小学校 社会
小学校 社会

※本実践は平成20年度版学習指導要領に基づく実践です。
1.単元名
「日本の国土と人々のくらし」
2.目 標
国内には位置や地形,そして気候条件から見て特色ある地域があること,人々の生活や産業は地域の自然環境と密接な関連をもっていることを具体的に調べ,自然環境に適応しながら生活している人々の工夫や,人々の生活と産業との関連について考え,表現する。
3.評価規準
○社会的事象への関心・意欲・態度
気候条件から見て特色ある地域に関心をもち,意欲的に調べ,特色ある地域のよさを見つけようとしている。
○社会的な思考・判断・表現
人々が国土の自然環境に適応しながら生活や産業を営んでいることやその地域の特色やよさについて思考・判断したことを,言語などで適切に表現している。
○観察・資料活用の技能
気候条件から見て特色ある地域の人々が,地形や気候に合わせてどのような生活をしているのか,季節のこよみやインターネットなど目的に応じた方法で調べ,調べた結果やおもいをまとめている。
○社会的事象についての知識・理解
気候条件から見て特色ある地域の様子を具体的に理解している。
4.本単元の指導にあたって
本単元は学習指導要領において,内容(1)にそのねらいが書かれている。
(1)我が国の国土の自然などの様子について,次のことを地図や地球儀,資料などを活用して調べ,国土の環境が人々の生活や産業と密接な関連をもっていることを考えるようにする。 |
小単元「さまざまな土地のくらし」の具体的なねらいは,内容(1)のイに書かれている。
イ 国土の地形や気候の概要,自然条件から見て特色ある地域の人々の生活 |
ここでおさえる内容は,次の2点である。1つめは,地域による気温と降水量の違いなどの気候の概要を取り上げ,我が国には四季の変化が見られること,国土の南と北,太平洋側と日本海側では気候が異なることなど,国土全体の気候の大まかな様子や特色を調べることである。2つ目は,自然環境に適応しながら生活している人々の工夫を具体的に調べることである。
このように,人々が国土の自然環境に適応しながら生活や産業を営んでいることを手がかりにして,国土の環境が人々の生活や産業と密接な関連をもっていることを,広い視野から考えることができるようにすることをねらいとしている。
実際の指導にあたって,「であう・つかむ」では,北海道・京都・沖縄の雨温図や生活の様子がわかる資料をもとに,同じ2月でも地域によって気候条件に特色があることに気付くようにする。そして,日本の南北に位置する北海道と沖縄にくらす人々の生活に問題意識を向けるようにする。
「調べる」では,沖縄を取り上げ,家のつくりや産業について調べることで,あたたかい気候条件がもたらす被害からくらしを守ったり,気候条件を利用した産業を営んでいたりする人々の努力や工夫について考えることができるようにする。
「まとめる」では,沖縄を取り上げて分かった「人々が国土の自然環境に適応しながら生活や産業を営んでいる」ということが,北海道でも言えることを確かめる。
さらに,日本海側と太平洋側,瀬戸内海側では,気候が異なり,それぞれの地域でくらす人々もまた同じように適応して生活していることを知ることで,「国土の環境が人々の生活や産業と密接な関連をもっていること」という社会認識をより確かなものにできるようにする。このことが,広い視野から考える目を育てることにつながると考える。
5.単元の指導計画
時 |
学習の流れ |
支援・留意点 |
評価 |
---|---|---|---|
① |
○3つの雨温図は,それぞれどの都市のものかを考える。 ○調べたいことや気になることから自分の学習問題をつくる。 |
・3つの雨温図がどこの都市のものかを考えることで,南北の位置と気温のグラフとを関連付けて気候の特色に目を向けるようにする。 |
(関)気候の違いに関心をもち,進んで調べようとしている。 |
○クラスの学習問題をつくる。 |
(思)気候の違いとくらしの関係について自分なりの学習問題をつかみ,学習の見通しをもって追究している。 |
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気候条件に特色がある地域の人々は,きびしい寒さや暑さ,大雪や台風に対して,どのような工夫をしてくらしているのだろうか。 |
|||
○予想を立てる。 |
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② |
○あたたかい土地に住む人々は,くらしにどのような工夫をしているのだろうか。 |
・伝統的な家だけでなく,現在の家のつくりも気候に合わせてあることに気付くようにする。 |
(知)沖縄の人々が,気候条件に適応して生活をしていることを考え,具体的に理解している。 |
③ |
○沖縄県では,あたたかい気候をどのように産業に生かしているのだろう。 |
・台風への備えや気候に合わせて作物を工夫して作っていることについて具体的に考えるようにする。 |
(技)沖縄のあたたかい気候に合わせた産業の様子について調べた結果やおもいをまとめている。 |
④ |
○沖縄県の文化や自然は,どのようにして守られているのだろう。 ○沖縄県の人々の生活について,分かったことや考えたことをまとめる。 |
・あたたかい気候や本土からの距離,軍用地の存在など,沖縄の特色を考え,人々の努力や工夫について,考えるようにする。 |
(思)様々な資料の中から,自分のテーマにふさわしいものを取捨選択し,沖縄の歴史や伝統,現状や将来について,具体的に考え表現している。 |
⑤ |
○北海道に住む人々は,くらしにどのような工夫をしているのだろうか。 ・沖縄と同じように,寒さや雪への備えがある。 ○日本各地の気候区分について知り,クラスの学習問題について話し合う。 |
・沖縄をとり上げて調べて分かったことが,北海道やその他の地域においても言えることを確かめることで,クラスの学習問題を解決し,説明できるようにする。 |
(思)各地域の人々が気候条件に適応して生活していることを具体的に考え,表現している。 |
気候とわたしたちのくらしや産業は深くかかわっていて,人々は気候に合わせたり,気候の特色を生かしたりしながら工夫してくらしている。 |
6.本時の学習
①目標
気候の違いとくらしの関係について自分なりの学習問題をつかみ,学習の見通しをもって追究する。(思考・判断・表現)
②本時の展開
学習活動 |
支援・留意点 ◇資料 |
|
---|---|---|
○3つの雨温図は,A~Fのどの都市のものかを予想する。 |
◇2月の気温のようす図 |
(関)気候の違いに関心をもち,進んで調べようとしている。 |
○札幌市と那覇市の写真やイベントのポスターから,どちらも2月の様子であることに気付き,気候条件に特色のある地域であることを確かめる。 |
◇2月の札幌市と那覇市の写真 |
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○台風と大雪の被害について知り,自分の学習問題をつくる。 |
◇台風と大雪の被害の写真 |
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○自分の学習問題を交流し,クラスの学習問題をつくる。 |
(思)気候の違いとくらしの関係について自分なりの学習問題をつかみ,学習の見通しをもって追究している。 |
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気候条件に特色がある地域の人々は,きびしい寒さや暑さ,大雪や台風に対して,どのような工夫をしてくらしているのだろうか。 |
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○予想をノートに書く。 |
・「~するために」「~だから」「~というところから」などの話型を示し,予想にも自分なりの理由や根拠を明確に書かせるようにする。 |