小学校 図画工作

小学校 図画工作

「動き出すストーリー」(第4学年)
2022.09.29
小学校 図画工作 <No.049>
「動き出すストーリー」(第4学年)
埼玉県さいたま市立大宮南小学校 依田淳子

1.題材名

「動き出すストーリー」

2.学年

第4学年

3.分野

工作に表す 鑑賞する

4.時間数

6時間

5.題材設定の理由

題材について
 GIGAスクール構想が一気に進み、PCを活用した学習が積極的に行われるようになり、平面や立体の表現に「動き」をつけることが容易になった。本題材は、物語の一場面を三次元のスペースに紙粘土で表現するというものである。コマ撮りアニメーションの仕組み「KOMAKOMA」を使って、登場人物が実際動いたらつくる喜びが倍増すると考えた。
 これまでは、粘土でつくった作品そのものがまるで動いているかのように表現することが求められた。粘土でつくる作品は短時間で容易につくり、アニメーションによって動きをつけることで、臨場感あふれる表現が可能になると考え、本題材を設定した。

児童について
 軽量紙粘土は1年生の時からたびたび扱っており、その経験から彩色や接着等、表したいことに合わせて多様な表現をすることができる。また、PC(タブレット)の扱いにも慣れているので、被写体を動かしながらコマ撮りする活動も可能であると考えた。

6.準備物

教師:軽量紙粘土、背景に使う段ボール、チャック付きビニル袋(軽量紙粘土の保管用)、ラップ、色画用紙 など
児童:粘土板、粘土べら、爪楊枝、割り箸、水彩絵の具、カラーペン、接着剤、手拭き用タオル、個人用PC(タブレット)、KOMAKOMA×日文(https://www21.nichibun-g.co.jp/komakoma/ ) など

7.題材の目標

 物語のお気に入りの場面の様子や登場人物をつくり、コマ撮りアニメーションの仕組みを使って動画にすることを楽しみながら、その物語のよさや面白さを表現する。

観点別目標

【知識及び技能】

  • コマ撮りアニメーションの仕組みを使い、物語の面白さを表すときの感覚や行為を通して、形の感じ、色の感じ、それらの組合せによる感じ、色の明るさなどが分かる。
  • 表現方法に応じて材料や用具を活用するとともに、前学年までの粘土や絵の具、接着剤などの経験を生かし、手や体全治を十分に働かせ、表したいことに合わせて表し方を工夫して表す。

【思考力、判断力、表現力等】

  • 形の感じ、色の感じ、それらの組合せによる感じ、色の明るさなどを基に、自分のイメージをもちながら、物語から感じたこと、想像したことから、表したいことを見付け、表したいことを考え、形や色、材料などを生かしながら、どのように表すかについて考える。
  • 形の感じ、色の感じ、それらの組合せによる感じ、色の明るさなどを基に、自分のイメージをもちながら、自分たちの作品、製作の過程などの造形的なよさや面白さ、表したいこと、いろいろな表し方などについて、感じ取ったり考えたりし、自分の見方や感じ方を広げる。

【学びに向かう力、人間性等】

  • 進んで物語から感じたこと、想像したことをコマ撮りアニメーションの仕組みを使って表したり、鑑賞したりする学習活動に取り組み、つくりだす喜びを味わうとともに、形や色などに関わり楽しく豊かな生活を創造しようとする。

8.評価規準

【知識・技能】

  • コマ撮りアニメーションの仕組みを使い、物語の面白さを表すときの感覚や行為を通して、形の感じ、色の感じ、それらの組合せによる感じ、色の明るさなどが分かっている。
  • 表現方法に応じて材料や用具を活用するとともに、前学年までの粘土や絵の具、接着剤などの経験を生かし、手や体全治を十分に働かせ、表したいことに合わせて表し方を工夫して表している。

【思考、判断、表現】

  • 形の感じ、色の感じ、それらの組合せによる感じ、色の明るさなどを基に、自分のイメージをもちながら、物語から感じたこと、想像したことから、表したいことを見付け、表したいことを考え、形や色、材料などを生かしながら、どのように表すかについて考えている。
  • 形の感じ、色の感じ、それらの組合せによる感じ、色の明るさなどを基に、自分のイメージをもちながら、自分たちの作品、製作の過程などの造形的なよさや面白さ、表したいこと、いろいろな表し方などについて、感じ取ったり考えたりし、自分の見方や感じ方を広げている。

【主体的に学習に取り組む態度】

  • つくりだす喜びを味わい進んで物語から感じたこと、想像したことをコマ撮りアニメーションの仕組みを使って表したり鑑賞したりする学習活動に取り組もうとしている。

9.指導計画(全6時間)

  1. 教師が簡単につくった動画を見て、アニメーションの仕組みを知る。
    自分が選んだ物語の中からつくりたい場面を決め、構想を練る。 (45分)
     ⇅ 行き戻り
  2. 紙粘土で登場人物をつくる。(90分)
     ⇅ 行き戻り
  3. 場面の背景になる土台をつくる。(45分)
  4. 登場人物の動かし方や撮影の仕方を工夫しながら、KOMAKOMA×日文でコマ撮りする。
  5. 互いの作品を鑑賞し、よさや面白さを伝え合う。

10.活動の様子

【作品例➀】「ヤマタノオロチ」

物語の舞台をつくる。段ボールを二つ折りにして、垂直の状態が保てるようにモールを使った。

登場人物は自分が表したい場面に登場するものだけをつくる。舞台におさまるように小さめにつくるのがコツ。

登場人物を舞台に置き、どう動かすかを考える。

登場人物を少しずつ動かしてコマ撮りする。アングルを変えたり、アップやズームをしたりして撮影していた。

【作品例➁】「ごんぎつね」

段ボールの下半分に切り込みを入れて、立体的な舞台にした。景色も紙粘土で丁寧につくっていた。

ごん、兵中、うなぎと、表現したい場面の登場人物を色にもこだわってつくった。

国語の授業で読み取った情景を想起しながら、登場人物を丁寧に動かしていた。

途中で撮影した動画を確認しながら、次の動きを考えて撮影していた。

※完成作品はこちらからご覧ください。
https://www21.nichibun-g.co.jp/komakoma/gallery/#cs_49

※本題材で使用している「KOMAKOMA×日文」はこちらからご利用いただけます。
https://www21.nichibun-g.co.jp/komakoma/