図画工作科でのICT活用アイデア
図画工作科でのICT活用アイデア
今回は、Web上の作品ギャラリーを使った鑑賞についてご紹介します。
1)Web上の作品ギャラリーについて
現在、いくつかの美術館では、所蔵作品をWeb上で公開しています。そのため、インターネットに接続することでそれらの作品を自由に閲覧することができるようになりました。
例
例えば、「この筆あと,どんな空?(5・6下p.18-19)」の《星月夜》や《ジヴェルニーの積みわら,夕日》などは、Web上で鑑賞することができます。
また、美術作品だけではなく、児童生徒作品を公開する取り組みもあります。地域で開催するオンライン展覧会や、出版社のWebサイトなどで作品を見ることができます。
今回は、児童作品を掲載している「みんなの図工ギャラリー」を使い、題材と関連させながら鑑賞する方法についてご紹介します。
みんなの図工ギャラリーとは
小学校の児童がつくった作品を見ることができるWeb上のギャラリーです。
- 題材ごとに分けて作品が表示されます。
- 使っている材料や用具、作品のサイズを見ることができます。
- つくった人のコメントを見ることができます。
- 360度回して見ることができる(オブジェクトVR)作品もあります。
2)みんなの図工ギャラリーの使いどころ
活動に入る前に作品を鑑賞し、見通しをもつ
使っている材料や用具、サイズを確認し、準備物の参考にする
例えば、「空きようきのへんしん(3・4上p.38-39)」の活動に入る前に、使っている容器について着目しながら作品を鑑賞します。
「どんなようきを使っているかな。おうちからどんなものを持ってくるか考えようね。」
「ようきをどんなふうに使っているかな。」
「みんな、どこで使うものをつくりたいかな。」
のように投げかけながら鑑賞することで、児童が、準備するものやつくりたいものを考えるきっかけをつくることができます。
また、教師にとっても、作品を見ながら用意する材料を考えたり、サイズを確認しながら粘土の量を考えたりするなど、授業の見通しをもつための参考にすることができます。
自宅で作品を見て、発想や構想の参考にする
例えば、「心に残ったあの時 あの場所(5・6上p.22-23)」の活動に入る前に、みんなの図工ギャラリーを自宅で見てくるように伝えることができます。
「いろいろな時間、場所をかいた作品を見ながら、自分だったらどんな場面をかきたいか、考えてきてね。」
「何を、どこに、どんなふうにかいているか、よく見てみてね。」
のように投げかけることで、児童が、活動に見通しをもち、表したいことや表し方について考えるきっかけづくりをすることができます。
360度回して作品を見て、参考にする
例えば、「固まった形から(5・6下p.28-29)」の活動に入る前に、360度回転させて作品を鑑賞します。
「この形面白い! というところはある?」
「何を使って固めたんだろうね。来週、布を固めるとき、持ってきたい材料はある?」
のように投げかけながら鑑賞することで、児童が活動に見通しをもち、「自分だったらこうしたい」と考えることを促すことができます。
活動の途中で作品を紹介し、新たな発想や構想のきっかけにする
例えば、「コロコロガーレ(3・4下p.12-13)」の活動において、
- 1次の終わりに、児童の活動の様子を取り上げて紹介する。
- 2次のはじまりに、前時の児童の活動を紹介する。
などすることと同様に、活動の途中で、みんなの図工ギャラリーの作品を紹介することができます。
「こんなつくり方をしている人もいるね。ほかにはどんなつくり方ができそうかな?」
「こんなテーマにしている人がいるね。自分ならどんなテーマにしたいかな?」
のように投げかけながら紹介することで、児童が、新たな発想や構想、技能の手がかりを得られるようにすることができます。
ご紹介した「みんなの図工ギャラリー」は、こちらからご確認ください。
https://www21.nichibun-g.co.jp/zuko_gallery/