛読書

写真左:「Computers : An Illustrated History」Christian Wurster(Taschen)
「タイトル通りコンピュータの歴史を豊富な写真で紹介した本。エディトリアルデザインもさることながら, Machintoshの名機がたくさん載っています。いまだに何時間見ていても飽きません」。
写真右:「ハイパーメディアと教育革命」浜野保樹著(アスキー)
「学生のときこの本と出会い,コンピューター教育,メディア教育がいかなるものかを知り,衝撃を受けました。わたしがこの世界に進むきっかけ,あこがれを与えてくれた本で,いまでも時折読み返したりします」。

レゴ社認定LEad Teacherの名刺と「マインドストームNXT」

写真左:レゴ社が認定する「LEad Teacher(リードティーチャー)」の名刺。現在,日本では4人しか認定されていない。「これまでの取り組みを認めてもらったかと思うと,素直にうれしいですね」。
写真右:マインドストームNXT。コンピュータ教室内には,ライントレースのプログラムを実行するための,専用のスペースも設けられている。

課外授業「宇宙エレベーター」

課外授業として先生がいま最も力を入れているのが宇宙エレベーター。生徒たちは,「マインドストームNXT」でつくったロボットに,ロープを伝って昇降する制御プログラムを実装する。夏休みには,巨大な気球を30,40メートル上空に飛ばし,そこと地上を結ぶロープを,ロボットに昇らせる実験も行った。平成25年度には「宇宙エレベーター競技会を立ち上げたい」と小林先生の夢は広がる。

リフレッシュ法

校務に加えて,教科書や機関誌の執筆をはじめ,NHK高校講座の番組出演,新聞などの各メディアへの取材対応,さらには研究会の主催や講演など活躍のフィールドは多岐にわたる。そんな多忙を極める先生だが,時間をつくってはテニスと釣りで心身をリフレッシュしている。

ThinkQuest JAPAN

情報準備室にて

年間カリキュラムに,問題発見から解決までを行うWeb制作(18コマ)を総合実習として組み込んでいる。小林先生は,その延長に,Web教材開発コンテンスト「ThinkQuest JAPAN」への参加を用意している。自主的に参加したい生徒が参加するものだが,希望者は絶えず,同コンテンストが ’98年にスタートして以来,一度も欠かさずに参加。これまで15回連続入賞を果たし,文部科学大臣賞を3回,経済産業大臣賞2回,総務大臣賞1回を受賞している。’99年の世界大会では,教え子が多国籍チームを組み,小林先生もコーチ役として参加。世界第3位に輝いた。