小学校 書写(国語)

小学校 書写(国語)

文字の大きさと配列 「実りの秋」(第5学年)
2014.06.30
小学校 書写(国語) <No.007>
文字の大きさと配列 「実りの秋」(第5学年)
大阪府 小学校教諭

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。

1.単元名

文字の大きさと配列 「実りの秋」

2.目 標

○漢字と平仮名の文字の大きさや配列に気をつけて書く。
○漢字と平仮名の文字の大きさや配列に気をつけて,半紙におさまりよく書く。
○筆順と字形との関係に気をつけて,漢字を書く。
○既習の字形や行の中心,文字の大きさに気をつけて書く。

3.評価基準

関心・意欲・態度
○自分のめあてを見つけようとしている。
○漢字の平仮名の大きさに気をつけて,配列よく書こうとしている。

思考・判断・表現
○毛筆で学習したことを硬筆で確かめながら書いている。

技能
○文字の大きさや配列に気をつけて書くことができる。

知識・理解
○配列よく書くための方法を理解している。

4.本単元の指導にあたって

 本単元では,漢字は大きく,平仮名は小さく書くと読みやすいことを取り上げ,定着を図る。  画数の少ない平仮名を漢字と同じ大きさに書くと,平仮名が大きく見えてしまい,読みにくいことを理解して書くことができるようにする。
 1学期は「組み立て方と字形」について学習してきた。どのような形で書いたらよいのか,全体のバランスはどうかを考えながら書くことを練習してきた。子どもたちは,初めは,ただ単に「手本の通りに書く」ことを目標として黙々と練習していたため,評価をしても「○○さんよりうまい」「○○さんのようには書けない」といった他人との比較しかできておらず,自分の字に自信の持てる児童は多くなかった。そこで,ためし書きをし,「自分の書いた字を添削し,交流する」ことをすべての学習で行うようにした。すると,自分の字の直すところが明確になり,まとめ書きでは,手本を意識して見るようになった。さらに,「自分は~が手本のように書けるようになった」と自分自身の成長を評価できるようになっていった。また,ためし書きを交流する際には,筆の動きを確認しやすくするため,「筆てぶくろ」を使った。穂先の向きや筆の回転の仕方など,筆だけで確認するより,児童には分かりやすかったようである。
 本単元では,これらの学習を生かして,漢字と平仮名の交ざった4文字を大きさや配列に気をつけて書く。漢字は画数が多いので,画の太さや長さにも十分意識して,半紙におさまりよく書けるようにもしたい。平仮名では,点画のつながりや丸みを意識して書けるようにもしたい。さらに,毛筆で学習したことを今後の硬筆でも生かすことができるようにしたい。

5.単元の指導計画(全2時間)

主な学習活動・内容

指導の工夫と教師の支援

準備物

1

漢字と平仮名の大きさと配列に気をつけて毛筆で書く。

○作品を見て,漢字と平仮名の大きさの違いを知る。
C1.漢字が大きい。
C2.平仮名が小さい。
C3.違いがあったほうが読みやすい。

(関)漢字と平仮名の大きさの違いや配列について知ろうとしている。
【観察・発表】

○ためし書きをし,自分のめあてを見つける。
C1.「実」は,右はらいを半紙におさまるように書く。
C2.「り」は,1画目と2画目がつながるように,書く。
C3.「秋」は,右はらいを大きく書いたほうがいいのかな。

(関)ためし書きから自分のめあてを見つけようとしている。
【観察】

○交流し,まとめ書きをする。

(関)ためし書きから自分のめあてを見つけようとしている。
【発表】

(技)文字の大きさや配列を意識しながら練習する。
【半紙】

(知・技)漢字と平仮名の大きさの違いや配列について理解したうえで練習している。
【半紙】

○評価をする。
C1.漢字を大きく書くことができた。
C2.漢字と平仮名の大きさに違いをつけることができた。

(関)自己評価や相互評価でよいところを見つけようとしている。 【観察】

2

漢字と平仮名の大きさと配列に気をつけて毛筆で書き,さらに硬筆で書く。

○作品を見て,自分のめあてを見つける。
C1.もう少し右はらいを大きく書く。
C2.文字の中心を意識して書く。

(関)自分の作品から本時のめあてを見つけようとしている。
【観察】

○交流し,まとめ書きをする。

(関)本時の自分のめあてを見つけようとしている。
【発表】

(技)文字の大きさや配列を意識しながら練習する。
【半紙】

(知・技)漢字と平仮名の大きさの違いや配列について理解したうえで練習している。
【半紙】

○評価をする。
C1.文字の中心を意識することができた。
C2.漢字は直線的に,平仮名は曲線的に書くことができた。

(関)自己評価や相互評価でよいところを見つけようとしている。
【観察】

○硬筆で書く。
C1.毛筆で意識したことを硬筆でも気をつけて書こう。

(思)毛筆で学習したことを硬筆で確かめながら書いている。
【練習ノート】

6.本時の学習

①目 標
○漢字と平仮名の大きさと配列に気をつけて書く。

②学習展開

主な学習活動・内容

指導の工夫と教師の支援

準備物

1.漢字と平仮名の大きさの違いを知る。
C1.読みやすい。
C2.漢字と平仮名の大きさが違う。
C3.バランスが悪い。

C1.漢字が大きい。
C2.平仮名が小さい。

C1.漢字は画数が多いから。

○作品を見てそれぞれのよさを発表できるようにする。

○バランスのとれた作品に共通することを見つけて発表できるようにする。

○なぜ漢字が大きく,平仮名が小さいとバランスがよいのかを考えられるようにする。

児童の作品

漢字は大きく,ひらがなは小さくなるように大きさと配列に気をつけて,ていねいに書こう。

2.ためし書きをし,自分のめあてを見つける。

○手本は見ずに書き,手本と比べたことを赤ペンで書きこむようにしたい。
○気がついたことは,文字やしるしで書きこむことができるようにする。

3.気をつけるところを交流する。
C1.「実」は,右はらいを半紙におさまるように書く。
C2.「り」は,1画目と2画目がつながるように書く。
C3.「り」は,丸みをもつように,縦長になるように書く。
C4.「の」は,筆を回転させるように書く。
C5.「秋」は,へんとつくりの大きさにも意識して書く。
C6.「秋」は,右はらいを大きく書いたほうがいいのかな。

○発表したことを1つずつ確認する。

○文字の中心を確認する。
○始筆,送筆,終筆を確認しながら,いっしょに空書きをする。

筆てぶくろ

4.まとめ書きをする。

○交流したことを生かして,練習できるようにする。

5.評価をする。
C1.うまく書けるようになった。
C2.漢字と平仮名のバランスがとれるようになった。

○ためし書きとまとめ書きを並べて,よくなったところを見つけられるようにする。

評価カード