「ジャンプ!ボーイズ」

泣かないもん、がんばるもん、負けないもん!

子どもを育てるヒントが、この映画には隠れている!!

 台湾の北東、羅東に住む幼稚園から小学校2年生までの少年7人が、体操の全国大会に出場するまでを描くドキュメントである。
ジャンプ!ボーイズ 7人の少年が、とても可愛く、あどけない。小恩(シャオエン)は幼稚園児。思いきりがいいのに、泣き虫。兄の小軒(シャオシュエン)は臆病でナイーブ。実力ナンバーワンで、仲間をからかうのが好きな黄克強(ホアン・クーチャン)。賢くて、体の柔らかな李智凱(リィ・チカイ)。黄靖(ホアン・ジン)は恥ずかしがり屋だが、気は優しい。楊育銘(ヤン・ユゥミン)は運動神経は抜群、エリートコースを歩もうとしている。内気だが根性のあるところを見せる林信志(リン・シンチ)。
 まだ幼いとはいえ、練習は厳しい。コーチは、かつてアジア大会で金メダルを獲得した林育信(リン・ユィシン)。7人の少年の脚はアザだらけでも、容赦はしない。練習で怪我をしないためにも、ストレッチなどの基礎は欠かせない。泣いても、頑張る少年たち。
 カメラは、少年たちの家族に迫る。厳しい練習に耐え、体操をやめない少年たちの素顔が浮かび上がる。
 少年たちを競わせるために、順位ごとに好きなお菓子を与え、体操の極意を教えるコーチ。才能、努力も必要だが、体操には想像力が必要と説く。
 演技が始まる。体操は床、鞍馬、つり輪、平行棒、跳馬、鉄棒の6種目。少年たちの体が宙を舞い、躍る。着地がうまくいかない。コーチは、失敗を真似て、笑いをとる。ゆっくりだが、少年たちは確実に成長を続けてゆく。

ジャンプ!ボーイズ コーチの体操人生が語られる。不良少年の過去が明らかになる。そして今は、少年たちをオリンピック選手に育てるのが夢である。
 いよいよ大会である。「ジャンプ!ボーイズ」たちの演技が始まろうとしている。 監督は林育信コーチの実弟、林育賢(リン・ユィシェン)。兄を見て体操にあこがれるが、挫折。ある日、兄の小さいころの写真を見て、「ジャンプ!ボーイズ」の製作を決めたという。
 単に、体操を教え、学ぶだけでなく、夢に向かって邁進する群像が、鮮やかに描かれ ている。先生と生徒、親と子で共に見てほしい。

●初夏(6月末) シネスイッチ銀座ほか全国にてロードショー
メモ:6/8~10 本映画主演の子どもたちや、コーチらが来日。
東京都の小学校で、日本の小学生と交流する予定。